まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

ブレーキを外し、レースに強い粘りを作る1km高強度+LT走【コマネチスペシャル】

今回はぼくの走りを劇的に変えた1km高強度+LT走(コマネチスペシャル)を紹介します。

 

 

持久力アップとスピード練習がうまく噛み合わない時...

 

夏場はジムのトレッドミル走で練習量を増やしスタミナがついてきたので、スピード練習を増やしていったものの10月のMDC1500mはここ数年のワースト記録となる大失速。

 

その後一旦持久系の練習に戻して調子を整えようとしましたが、東日本実業団駅伝では周りの選手のスピードについていけず平凡なタイムに終わりました(仲間は快走し、コマネチGTRはクラブチーム1位の好成績)。

 

スピード練習を増やすと最初の数百mだけ突っ込む走りでパッタリ脚が切れてしまう、しかし従来の一定のペースで走るのが中心の練習だと今の壁を壊せない。


そこでチームリーダーの小田君にアドバイスをもらい、高強度+ペース走、最後に400mでまたペースアップして終わるメニューを試してみる事にしました。

 

かなり実戦的な練習法で、最初に1000m2本をハードな努力感で走る事でレースの最初の速い入りへのメンタルブレーキを無くしていく。

 

その後完全に回復してない状態で、6km LT走(ハーフ~マラソンペース)を行う事で走りながら呼吸を回復させる能力を高め、レース中盤の粘りもつける。

一度高強度練習で乳酸を出してからのLT走は乳酸処理能力を高める効果があると言われています。

 

そして締めに400mを全力に近いペースで走る事で、本番でも疲れが出る終盤で勝手に身体が反応して動くよう脳も鍛えていきます。

 

青学や実業団駅伝でブレイク中のMABPマーベリックもこのタイプの練習を行なっているのを記事やSNSで見ました。

 

この練習がうまくできてくると、序盤の入りの上体の力みがとれてリラックスして走れるようになり、なおかつ後半落ちずに力強く走れるようになってきます。

元々練習が積めて調子が上がっていたのもあり、足らなかったピースがハマったように調子が上がり、四国駅伝の好走や5000m14分27秒(37歳にして自己ベスト8秒更新!)に繋がりました。

 

アレンジのしやすさも◎

かなりペースを上げながらも、高強度のトータル部分はそれほど多くないので、追い込み過ぎを防げるのも利点です。

ぼくの場合は2:50/km付近に上げるのが楽しくなって、1kmの部分をトラックでスパイクを履いて800mや1200mにしてみたり、色々バリエーションを変えて行っています。

もう少し心肺への負荷を増やしたい時はクロカンでの1分ファルトレクにすると、プレッシャー少なく強度を高める事ができます。

アレンジしやすいメニューだと思うのでこういうやり方もオススメというのがあったらぜひ教えてください。

 

練習メニュー例


"コマネチスペシャル"...1kmX2(3-5kmRP、R:200~400m)+6km LT+400m

 

(アレンジ)

1600-2000m(5kmRP)+6km LT+400m

800mX2(2~3kmRP、R:400m)+6km LT+400m

1200m+1'hard-1'easyX10~15

 

練習頻度:2〜3週間に1回。

 

(補足)

R:=Rest、RP=レースペース

LTはハーフ~マラソンRP

高強度→LT走のつなぎは3~5分程度が目安。

LT走→400mのつなぎはウォーク等で3分程度

 

これは持久力の土台ができた競技者向けメニューなので、スピード練習に慣れてない人は高強度は1kmは1本で十分。

スタミナに自信の無い場合はLT走を3-4km程度にして総ボリュームを抑える。

高強度の追い込み過ぎを防ぎながら速い動きに慣れつつ、短めのLT走入れるのはジュニアランナーにも大変オススメです。

 

競技力の高いシリアスアスリートは走り込み時期にLT走を最大8kmまで上げると量・質共にかなり負荷の高いメニューになります。

 

400mは毎回フルスプリントで行うと負担が大きいので、疲労度も考えながらうまく調整しましょう。

 

ロングスパートを磨きたい人は、最後の400mを600mに変えるのも良い刺激になります。

 

▷大学駅伝強豪校の練習法

 

↓今回の練習に加えて、変化走も行う事でレースに強い総合的な能力強化ができます。

www.takemarun.com