三度目のゴールドコースト、初めてのハーフマラソンを振り返っていきます。
レース編
スタート前の日本語場内アナウンスでは、強豪実業団ランナーと並んでぼくの名前もしっかりコールされる。
やはり注目選手の一人になっているようだ。とても嬉しいけど、少しプレッシャーもかかる。
そして、すっごく寒い。
今年、初めてハーフマラソンを選んだのは、実力が合いそうなメンバーが多く、コースもよりカーブが少なく真っ直ぐな道が多いハーフの方が順位・タイム共に狙いやすいと思ったから。
今まで経験無いAM6:00という早朝スタートに関しては、当日の移動や食事、また身体がうまく起きるかということには気を使っていた(起床時間は2:45)。
ただ、ゴールドコーストの強い日差しが刷り込まれていたぼくは、日の出前の寒さについてはそれほど考えてなく(昨年はHISの暖かいテントで待機していた)、10℃程度でも空気がとても乾燥していて、日本の蒸し暑さに慣れたぼくの身体にはかなりきつかった。
上着も一枚で手袋も無く、ガチガチ震えながらウォーミングアップ。
ある程度の記録を持ったSeededランナーは直前にロードに出てアップをできるという日本の大会ではなかなか無い配慮には助かったけど、小まめに身体を動かしてもなかなか手先は暖まらない。
そしてレーススタート。
初めのスピードでついていけず苦しむ展開が続いたここ数レースの反省を活かして、最後の2週間はスピード練習を中心に刺激を入れてみたが、調整法は成功だったようで、最初の数キロは大きな先頭集団の塊に余裕を持ってついていくことができた。
「海外レースで先頭集団なんて、最高に気持ちいい。このままずっと行けたらなぁ」
なんて考えていたけど、もちろんそうは甘くはなく、先頭数人がペースアップし三つほどのグループに分かれる。
ぼくは4~5人集団の一番後ろのグループの一員になったけど、このペースがぼくに丁度良いペースで5kmを15分32秒、5-10kmも15分台でカバーした。 十分に自己新が狙えるペース。
前の集団から落ちてきたエチオピアのユニフォームを着た選手が積極的に引っ張ってくれていたけど、その選手は途中で離れてしまい、ぼくもたまに前に出ながらグループでイイ感じのリズムを刻んでいく。
2回ほど折り返し地点があり、細かいアップダウン、道路の傾きやニガテな直角カーブは数ヵ所あったけど、思っていたとおりハーフのコースは広い直線が中心で、かなりスピードに乗りやすかった。
とても、とても良い流れだ。
ぼくはベスト記録の更新をほぼ確信しつつあった。
しかし好事魔多し、12-13kmに行った所で異変発生。
寒さの影響か?動かしていれば暖まると思った手先は冷え切ったままで、急に全身が固まってきて身体が思うように動かなくなってしまった。
呼吸はそれほど苦しくないのに12kmあたりからドンドン集団から離れて行く。Shit!
マズイ、これはベスト更新どころか、撃沈コースかもしれない。
フルマラソンの後半のような動かしたいけど動かないもどかしさが全身を襲う。
だけどハーフはハーフ。まだまだフルの空っぽ感はこんなもんじゃない。
ここで今までの経験が活きてきた。
なんとか今の状況にあった粘り方をするしかないと気持ちを入れ替え、上体をリラックスさせ、ピッチを上げる走法を意識してみた。
すると集団から一気に離れることはなく、他にも前からこぼれてくる選手も出てきた。
15kmこの5kmは16分19秒、それほど悪くない!なんとか粘って持ち直すぞ。
一部ハーフの部でしか走れない景色も楽しんだりする余裕も少しだけ残っていた。
そんな感じで、ようやく気持ちを切り替えなおしつつあった時に、後方から追ってきた二人の選手に抜かれまた気持ちがガクン。
そこからは、マラソンの後半のように本当に1kmが長く感じた。
20km通過、64:20あたりのタイムが見える。丸亀ハーフのAグループ参加標準である1時間7分台は十分可能だ。
ラスト250m、ぼくの名前を呼ぶ声援も確かに聞こえた。思わずガッツポーズ。
ようやくゴールだ。最後まで気は抜けなかったものの、1時間7分50秒付近でフィニッシュ。
前を走る三人の背中はかなり近くなっていたが、今回も順位を上げることは出来なかった。ここらへんの詰めの甘さは今後改善していかなければいけない課題である。
初めてのゴールドコーストはワーストタイムの大失敗、2回目はとりあえずきちんと走りきって18位だったけどベストより4分ほど遅いタイム。
そして3回目は初めてハーフを走り、自己記録まであと19秒、順位も一つ上げることができた。
