今回は人気シリーズであるエボライドの新作、エボライドスピードレビュー。
厚底化?丁寧な作りと、確かなエボライドらしさ
高額、ハイテク化が進んできた昨今のシューズ業界で、エボライドシリーズは走効率を高めるガイドソールテクノロジーを取り入れつつ、しっかりクラシックなシューズの接地感を残した良作。値段も求めやすくとても好きなシリーズです。
そんなエボライドに“SPEED”がついた新たなシリーズが始まるとなると、エボライドファンとしては久々に心が躍りました。
実際近くで見ると、思った以上に厚底で、特に前足部のボリュームが増したのが見た目的には「METASPEED」シリーズに近くなったように感じました。
エボライドの良さが無くなってしまうのでは?という懸念もありましたが…。
ノヴァブラストにも使われている高反発のFFブラスト。公式では踵の厚さは35.5mmと書かれています。
アウトソールも「METASPEED」シリーズを彷彿させる形状に。
しかし耐久性の高いAHARがしっかり踵まで補強してあるので、どこから接地しても問題ありません。
濡れた路面でのグリップも良好。
注目すべきは厚みだけではなく、新しく採用されたメッシュのアッパー。
シュータン(甲の内側)もスッキリし、以前のターサーシリーズ等、レーシングシューズのような軽快なフィット感が嬉しいです。
重さは厚みが増した事によって今までより僅かに重くなっているようです。(10〜20g程度)
SPEEDシリーズの機能性とエボライドの良さのハイブリッド
エボライドにスピードがプラスされたという事で、地面の接地感がしっかりあるエボライドがより攻撃的になったのをイメージしていたのですが、見た目は予想以上にボリューミーになり、最近の高反発厚底シューズに感触が近くなったのかと思いきや、使用感は確かにエボライドでした。
厚さを感じさせない自然な接地感と硬さ、しかしFFブラストの反発も感じられて自然とペースも上がっていきます。
前足部寄りの接地を意識しても弾むように、踵寄りの接地を意識しても安定感バッチリなので、気分に良って走り方を変えれる操作感の良さ。
厚底の「SPEEDシリーズ」のような反発やクッション性をプラスしつつ、なおかつちゃんとエボライドファンが好みの感触に仕上げる。このあたりはさすがの職人技ですね。
これが1万円前後の手頃な価格で購入できるのも嬉しい所です。この価格帯のシューズとしてはかなりクオリティが高いと感じました。
いわゆるコスパが良いと言われるシューズでも、使用感は良いけど、雨の日のグリップはイマイチだったり、長い距離を走るとクッションが固くなりやすかったりとさすがに素材の差を感じてしまう事はありました。そういう意味でエボライドスピードは機能面でもかなりバランス良く優れているように思います。
まとめ
評価…A
◎価格、フィット感
-反発、軽量性、クッション、安定性、グリップ、接地感
用途…ジョグ、モデラート走、ロングラン、ファルトレク
(適正ペースは自分の場合は4:00〜4:30/km)
誰でも履けるが、程よく硬さがありやや通好みの使用感。反発強過ぎるシューズは避けたい人にもオススメ。
久々にかなり自分好みのシューズでしたが、アシックスはこのあたりのカテゴリーが細分化され過ぎてるかな?とは感じました。まぁそれがアシックスの良さでもあるのですが。
用途・得意ペースはエボライドとほぼ同じで良く、使う前はシューズ名的には上位版かと思っていましたが、それよりはマジックスピード等「SPEEDシリーズの要素が加わったエボライド」と理解しました。
公式の説明にもあるように、”速いジョグ付近“のペースが使いやすく、それは従来のエボライドとそれほどは変わりません。
好み的には最高評価にしたかった所なのですが、尖った部分は無い分、「ジョグや長い距離はもっとクッションがあるシューズがいいし、接地感を磨いたり不整地は旧エボライド、スピード上げる練習はカーボンシューズでいいや」となってしまい、気がつけば思ったより使い所が無くなっていた可能性もあるのではという懸念もあり、最高評価よりは一点マイナスとなりました。
個人的には厚みとFFブラストで反発がある分、旧エボライドよりスピードを上げる練習やより長い距離を走ったりと、もう少し負荷を高めに入れるとより有効に使えると感じました。
このシューズは一言でまとめると“優等生”です。
↓エボライドは初代も凄く良いですよね。