まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

20年振りの優勝を目指して、四国駅伝振り返り。【地元高知開催】

20年振りの優勝を目指して、地元高知開催の四国駅伝振り返り。

 

 

 

優勝候補として挑む四国駅伝。

 

高知メンバーはかつての実業団チーム「くろしお通信」が廃部となり、最下位か頑張って3位が定位置となっていたが、ここ最近は若手市民ランナーの台頭で5000mの平均タイムは14:30〜40付近に。ぼく自身も刺激になって、今期短い距離の自己記録は大幅に更新できた。

昨年は久々の2位となり、今年こそはという気運が高まっていた。

 

高知県チームは事前の新聞の予想ではそこまで期待はされてなかったようだが、他県の評価も高く、ぼくも十数年振りに優勝のかかった駅伝レースを走るということで結構緊張してくる。

 

四国駅伝をメインに調整してきたつもりなのだが、盛岡マラソンの疲労が抜けるのに思ったより時間がかかり、今週に入りやっと身体の感覚が良くなってきた。

 

久々に家の近くでのレースなので体調も整えやすい。なんといっても東部周回コースは自分の練習、まるRCの練習会や教室と頻繁に活用しているコース。他の高知メンバー以上にぼくにとっては慣れ親しんだコースである。

 

 

季節外れの高温レース。総力戦。

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11時にレースはスタート。

チームを引っ張る1区(10km)の久松君が安定した走りで香川の武村さんに次ぐ2位を確保。ただ暑さと坂道の影響もあってか若干牽制気味のレースとなり、あまり大きな差はつかなかった。

 

次の2区(11.1075km)で誤算が発生。優勝候補徳島と一気に逆転の1分23秒の差がついてしまう。長い距離は抜群の安定感のあった棚橋君だが、連戦もあってかあまり脚の調子が良くなく、最長区間で無理をさせてしまった。

 

3区(8.0875km)は先月5000m14分23秒を出したばかりで勢いに乗る三谷君が16秒縮めてくれたが、なかなかここから大幅に縮めるのは難しいか‥?

 

しかし高知の強みは層の厚さ。

相手にとっては優勝のプレッシャーがある中ジワジワ追い上げられるプレッシャー、23℃まで上がる季節外れの高温、慣れない周回コースのアップダウン。最後まで諦めないなければ逃げる徳島が息切れするチャンスが来るかもしれない。

 

ぼくのレースがスタートした。

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ぼくの走る4区は高校駅伝の3km区間+5km区間で丁度8kmになるコース。初めの3km周回は正確には2.92km程度なので、若干距離稼ぎの折り返しをしないといけないので注意ポイントだが、ここはいつも走っているコースなので自信を持って走れる。

 

タスキを受け取ってすぐに、東部周回コースの1番きつい所である長めの上り坂に突入する。

なるべく冷静に走ろうとは思ったが、このシチュエーション突っ込むなというのはなかなか難しい。

いきなり手足が痺れてきた。GPS計測の1km通過は2分55秒

速いけど、身体が軽く、なんとかなる気がした。

 

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併設の高校駅伝レースも含め、全然前にランナーが見えない単独走だったが、リラックスしたまま軽くポンポンと身体が進む。ここ最近固かった上半身の動きも良い。今日はイケるぞ。この”やや入りが速いかな“くらいの感覚でそのまま押していいこう。

あとは体感とペースにズレがなければ、必ず区間賞はいけるはずだ。

 

タイムが少しづつ縮まっていき、無事最初の3kmを通過した時には、1分を切っていた。

中間地点4kmの看板でタイムは12分前半。良いペースなのは間違いないので、ここからは時計は見ず、自分の走りに集中した。

 

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勢いよく走っていたぼくもさすがに5km付近では少しきつくなってきた。周回コースでは最初の長めの坂と、もう1箇所短く急な坂があり、ここを越えるとズシっと脚が重くなる。

だが、これは相手は後半さらにバテててくるのではないか?

 

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予感は的中。徳島県の背中が見えてきた!40秒程度の差と周りの声が聞こえてきた。

あれ徳島で合ってるよね?高校生?いやもう違っても徳島だと思って追いかけよう!

リズムは良いので、焦らず力まずスピードを少しづつアップさせる。


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逃げる徳島の足取りが明らかに重い。対する今のぼくは、調子良し、地元で距離感バッチリ、差も少しづつ詰めて気分も良い。

 

ビッグチャンスだ。残り1.5kmほどでぼくは走りをスパートモードに切り替えた。

遂に差が30秒を切る。きついけど、ここまで来たらもう少しゴールが先に合ってほしい気分だ。勢いはこちらに分があるとは言え、相手も必死に前に動いているのでなかなかここから差が縮めらない。


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アンカーは5kmしかなく、20秒を縮めるのは至難の業だ。ぼくがほんの数秒でも縮めることが勝負の分けれ目になるかもしれない。

なんとか、あと5秒‥‥!!!


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出せる力を全て振り絞る。


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最終的にトップ徳島との差は24秒まで縮めてタスキリレーを完了。

後は中距離のスペシャリストである岡崎君に最後の望みを託した。

 

 

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最終結果は15秒差の2位。ラスト1kmのスパートで一気に詰めるも、悲願の優勝にはあと一歩届かなかった。

高知県チームは3区、4区、5区で区間賞を獲得

 

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優勝候補で挑んだ今回のレースだったが、駅伝はそう甘くはなかった。

勝負事というのは、自分達だけではなく、みんな勝つために一生懸命ベストを尽くしている。

さらに来年は徳島はエース格や実業団選手が復活すればより厳しい戦いとなるだろう。

 

もし今回優勝していれば、ぼくはマラソン専念のために来年から四国駅伝は若い選手に譲ろうかとも考えていた。

 

でもそう綺麗には終わらせてくれないし、今の高知チームが四国駅伝優勝に挑み続けるのは、他の選手にも良い影響を与えているのではないかと思っている。

乗り掛かった船だ、ここまで来たら抜かれるまで居座ってやろう。

 

思い通りにはならないからこそ、スポーツは面白いのだ。


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新聞には大きく載せていただきました。ありがたい。来年はしっかり期待を背負って結果を出したいですね。

(高知新聞16面11月21日)

 

レース結果

 

四国駅伝4区8km‥‥24分33秒(区間賞)

👟▷METASPEED EDGE

 

高知県チーム‥‥2時間11分16秒(2位)

 

☆9連覇の徳島とは15秒差

 

↓昨年の四国駅伝振り返り記事

www.takemarun.com