まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

キンキンに冷えた、シドニーマラソンレース振り返り。【WMM正式候補大会】

 

極寒のシドニーマラソン振り返り。

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3時に起床して朝食。

昨年異例の30℃の暑さとなった事からスタート時間を1時間前倒し、早朝中心の豪州マラソンの中でもかなり早い6時開始。

そのニュースの印象が強すぎたため、まさか寒くなるとは思っておらず、当日の予想気温9℃にはビックリ。日本の冬マラソンでもなかなかないぞ。

 

レース当日の荷物預かりがないため、捨てても良い上着一枚を羽織り、あとはレースの格好とドリンクのボトルのみのスタイル。

意を決してホテルから外に出ると...寒すぎる!

割と風もあり、奥歯ガタガタ振るわせながら、会場に向かった。

 

セントラル駅から電車に乗って4駅のノースシドニー駅へ移動。ここまでは10分程度で到着するが、会場のクリケット場まで歩いて1kmとまぁまぁ距離があり、なんとか人の塊の中に入って少しでも寒さを誤魔化していく。

 

コロナ禍が明けてからはWMM(ワールドマラソンメジャーズ)入りを目指して、主催者はなりふり構わずコース、スタート時間、会場等々あらゆる部分を変更。5年前出場した時とはもはや別の大会と言えそう。

 

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LIVE動画より。WMMの年代別世界選手権も併設されており、立派なウォーミングアップ会場で準備。でも屋外しか待機できる所が無いので寒い...

 

アップは軽めにする予定だったが、会場の芝生でなるべく止まらないようジョグを続けて身体を温めた。

涼しいパラダイスを求めて、再び豪州に戻ってきたわけだけど、ここまでキンキンな空気をお出しされるとは...。

 

 

レーススタート。タフなアップダウン。

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優先スタート(ほぼエリート扱い)のため整列はすんなりいけた。6時前には明るくなり、レーススタート。

いきなり急激な下りから始まる。なるべく序盤で足を使わないよう気をつけたい所。

 

予定通り、行場さんと一緒に女子の先頭集団に加わりレースを進めていく。

今回はまだ日本の暑さでマラソン練習は全くできていない状態だったので、トレーニングの一環として抑えめのペースで気持ちよく完走するのがテーマで、例年なら女子の先頭集団のペースが丁度良いと思っていた。

 

だが今年の女子のエリート選手はかなりのレベルアップ、世界のメダリスト級が多数出場しており、ベスト記録がぼくより速い選手も数人。ハーフ付近までついていき、そこからマイペースに切り替えるのが妥当かなとプランを修正した。

 

名所のハーバーブリッジを越えて、さらに下っていったが、入りの5kmは16分55秒。なぜか思ったより遅い。序盤から今回のレースはタフになりそうなのが予感できた。

 

新コースとなり、全体的に下り坂が増えたもののアップダウンが連続するタフなコース。

 

ここからが細かいアップダウンや、狭いカーブの連続に苦しめられる。

先頭を引っ張るペーサーらしき人はなるべくイーブンペースで行こうと考えているのか、上りが速く感じられる。

5-10km16分52秒で、体感よりきつい。

 

まだ身体が目覚めてないのかな?序盤から結構きつさを感じていたが、ここは我慢する所だと思って、集団にしっかりついていく。

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10km以降からは、強烈な長い上り坂の区間が続き、かなりきつかった。こんなので後半保つのか、周りの選手も不安ではないのだろうか。とはいえぼくにはレース結果のプレッシャーは無い。半ばヤケクソ気味で先頭についていった。

10-15kmは16分54秒とペース自体は安定している。

 


安定の中盤、どこまで行けるのか...

