まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

暑さと芋煮坂の激闘、山形まるごとマラソンレース振り返り。

山形まるごとマラソン(ハーフ)振り返り。

 

 

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高温多湿、強豪大学生参戦で高速レースに。

 

シャトルバスに乗って、レース約1時間前に会場のスポーツセンターに到着。

前日は雨で気温が下がるかと思ったが、日差しも出てかなり蒸し暑い。気温は20〜25℃付近になりそうで、体感はもっと暑く感じる。

 

昨年の記録を見ると、地方のレースとしては全体のレベルが高く、先週の横手ハーフの結果だと10番以内に入れるかも怪しい。

まだ長い距離の練習もしっかりできている状態ではないため、オーバーペースで大失速するような展開は避けたいと考えていた。

 

初めての大会で規模も大きいので準備は早めを心がけたが、整列は直前でも全く問題無さそうだった。

 

ゲストで超強豪校の東洋大学と駒澤大学の選手が7名登場。

びっくりしたけど、そういえば公式サイトに書いてたような気がする。うっかりしていた。

アナウンスによると順位はつかないとの事だが、これで先頭集団は高速ペースになり、なんとなくついていってしまいそうだ。

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山形まるごとマラソン2023 3km,5km,ハーフスタート中継 - YouTube

 

レース開始。

先頭は8人ほどで、ぼくは少し離れた第二集団につく。

でも少し遅くて足がつまる感じ。せっかくなので大学生の集団についていってみたい。やっぱり身体がウズウズしてしまい、ぼくはスピードを上げた。

 

だが、1km過ぎて先頭においついた所でもう既に結構しんどい。

しばらくついていったが、3km手前で離れてしまった。

 

あ〜こりゃ、ダメだ。早い所後ろの集団で吸収されてついていこう。

しかしその後来た4人ほどの第2集団もかなり良いペースで、あっという間に追い抜かれて離されてしまう。

 

そもそもペース抑えめでいくつもりだったのに、いきなりハイペースの先頭についていってしまったりプランがグダグダ。

じわじわ上りと、蒸し暑さが早くも堪えてきて今日はもうレース終了パターンか…と半分諦めかけてしまった。

 

とはいえ、逆に考えればダメで元々。なるべく硬くならないように、ゆっくり深い呼吸をして表情の筋肉を緩める。

今の自分の課題と向き合いながら、前を追ってみよう。

 

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前半は華やかな街中を走り声援も多い。全体的になだらかな上り基調。

5km通過は16分03秒。悪くないが、大事なのはここから。

 

ぼくとしてはイーブンペースで走っているつもりだったが、自然と前との差が縮まってきた。

この辺から少しづつ力が湧いてくる。まずは1人かわして、次の選手をロックオン。

 

すると初め先頭集団についていた選手も落ちてきた。

タフな条件なので、前の選手が後半バテてくればチャンスがあるかもしれない。

しかしそれはぼくも条件は一緒。思い切ってペースを上げて2人をかわしたが、そこでグッと自分にもダメージがきたのがわかった。

 

果たしてこのまま後半まで保つのか?f:id:takemaru-yamasaki:20231003160711j:image

おー、国重要文化財である立派な「文翔館」がバッと視界に入ってきて、ここはテンションが上がった。

とにかくいける所まで行ってみよう。大事なのはリズム、リラックス。後ろの選手に追われるのを気にするより、前の背中を追う事で好成績に近づこう。

 

5-10km通過は16分18秒。まずまずのペース。次の5kmを我慢して、下りにいけば結構良いタイムで走れるかもしれない。

 

延々と続く我慢の”芋煮坂“、勝負の後半6km

 

コースは高低図で想像したものよりもずっとタフで、街自体が長い坂が多いが、さらに難所の「芋煮坂」に突入し、一体いつまで続くんだというダラダラとした上り坂が疲労した身体に襲いかかる。

 

ここが終われば折り返して、元来た道を下り坂。折り返し地点で先を行く選手を見て順位を確認。

駒澤、東洋以外のナンバーカードをつけてるのは…3人!

 

10-15kmは16分41秒と難所区間で当然のペースダウン。ここからは全て下りでホッとひと息。

 

現在4位でまだ前とはだいぶ差はある。下りに入れば、他の選手も楽になるはずだし、無理に追えば逆にこっちの脚が終わってしまうかもしれない。やはり3位以内は厳しいか…。

 

しかし、諦めなければ何かが起こるかもしれない。昨日寝る前に見た川内優輝選手のワールドマラソンメジャーズ制覇のドキュメンタリー動画が脳裏に浮かんできた。

 

川内さんのように「今日のレースのために生まれてきた」と思えるような日が来るのか?ぼくは本当に走る事を心から楽しめているか?

 

答えは出なかったが、何か今日のレースがぼくにとって重要な第一歩になるような予感がした。

 

そして前から苦しそうな走りになり落ちてきた選手は…ナンバーカードがついた選手!

これで決まりだ。ぼくは遂に18km付近で3位の選手を捕らえ、一気にペースアップして抜き去った。

 

すかさず前に見える東洋大の選手を目標に走る。これが今自分にできる最高の成績を出す唯一の方法だ。

 

苦しくなるとコントロールが難しいというメタスピードスカイプラスだが、疲れて荒削りになった動きもうまく乗せて前方へのエネルギーに変えれるように意識していく。

 

15-20kmは15分41秒!予想を大きく上回るペースアップ。これは68分前半でいけそうだ。

 

会場のスポーツセンターに戻ると伝統の花笠踊りによる華やかな応援が後押ししてくれた。

 

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山形まるごとマラソン2023 ハーフマラソン ゴール中継 - YouTube

 

結果は68分22秒で総合3位(大学生含む8位)。

先週のハーフより2分30秒タイムを縮める自分でも驚きの結果だった。

公認コースではないが、アップダウンと高温多湿の条件を考えると、ベストに近いパフォーマンスだったと思う。

 

前の2人は強豪チーム「K-project」のチームメイトで66分台だった。
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表彰ステージに上がれるのは総合3位まで。やはり3位と4位の差は大きい。

何度もこのチャンスを逃してきたが、今回掴み取った表彰台は本当に大きかったと思う。

 

今度こそ新しい自分になれる、東北制覇最後のレースとなった山形まるごとマラソンはぼくにとって非常に思い出深いレースとなった。

 

レース結果

 

68分22秒(3位)※オープン含む8番

▷METASPEED SKY+

 

5km…16:03/16:18/16:41/15:41

 

☆表彰台

☆東北エリア6県のレース全て完走!

◯シティハーフの魅力が詰まった華やかな大会

◯予想以上に走りごたえのあるタフコース

 

走る都道府県制覇…42/47

 

☆次回は山形遠征・移動&観光編。グルメや蔵王温泉等。

 

↓仙台ハーフから始まった東北遠征。

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