4年振りのバンセンハーフマラソンレース振り返り。
早朝?ミッドナイト?暗闇の4時スタート
レース開始が4年前に出た時より30分早くなって4時スタートになっている事に気づく。早過ぎるだろ…。
夜も疲れていたのもあり、なるべくギリギリまで寝て1時半に起床。
朝食はセブンイレブンで買ったバナナ、ヨーグルトとクロワッサンを少しだけ食べた。
サポートのTYさんが迎えにきてくれるのが2時半。滞りなく会場につくか不安はあったが朝は混まないので大丈夫との事。
3時少し過ぎに到着。時間的にはかなり切羽詰まってるが、まぁ気温は高いし、少々準備不足でもなんとかなるだろう。
というか、あたり真っ暗なのに驚くほど蒸し暑く感じる。正確なデータはわからないが、気温は25〜26℃の湿度80%で、多分4年前に出た時よりもまだ少し暑い。
バタバタしてもしものトラブルが無いよう、すぐにスタートできる格好に着替え、荷物預けを済ませてエリートランナー用のアップエリアに飛び込んだ。
ここまででレース開始40分前。よし、これで後はレースに集中するだけだ。
直前にバンセンシリーズではお馴染みとなった森川千明さんと会話のシーン。何話してたっけ…。
プラチナラベルレースとあって、ビジョンでド派手にキプルト選手等招待選手の紹介もあった。
高温多湿、女子トップランナーとの競り合い
レーススタート。招待選手とは少し間を空けられての整列だったが、スタートまで3秒程度たったら殆ど影響は無し。
男女の世界トップランナーが出場しているバンセンハーフではあるが、その数は厳選されており、国内エリートランナーのレベルはそれほど高くない事や、高温多湿の過酷な条件を考えるとぼくにもTOP10入りの可能性は十分にある。
まずは先頭集団のすぐ後ろについたが、暑さとバタバタ準備したのを考慮し、抑えめの展開で行こうと考えた。
1km程度で女子のトップ選手、久々に同じレースを走る双子のタイトップランナー・ナットウット選手(ニックネームはビッグと言うらしい)と集団を形成。
3:00/km前半でなんとかつけそうなペースであったが、相当な蒸し暑さだったため、このまま行くのは得策でないと判断。
3km過ぎから少しづつ離れていく。その後少し後ろを走っていた女子選手と一緒になり3人程度で一緒に走っていく。
5km通過は15分56秒。思ったより遅かった。暑さが影響しているのか?
この日はなるべくリラックスを意識して、何度も腕を降ろしたりして肩の力を抜きながら走る。脚の回転、リズムはまずまず。
男子のトップ集団はもちろん超高速ペース。全員持ちタイムは60分切りクラスで、1人日本歴代2位の記録を持つ藤本拓選手がついていく(もう現役引退していて、あまり練習はしていなかったとか)
ライバル視していたタイのビッグくんは見えなくなってしまったが、少し遅れて女子先頭のシェイラ選手が独走状態に。
ぼくはその後ろで、グラディス選手、タヌイ選手と競り合い。女子上位の大半はケニア勢で、実はぼくよりほぼ全員自己ベストが1〜2分速い。さすがプラチナラベル資格を持つ世界トップランナー。
中でも世界歴代3位のチェプンゲティッチ選手は64分02秒(!)、しかしこの選手は序盤にシェイラ選手と競り合いで潰れてしまった。
5-10kmは16分37秒。やはりもうひとつのペースだが、タヌイ選手のリズムが乗ってきて、うまく使わせてもらう。
女子トップのシェイラ選手も徐々に近づいてきた。
給水の所でペース変化を繰り返していたグラディス選手が一気にトップを見据えてペースアップ。
彼女はあまりペースが安定せず、タヌイ選手の方が元気かと思っていたのでこれは誤算。一旦離されてからはリズムが悪くなってしまい、女子トップ2人との差が開いてしまった。
10-15kmは16分48秒。タヌイ選手は離れてぼくは単独走に。思ったより急坂も多く感じ、徐々にペースを維持するのが難しくなってくる。
女子トップは逆転し、シェイラ選手はまた落ちてきた。何としても、せめてもう1人は抜きたい!
後半勝負するために無理をしなかったんだろう、このままではただ走っただけのレースだ。18km、19km、少しづつ終わりが近づいてくる。20km地点で約6〜7秒差。
あと1km使えば、この差は逆転できる!
力を振り絞り、ラスト100m付近でギリギリ逆転!
タイムは1時間10分02秒(ネットタイムは69:59)で、4年前よりは数秒ながらタイムは落ちてしまった。
カメラマンの前でまるポーズ。
のちほど総合順位は9位と判明し、目標のトップ10入りは達成。
やはり国内トップのビッグ君にはついていけず、女子トップに届かなかったのは悔しい。
振り返ると、序盤は早めに離れる安全策を選んだのは少し後悔もあった。
後半追い上げて64〜65分台選手を追い抜くことができたので、それほど悪くない作戦だったとも思うが、悪条件ゆえに評価が難しい部分もある。
ただ、現在の世界の女子トップランナーは驚くほどレベルが高く、このクラス複数人のリズムや駆け引きを間近で感じられたのは大変貴重な機会になったとは思う。いつか別の国際ハーフで女子トップ選手と64分付近を狙いにいくという事もあるかもしれない。
4年前はJALで悠々と移動して現地ではほぼ招待扱い。ぼくの実力や他に所属等+αもない事を考えると本当に幸運だったと思う。
昨年は出場の話し合いがまとまらず断念、今年も正式に行ける事が決まったのはレース1ヶ月前。
渡航費も従来の選択肢だと倍近く上がったり、なんとか良い方法が無いか模索した。
何度かしんどくなったが、それでもコロナ禍から真の意味で抜け出して、もう一度海外マラソン挑戦の夢をやり直すためには最後までやり遂げる事が必要だと思った。
大きなバッグ一つで渡航し、苦労して掴み取ったプラチナラベルTOP10。
完走メダルを手に取ると、色んな感情が込み上げてきて、しみじみと嬉しさを噛み締めることができた。
もし迷ったり寂しくなっても、今は心の声を信じて進んでいこう。
そこに道ができれば、きっとそれが自分の役割なんだと思う。
レース結果
1時間10分02秒(NET69:59・9位)
(5km)15:56/16:37/16:48/17:06/3:28
☆プラチナラベルレーストップ10!
△25℃超え、湿度70〜80%
次回は混沌のレース前後編。バンコクの街も初めて体験しました。
↓4年前のレース