今回は大人気のターサージール(6代目)と、最新作のターサーエッジのレビューを同時に行っていきます。
反発性・クッション性・軽量性をバランス良く兼ね備え、日本人の足に合った信頼と安心の履き心地。ターサーの名の付くレーシングシューズはレース・トレーニングのあらゆる場面で使われ、競技者にとっては長年愛され続けたシリーズです。
ぼくももちろん陸上を始めたばかりの頃から使ってきました。
ターサーは”市民ランナーの憧れ“とも言われているようで、しっかり脚を鍛えた競技者が履きこなせるマラソン用レースシューズの王道として不動の地位を確立してきました。
カーボンプレートシューズ誕生により、その地位が脅かされつつありますが、“お手頃な価格、フィット感、接地のダイレクト感“等まだまだ多くのランナーを惹きつける要素は沢山あると思います。
進化したターサー、ジールシリーズ
ターサージールシリーズが登場したのは大体2013年頃。
今までのターサーシリーズは200g前後ほどでしたが、軽量化されて180g前後に、よりレースで使いやすくなり、ロードでのスピード練習やマラソンレースではターサージールシリーズを使い始めました。
ただ、そこまで強い反発が感じられるわけでなく、本格的にスピード化が進み始めたのは3代目からで、反発材がつま先までついたりさらに軽量化されたりと、よりレース向けのターサーが誕生しました。初代からそういう方向性を目指していたのかと感じています。
ぼくはジール3で大阪ハーフマラソンで当時のベストタイム(67:32)を出しました。
そしてマイナーチェンジを繰り返してできたターサージール6はシリーズの完成版とも言える完成度だったのではないかと思っています。
ソーティに近いようなアッパーの履き心地に、より強い反発、しかし踵のクッションは確かにターサー。内側のメッシュ素材も構造もさらに軽量感を際立たせていました。
日本向けモデルだったのですが「6」は初めて海外でも発売され、アシックス契約のトップ選手にもかなり受け入れられているようでした。
イタリアのダニエレ・メウッチ選手はターサージール6で10kmロード28分09秒(バレンシア)のイタリア記録を樹立しており、他にもイギリスのデウィ・グリフィス選手も28分台の好記録で走っています。
ぼくは主にマラソンに向けた速いロング走(3:30〜400/km)での使用が中心でレースでは使う機会は少ないですが、短い距離もマラソンでも対応できる、まさに理想のシューズの一つと言えるほどの完成度まで仕上がったのではないかと思います。
リニューアルと原点回帰、ターサーエッジ
一方で、ジールシリーズには今までのターサーの練習で使いやすいという長所が減ったという不満の声もあったようです。
新たに誕生したターサーエッジは、ターサーシリーズではとても初?と言ってもいいフラットな形状のソールに大幅なモデルチェンジしました(内側は従来通りセパレート型に分離されているので半分フラットソールといった所でしょうか)
履いてみると、反発性が抑えられたマイルドな履き心地になったように感じます。
ずっと販売されている「ターサージャパン」の粘りっこい接地感にも似ているように感じました。
ぼくとしては、初めは新しい「レース向けターサー」を期待していたので、そういう意味では期待していたのと違う部分はありました。
ソールは全体的に厚みが増し、パーツも軽さより耐久性を重視しているため重量も少し重くなったようです。
ぼくにとってジールは「見かけはあまり変わらないけど、レース用に尖った性能となったターサー」
エッジは「見かけは大きく変わったけど、使用感は原点回帰したターサー」
といった印象を受けました。
わかりやすい良さのジール、練習で使い込みたいエッジ
ターサージール6のまず使ってわかりやすい反発、走りやすさが印象には残りやすいので、ジールの方を僅かに高評価としましたが、エッジの方はトレーニングで使い込むとジワジワ良さがわかってきます。
普段からフラットソール好き、ジールが反発が強すぎて好まなかった人はターサーエッジが合っているのではないかと思います。
エッジはトレーニング用や、より長い距離を走る際に使っていくと、丁寧な接地を会得していくのに有効です。
まとめ
ターサージール(6代目)
評価…A
◯反発、フィット感、接地感、グリップ
-安定性、価格
△クッション、耐久性
ターサーエッジ
レビュー点数…B+
◯フィット感、安定性、接地感、グリップ
-反発、クッション、価格、耐久性
△クッション
用途…主にステディペース(3:30〜4:00/km)、マラソンペース、より速いスピードトレーニング、少し遅いモデラートランにも対応可。ジョグにはあまり向かない。