今回はGEL-CUMULUS(ゲルキュムラス)23のレビューをしていきます。
もう一つの定番シリーズ
アシックスユーザーならGT-2000(or1000)シリーズは一度は履いたことがあるランナーは多いのではないかと思いますが、こちらはスタビリティ(安定性)重視のオーバープロネーション向けモデル。
一方このキュムラスはクッション重視・ニュートラル/アンダープロネーション向けモデルとなっています。
オーバープロネーション向けシューズは足のアーチが低く内側に倒れ込む負担を軽減するため、内側を固くして安定性を高めており、自分の場合は足の内側の故障が多くこのタイプのシューズが合うと思っていたので、クッション重視のモデルはほとんど“食わず嫌い”のようになっていました。
しかし昨今の厚底シューズ主流の時代で、合う合わないだけでなく、様々なシューズの機能を足元で理解しておいた方がいいと考えたので、クッション系の代表的なシューズの一つであるキュムラスを試してみる事に決定。
海外では抜群の人気
あまり履く機会が無かった理由は食わず嫌いだけではなく、このキュムラスは海外では非常に人気が高いものの、日本では販売もされてない時期が続き、スタビリティモデルの「GT-2000」や「ゲルカヤノ」をジョギング向けの“デイリートレーナー”としてより押している傾向がありました。
実際このシューズの日本での知名度はあまり高くないように感じていますが、アメリカでは北米記録保持者のライアン・ホール選手や数々のエリート選手が愛用しており、”GTシリーズよりキュムラスの方が人気があるのではないか“と感じます。
一方で、全体的な作りが海外ランナーの足形や好みに合わせたものではないか?という思い込みもありました。
以前から愛用している「GT-1000」と比較すると、内側を硬くして倒れ込みを防ぐ、DUOMAXが入っていません。代わりに全体の柔らかいクッション性が増しているのと、接地がより自然になるように感じます。
アウトソールは左側のキュムラスの方がクセがあるような特徴的な形状に見えます。アシックスのニュートラルシューズは”雲“からインスピレーションを受けています。
フワフワクッションと自然な接地感が気持ちいい
履いてジョグをしてまず感じたのは、評判通りとてもフワフワ柔らかい。一方で新鮮さだけではなく、むしろよく馴染むような、懐かしい感触も味わえました。
最近の高機能なシューズとは違い、反発や前への推進力があるような仕組みはなく、しっかり自分の脚で地面を蹴って走れるのが理由だと思います。
さらに内側の安定感を高めるトラスの”カチカチ感“が無いので、自然な接地で走れるのがとても気持ち良く感じました。
フワフワな柔らかさも初めは新鮮だったものの、グラつくような不安定さは全くありません。このあたりのバランスの良さアシックスらしい。
硬いロードではしっかり脚を守ってくれますし、わざわざ柔らかい路面でこの靴をチョイスする必要はないかもしれませんが、不整地で使っても安定性は特に問題はありません。
さすがこれも世界の定番シリーズ。GT-2000シリーズに全く劣らない名シューズだということがよくわかりました。
心配していたフィット感もとても素晴らしく、柔らかく優しい足触りで万人受けしそうなものだと思います。
重量は280g台(27.5cm)。ジョギング用の重量級シューズとしては標準的な重さ。
予想外に、かなり走りやすいシューズで新たなお気に入りとなりました。こんなに良い靴を今まで避けてきたのが残念です。
履くのに慣れが必要だとは全く感じないので、当初考えていたシューズの履きこなし力アップには繋がるかはわかりませんが、とても良いシューズ体験になりました。
さすがにスピードを上げるには向いてないので、ジョギング用・じっくり脚作りのためのシューズとして使うのがオススメです。
万人向けなのはもちろん、「シューズショップでよく勧められるGT-2000やカヤノは硬くて合わなかった」と言う人にぜひ一度試してもらいたいシューズです。
まとめ
評価…A
○クッション、耐久性、フィット感、価格
-安定性、グリップ、接地感、反発、重量
用途…ジョギング(自分の場合は4:30-5:00/km)
全てが高水準。弱点になりそうな安定性もほとんど気になりません。
そもそもがスピードの出しやすさや軽さを求めてないシューズなので、ジョグペースで気にならない程度ならこれらの部分も普通と判断しました。
現時点で最新の23もかなりお求めやすい値段になっています。
↓もう一つの定番シリーズ、GT-1000のレビューはこちら