愛媛開催となった第70回四国駅伝、レース振り返り。
メンバーが揃い、満を持して20年振りの優勝を目指した前回は惜しくも15秒差で徳島県チームに敗北。
今年は皆が万全と言える状態ではなかったが、何としても今回こそ勝ちたいという気持ちだった。
ぼく自身はどこも悪い所はなく、トレーニングも順調に進んでいる所だったので、最長区間となる2区で、出来れば貯金を作るような走りをしたい。
強風の戦術的なレースに。
前日から一気に冷え込み、日曜はそこまでの寒さでは無かったが、強風が吹き荒れる悪条件に。タフな気象条件が高知県チームにとってどう転ぶか?
正直ぼくとしては、目標タイムを目指す真っ向勝負でなく、どこで力を使うか考えなければいけないのは嫌だなと思っていた。
11時に四国高校駅伝と同時スタート。人数は異なるものの、同じ42.195kmのタイムを競う。
1区我らがチームリーダーの久松君。今回も安定した走りで上位に残ってくれたが、終盤徳島のエース日下選手の追い上げで7秒差の2位でぼくにタスキがわたった。
決して悪くない、想定内の発進。
ただ昨年二区で快走し勝負を決めた松本選手に7秒差というのは微妙に嫌な差だ。
ただそんな事も言ってられないので、無理してオーバーペースは気をつけつつも、積極的に前を追う。
やや松本選手の動きが重い気もしたし、すぐ後ろには愛媛のリーダー格である中村選手が追ってくる。
一般2区は高校区間の2区+3区で合計11kmのテクニカルな区間。
周りの高校生のペースに振り回されそうになるが、先々週に東日本実業団駅伝の2区を走ったのが良いシミュレーションになった。
最初の3kmで一旦競技場に戻り、そこで松本選手を捉えて、すぐに前に出た。
しばらく追い風である事、後半区間に向けてぼくの所で貯金を作るに越したことはない事から折り返しまでに引き離すつもりで押していった。
しかし松本選手は全く離れる様子はなく、折り返して向かい風区間に突入。
ここで一度決めたプランを引っ込めば弱気を見せてしまうかもしれないと、そのまま行ったが特に橋のアップダウンの強風が凄まじく、確実に脚は削られていった。
これは、してやられたかな…
そして残り3kmを切った所で追い風の場所に変わり、松本選手が一気にスパートを仕掛けてくる。
ここが最大のピンチだったが、なんとか凌ぎ切り、ぼくはここでプランを"引き分け狙い"に変えた。
これ以上はリスクを取るのはやめ、このままほぼ同時にタスキ渡しのドローゲームに持ち込んで後半区間に託す。
ラスト1kmを切った所でやや松本選手に異変、苦しそうな走りに変わったので、ここからなら仕掛けても大丈夫!と勝負に出る。
実は松本選手はぼくと同じレースを走るとよく腹が痛くなるらしい。
しばらく引き離していったがラスト300mで松本選手は息を吹き返し反撃のスパート!逆転を許し、結果は1区から4秒縮めての3秒差でタスキリレー。
強風の影響で目標タイムよりは20〜30秒遅い34分42秒となった。
数秒差の息の詰まる展開が続く…
この後は故障から復帰でうまく調子を上げてきた棚橋君が粘り、2秒差で4区と近年稀に見る大接戦が続く。4区岡崎君もしばらく徳島チームと並走が続いたが、向かい風区間でジワジワ引き離されてしまう。
15秒差でアンカー5区は5kmの中西君。1500m県選手権王者でラスト勝負に持ち込んでほしかった所だが、こうなるとこの短い距離では前で逃げる方がペースを掴みやすい。
大体追いかけるランナーが無理しがちで、先頭もプレッシャーはあるが自分本来の走りをして逃げ切るパターンが多いのだ。
高知県チームの最終結果は20秒差の2位。昨年に続く僅差で非常に悔しい結果となった。
振り返ってみると、9連覇中の徳島チームの方が余裕を持ってレースを進めていたように思う。
実質引き分け展開で次の区間に勝負持ち越しが続き、出来れば前半で優勢に立ちたかった。
ぼくとしてもレースをチームメイト任せにせず攻めていったつもりなのだが、向かい風で勝負を決めるのは難しく、強風の条件はうちにはあまりプラスには働かなかったかもしれない。
ぼくは高知チーム唯一の区間賞を獲得。しかしレースの流れを決定づけるには程遠かった。
ライバルも当然勝ちたい。相手あっての事なので特に”優勝“となると簡単なことではない。
今回も僅差ながら駅伝で勝つことの難しさを知ったレースになった。
レース結果
2区・11km34分42秒(区間1位)
高知県チーム・2時間11分08秒(2位)
○昨年は15秒差、今年は20秒差で徳島県チームに敗れる…
△予報18℃、風速5〜6mの強風条件
昨年のレース振り返り↓