 

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15-20kmを16分57秒。

しんどい坂を乗り越え、20kmからは比較的緩やかな局面に変化。街中から少し離れ観客は多くないが、広く真っ直ぐな道が中心で走りやすい。

ここまでがタフな道のりだっただけに、だいぶ普通のコースの感覚に近くなってきたなと感じた。

そして、遂に最大目標の25kmをクリア、20-25kmを16分42秒)。まさかここまで来れるとは。

徐々にきつく、身体の力が抜けてきたように感じる。

少しお腹が痛くなったので、途中にあったジェルはパスしてしまった。(ぼくのユニフォームにはジェルを携帯するポケットはない)

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(LIVE中継画面)

 

気づいたら周りの男子選手や女子エリート選手もかなり脱落して、集団はだいぶ絞られていた。

結局30kmまで到達。25-30kmも16:58でここまでほぼイーブンと流石にナイスな働きのペーサー。

 

もう目的は十分に果たした。後は無理せず自分のペースで完走を目指そう。

 

満足感溢れる(?)30km以降。40kmの難所

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30km到達と同時にペースダウン。

気が抜けたのもあり、風が強くなってきたのもあって、ドンドン先に落ちたランナーに抜かれていき、30-35kmは18分48秒

下り坂で前モモが痛い!こんなマラソンはなかなか無いぞ。

一瞬走れなくなるかと思ったが、アダムスさん(パリ五輪代表、今回は途中までペーサーをしていたがなぜかいた)を沿道で見つけて少し元気回復。全身重たいが、一応まだフラフラになるほどはスタミナ切れは起こしてなさそう。

 

ペースが落ちて再び身体の冷えが出たためか尿意が出て37km付近で一旦トイレ離脱。以前のNAHAマラソンの時のように一度止まった方がリフレッシュできるかなというのもあって我慢はせず、せいぜい1分弱程度で済ましコースに復帰した。

 

ただ、やはりレースというのは動き続けているもので、気づいたら数人のランナーがぼくの前に出ていたので、少し慌てて前を追った。

 

35-40kmは20分17秒。結構落ちたけど、ロスタイムを加味するとこんなものかな?

このまま最後まで行けるかと思った矢先、40kmからの向かい風と坂でとてつもない"壁"が襲いかかってきた。

この1〜2km程度でとんでもない大失速となり、5つほど順位を落としてしまう。

ここで走り込み不足のツケが一気に吹き出したようだ。

 

幸い最後の数百mは下り坂だったので、惰性で前に進むようになり、最後はフィニッシュ地点のオペラハウスが見えてきてホッと一息。

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タイムだけ見ると後半はグダグダなレースだったが、この2ヶ月は練習で22km以上の長距離走はしていなかったので、30kmまでいけるとは思ってなかったのが正直な所。

 

一緒に走った行場さんはさすがの走りで後半まとめて2時間23分台(15位)でフィニッシュ。

また連敗記録を更新し悔しい気持ちもあるが、30kmまで集団につけたのは行場さんがいてくれたのも大きいだろう。

 

しっかり完走して真夏の日本ではできない最高のロング走をする、世界トップランナーと同じ集団で走る、JTBアンバサダーデビュー戦で出来るだけ長い時間中継に映る。

 

最終的には全てのミッションを達成することができた。

 

反省点としては、途中のジェルもらっとけばよかったかなというのと、37kmで一旦トイレ離脱してのタイムロスとその後急に上げたのが最後のダメージに繋がってしまったか?やっぱりそのままのリズムで走っとけばよかったかなとは思った。

 

さすがに脚はボロボロ。レース前はニコニコペースで走り切りたいと思っていたけど、結局ちゃんとした"マラソンレース"になった。

これはこれで楽しく、いつも以上に思い出に残るレースになったと思う。

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シドニーという素敵な街でマラソンを走れた事に感謝。

 

 

レース結果

 

2時間29分18秒(28位)

▷METASPEED EDGE PARIS

HALF71:13-78:05

(5km)...16:55/16:52/16:54/16:57/16:42/16:58/18:43/20:17/9:00

 

 

☆WMM2つ目制覇(仮)

・下りが多いものの、かなりのタフコース

 

〜次回はいつも通りレース移動・観光編に続く〜

 

↓懐かしい5年前のレース振り返り。

www.takemarun.com