レース展開は今のぼくにとって最高の流れだったので、自己記録を更新できなかったのは本当に勿体なかったと思うけど、徐々に自分の力を発揮できるようになってきた。
何よりオーストラリアのハーフマラソン国内選手権も兼ねたこのレースで地元の速いランナーと競り合えて、今までで一番楽しいレースだった。
憧れの海外の舞台の成果は着実に上がっている。でも、今のままでは成長スピードが遅くてなかなか前に進むのに時間がかかる。
今回も早朝レースの寒さ対策の他にもいくつか反省ポイントがあった。
やはりドンドン場数を踏んでいくことが大切だ。
ぼくは一度でコツを掴めるようなセンスのあるランナーではない。
まだまだ実戦から学ばなければいけないことが沢山ある。
レースが終わった後は、近くにいたオースストラリアのランナーと健闘を讃え合ったし、昨年お世話になったHISのツアーのスタッフ・参加者の皆さんと再会を喜んだり、一緒に応援したりしてとても楽しかった。
実は飛行機でセルオド・バトオチル選手や川内優輝選手とも会う事ができた。
高知から遠い所へ行くのは大変だったり不安なこともあるけど、走ることを通して全国や世界中で友達が増えたのは凄く嬉しいこと。
これからも色んな所で友達を探しに行きたいと思います。
昨年大騒動に巻き込んでしまったまりこさん、ツアーで空港までお世話になったゆうこさんと、レース後は一緒にフルの応援。(Photo by Yuko-san)
・結果
ゴールドコーストハーフマラソン(オーストラリアハーフマラソン選手権大会)
1時間7分51秒(17位/9889名中・年代別9位・自己3番目の記録)
ハーフマラソン他大会全結果
http://live.results.tiktok.biz/results/list/goldcoastmarathon/2016/21KM
右の方に写真や動画が見れる所もあります。
https://secure.tiktok.biz/results/view/goldcoastmarathon/2016/H00017
5km…15:32/31:30(15:58)/47:49(16:19)/64:24(16:35)/3:25
(土)Southern Cross University 10km Run
前日イベントの紹介。
ゴールドコーストマラソンではハーフマラソンや車椅子の部に加え、前日の土曜日も10kランや5.7kmチャレンジ、ジュニアダッシュの部が併設されています(10kmの正式名称はSouthern Cross University 10km Run)。
今年はプチツアーということで、自分自身のレースに加えて、10kmランに出場する二人のサポートをするという大事な役割もありました。今回はその時のレポートについて書いていきたいと思います。
10kmのスタートはAM6:30。アクシデントが無いよう念のためタクシーで移動し、5:30少し手前にに到着。
競泳の国際大会の会場にもなっているゴールドコーストアクアティックセンターで待機。
ちなみにここで招待選手はウォーミングアップできます。次の日ぼくも入れるかと思ったけど、チケットが必要らしくゼッケンを見せても入れてもらえなかった…。
今回は高知から2名のサポート。初めての海外レースのドキドキ感はなんとも言えませんね。
もうすぐスタート。
10kmランもフルマラソンの部とそれほど変わらない5277名がエントリー。朝早くから続々とランナーが集まってきます。
10kmランもトップランナーは速い速い。
オーストラリアではこのくらいの距離が非常に盛んです。
このレースにも1-3位まで賞金があり、先頭は29分台でフィニッシュします。
ぼくの10kmロードのベストは31分10秒台。見ていて血がたぎってきました。
二人も無事完走し、海岸沿いの景色が本当に綺麗だったと言っていました。
海外レースの魅力にすっかり憑りつかれてしまったようで、帰って来てからすぐ次の企画を考えようという話になりました。
初めてサポートという立場で土曜の10kmRUNを観戦することができましたが、やはりフルも10kmも同じランニング。素晴らしい大会であることに変わりはなく、オーストラリアのランナーはどんな距離もそれぞれ楽しんで走っているのがとても印象に残りましたね。
海外の大会に興味はあるけどちょっと不安という人や、フルに出場する友人や家族の付添いという方は、短い距離の種目にエントリーしてみるのもオススメです。オーストラリアの大きなマラソン大会は必ずと言っていいほど一つの大会で色々な種目が併設されています。
終わった後も時間・体力的にも余裕ができると思うので、観光するのにもいいですね。
豪州レースはランニング初心者にもオススメ、という話でした。