森永inゼリーエネルギーチャージゲームズ10000m振り返り。
本来2日前の関西実業団選手権に出る予定から急遽変更してのレース。
バタバタと準備して、当日の朝に東京に移動した。
レースは13時50分スタートだが、当日の気温は期待通り曇りの20℃と、この時期としては最高の条件。ただアップ中は時折日が差し込んで蒸し暑く感じることもあったので、なんとか保ってくれと願っていた。
東海大vsまる
ペーサーと、コモディイイダの岡山選手、ぼく以外は全て東海大の選手。場違いにならないか少し心配ではあったが、大学生の集団走に混ざれる貴重な機会で、とにかく胸を借りるつもりで全力でぶつかればいいと思った。
第一ペーサーが3000m8分40〜45秒、第二ペーサーが3000m8分50〜55秒といったハイペースの設定。
ぼくの目標は初の29分台。若干速いが、第二ペーサーにつくという選択肢しかない。
レーススタート、まずは後方で様子見しながら第二ペーサーの集団についていく。
集団でレースは進み、東海大のコーチの方が読みあげる1周毎の通過は大体70〜71秒。
やや速く感じられ、一瞬最後までもつかという不安になるが、“このスパイクなら大丈夫だ、とにかくペーサーがつく3000mまでは挑戦していこう”と言い聞かせてついていく。
2000m過ぎで集団が少しバラけた。ペーサーにつくのは1人だけで、数秒遅れてぼくも含む5人程度の小さな集団ができた。
やはり周りもペースが速いと感じていたのか。やや勿体無いとは思いながらも、ぼくも若干遅れたこの集団でいけば好記録が狙えると読んで、無理にペースアップはしないことにした。
3000m通過はペーサーに若干遅れて8分57秒程度で通過。まだ十分に30分切りは狙えるはず。
しかしここで誤算。7番の選手が前に出て引っ張り始めると、思ったより早く周りの選手が脱落。
5000mの通過はほぼ15分丁度。しかしこの選手の作るペースも72〜73秒と徐々に落ちつつあった。
この選手もそろそろガクっとペースが落ちてしまうのではないか。もう少し待ったら、ぼくが前に出るしかない。
ぼくも結構脚に疲労がきつつあったし、腹痛や、(移動で凝ったのか)右の肩甲骨辺りも少し痛みも出ていた。このまま2人で泥試合では好記録を狙うのは難しい。
この辺りからは、記録をあまり考えず、とにかく失速を最小限に食い止めてフィニッシュに辿り着くことを考えていた。
しかし、さすが7番の選手は実力者で、若干落ちた程度のペースをしっかり維持してレースを進める。
ありがたいことでもあるが、ぼくもついていくので精一杯になりつつあった。
呼吸はまだ余裕があるものの、メタスピードLDを履いての初の10000mというのもあってか、独特の疲労感で脚が思うように前に進んでくれない。なんとかクッションに助けられて粘れているという感じだ。
いつの間にか全体がバラバラになったからか、コーチの人のタイムを読み上げる声も聞こえなくなり、10kmロードとは違う、10000m特有のグルグル周回が長く感じるしんどさを味わっていた。
そんな時に、前の組のペーサーの役割を終えたばかりの川内優輝選手から「ラスト2000mまでは我慢」とアドバイスの声が聞こえる。
そうだ、10000mはあまり走る機会が無いが、この前ベストを出した時もラスト2000mでスパートしたじゃないか。
そこまでいけばどうにかなる。
試合中は興奮状態にあるが、やはり格闘技のセコンドのように周りから冷静な助言を貰えると、落ち着きを取り戻すことができる。
そして7000m通過からは距離が短く感じた。今回は1000m以上のロングスパートする余裕はなかったものの、ラスト2周で前から落ちてきた選手が2人、かなり近づいてきたのを確認できた。
いくぞ!意を決してスパート。
これに驚いたのか、それまでお供した7番の選手を引き離すことにも成功。よし、このままラスト1周!
そこで通過タイムが目に入ると、アレ、28分?このまま1周したら29分前半…。
しまった、1周数え間違えてる〜!!
明らかに勢いが落ちたぼくに気づいたのか、7番の選手に素早く逆転される。
もちつけ、まだここで気づいてよかったじゃないか、まだ体力は絞り尽くしてないから、このまま耐え切るんだ。
もうタイムもよくわからなくなり、後はほとんどもがきながら、ラストの直線だけ少し切り替えて走れた。
タイムは30分21秒29。無事トラックのベストは更新だ。
順位も9位で、恥ずかしくないレースができたと思う。
29分台という最高の結果には届かなかったが、最低限の目標は達成という感じ。
できれば1月の赤羽10kmロードで出した30:14は上回りたかったので、終盤はきつさでそこを意識できなかった反省点もあるが、自分としては気象条件も競り合う集団も完璧だった赤羽より良いパフォーマンスが出せたのではないかと思っている。
もちろんこの時期としては、これだけ恵まれた環境で10000mを走れたのは本当に運が良かったし、貴重な場を与えてくれたエネルギーチャージゲームズに感謝したい。
1番重要なのは、速い選手達と一緒に走る経験を積み重ねる事によって、自分自身が成長し強くなっていくことだ。
そうすればタイムも自ずとついてくるだろう。
レース結果
10000m・30分21秒29(PB・9位)
(5000m通過15:00-15:21)
👟METASPEED LD 0
☆トラックベスト更新
☆東海大とレース
☆日帰り遠征
次回は高知から挑戦するエネルギーチャージゲームズ0泊1日の移動・レース前後編
↓前回のベストを出したのは1年半前の日体大記録会