今回のシューズレビューは長年ロードレースや練習で愛用してきたソーティマジックLTの新作を初代と比較しながら紹介していきます。
初代ソーティマジックLT
ターサーシリーズに似た形状のセパレートシューズに見えますが、ソールは全体的にかなり薄め。僅かに踵が厚くなっており前足部にはほとんどクッションがありません。
アシックスのソーティマジックシリーズは学生時代から使い続けた定番の商品で、2014年には最新版でより反発性の高い「ソーティマジックRP」、軽さ・耐久性・クッション・価格を重視したやや練習向きの「ソーティマジックLT」が発売。
RPは6代目までマイナーチェンジを繰り返していたのに比べ、LTは5年間バージョンアップする事無く続いてきました。
ぼくは練習で使いやすい性質、マラソンを考えると僅かにクッションのある「LT」を中心に使っていましたが、履き心地や細かい作り込み等好みなのは「RP」の方でした。
短い距離の駅伝シューズの入門版という位置づけでもあったかもしれませんが、どうせならより長い距離向けの作りにしてくれたらという気持ちもあり、もうひとつ物足りないという印象もありました。
待望の続編が登場。「ソーティマジックLT2」
そして遂に5年越しで、待望のニューバージョン・「ソーティマジックLT2」が登場。
このLT2は前作を愛用していたぼくの要望を叶えてくれたような素晴らしい進化を遂げていました。
初期のRPにあった外側のスポンジをつけフラットな形状に、ソール全体に厚みが増してより長距離で安心して使える作りに。
足に入れてすぐ馴染むソーティマジックのフィット感は健在。
さらに使ってみると新しい発見もありました。話題のライドシリーズのような僅かにつま先上がりの構造になっており、スピードとリズムに乗ってくると自然に脚が前に運ばれるような感覚になってきます。
ライドシリーズと同じく下り坂が走りやすく感じ、衝撃が逃されてダメージが残りにくくなったように感じました。
一方で、前作のLTと比べると反発性は少し弱まった感はあり、地面を強く蹴ろうとする意識が強すぎるとうまく走れないかもしれません。
使い始めはその蹴りにくさからスピード面は低下したように感じていましたが、うまく転がる感じがハマってくれば、モモ裏の筋肉を使って回転数が上がり、むしろマックススピードを引き出してくれるのではないかと思っています。
2月の丸亀ハーフでは集団のスピードに乗り、下り&追い風気味ながら途中の10kmを当時の自己ベストより20秒近く速いタイムで通過。
ハーフ〜マラソンに適したクッション面だけでなく、うまく使えば短い距離のスピードアップにも役立つのではないかと、非常に可能性を感じています。
貼り付け型インソールの真ん中には小さな穴が。熱を発散させるためでしょうか。アシックスらしい細かい拘りが見えます。
今は高額な厚底スーパーシューズが全盛なので、少し難しいポジションにはなってしまいましたが、こちらは1万円前後で購入可能で耐久性もそれなりにあり、スピードトレーニングシューズとして非常に優れたシューズだと思います。
兄弟的なシューズの「ソーティマジックRP」と比べると、"筋力のできてない学生、女性、ピッチ走法"向けな部分がありますが、他にもより長い距離、トレーニングに適しているという特徴もあるので、薄底の反発性をより重視する男性アスリートでも問題無く扱えるはずです。
初代LTは地面の食いつきはいいので、芝生や土道のスピード練習ではこちらを使っています。値段もかなり安く購入できる場合が多いので、練習用としてはさらに使いやすくなった言えそうです。
まとめ
レビュー点数…A+
◎フィット感
◯反発、グリップ、価格
-安定性、耐久性
△クッション
初代LT…A
初代の方がやや反発とグリップ寄り、LT2はクッションと安定性寄り
用途…インターバル、テンポ走、ロードレース(主にハーフ〜マラソン)