今回はミニサイクルでのリカバリー週の入れ方について紹介していきます。
練習に大切なのは継続性ですが、ただ同じ事を続けるより、ほどよく波をつけるとより練習効果を吸収しやすくなります。
ぼくがおすすめするのは3週間かけて少しづつ練習量を増やしながら内容も良くしていき、1週間練習量を落とす「トレーニング3・リカバリー1」サイクルです。
海外の情報を調べていると、ヨーロッパのマラソン選手はこのようなルーティンを取り入れているランナーが多く、エリートアスリートの例だとスペイン代表の2時間7分台の記録を持つハビエル・ゲラ選手は3週間は160〜190km走り込み、回復週は140-150kmほどの走行距離に落としそのタイミングを利用して遠征しレースに出場していました。
ぼくもマラソンを走り始めた頃から3:1ルーティンを用いる選手を参考にして自分に合っていたので続けています。
のちに購入した本リカバリー-アスリートの疲労回復のために-も、「トレーニング3・リカバリー1」のメゾサイクルについて記載されており、より理解を深める事ができました。
この本ではリカバリー期間にフィットネス状態のチェック(vo2maxやLTテスト等)を入れても良く、ただし回復を妨げないように休息日もとる事も同時に注意しています。
とにかく重要なのはこの期間中にリフレッシュし、また元の練習サイクルに戻れる事です。
マスターズランナー(明確な年齢は記載されてませんが40〜45歳以上でしょうか)や経験の浅い初心者は「トレーニング2・リカバリー1」の3週間サイクルを勧めています。
・ぼくの目標のマラソンに向けたピーク時の4週間サイクル例
①緩めの週(ハードな練習はインターバル、ロング走の2回)
②中間週(火曜インターバル、木曜テンポ走、日曜ロング走。先週より走行距離+10km程度を目標)
③ハード週(火曜インターバル、木曜テンポ走、日曜ロング走。先週より走行距離+10km程度を目標)
④回復週(ショートの刺激入れ1回・例:200mX10、日曜レース。走行距離−30〜40km程度に落とす)
①に戻るを2〜3サイクル
マラソンを目指した練習なので全体的にボリューム多め、また回復週は短い刺激を入れて脚をフレッシュな状態にする事も意識しています。
ランナーのタイプや目標の種目によっては回復週はジョグのみにしてとにかく強度を落とすという選択も考えられます。
練習全体のバランスも見て、どのような疲労の抜き方をするか考えたい所です。
・レースが続く場合、逆にレース予定が無い場合の注意
大会、遠征が続いた場合はルーティンは崩れやすくなってしまいます。
他にも体調、仕事の都合…完全に守ろうとするとストレスになるので、自分の体調と相談しながら、疲れている時はサイクルに拘らず早めに”回復週“を入れていく事を勧めます。
逆に大会で自然と練習量が落ちる事で疲労がとれていた人は、大会の予定が無くなるとダラダラ中間強度の練習を続け、疲労が溜まり、パフォーマンスが伸びなくなる、故障してしまう、体調を崩す、といったミスに注意する必要があります。
レース予定が無く、強化期間が続く場合は特に、“回復週”を設ける事を忘れないようにしましょう。
そして順調にこのサイクルを3〜4回継続する事ができれば、より長いリフレッシュ期間を設けるオフシーズンも検討に入れてください。