まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

なぜ動かない?4年振りのゴールドコーストマラソン振り返り

ゴールドコーストマラソン2023振り返り。

 

 

目標は16〜17分台。ここで記録を出さないでいつ出す

 

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ここ最近はコロナ禍でできなかった地方マラソンを巡る目標もあって、本気で記録を狙うマラソンはあまり走れてなかった。

秋以降もどういう予定になるかわからないし、「慣れ親しんだゴールドコーストで狙わないでいつ狙うんだ」という強い気持ちで準備を進めてきた。

目標は2時間16〜17分台。公式なペースメーカーは、2時間10〜11分台の次は、2時間19分ペースしかなかったのが少し不安ではあったが、メンバー的に近い目標の集団もきっと見つかるはず。

 

朝は3時に起床して、スーパーで買った固〜いパンともち処黒岩の米粉入りカステラ、バナナ、ヨーグルト、コーヒー。いつも通りだが、朝に胃がびっくりしないよう食べ過ぎには気をつけた。

前日もハーフの付き添いで早起きしてたし、夜もまずまず気持ち良く寝れて気分は良い。

 

今回は今までよりスタート時間が約1時間早くなり、レース前の準備は辺りは真っ暗だが、エリートランナーとしての恩恵を受けて送迎サポート有り、ウォーミングアップも専用のプール場を使えるので全く問題無し。

スタート約10〜15分前に整列へ。

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悠々と準備できるのはありがたいが、これからすぐレースを走るというのを忘れてしまいそうで、もう招待選手や前の方のランナーも並び終えていて、慌てて整列。

 

少しフィット感が気になったのでヒモを結び直そうと思ったら、真っ暗でヒモがうまく見えず絡まってめちゃくちゃになってしまった。

やばい、レース数分前に致命的なアクシデント。割り切って絡まった部分は無視して、とにかく解けないようにグルグル巻きに結んでおいた。

いきなり不吉な予兆が…。

 

 

なぜ?全く余裕が無い

 

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心臓バクバクでのスタートになったが、フィット感は問題無し、少し気にはなるがほどける事はないだろう。

 

スタートしてすぐ自分の速過ぎず遅過ぎないペースで走り、良い集団を探す。

するとうまいことぼく以外に3人の2時間16〜17分台狙いの実力者グループができてくれた。

 

さらに前からこぼれてきた選手を1人吸収して5人の集団に。これは悪くないスタートだ。

しかし思ったより身体がキツく感じる。一瞬後ろを向いて、後方の2時間20分切り狙いの集団を確認。

もし、限界になるまでついて中盤で離れたら、しんどい単独走になってしまうかもしれない。本当にこのままでいいのか?

 

少し悩んだが、自分の狙っているタイムを考えると、やはりここでいくしかないと決めた。

 

5km通過は16分00秒。よし、想定通りのペースと言える。

スペシャルドリンクに目をやると、レース前気をつけていた道路のデコボコ(車のスピードを落とすためのもの)に軽く足をとられてしまったが、うまくボトルをキャッチできた。

でも既にかなりきつくて苦しく、うまく飲み込めない。

 

きっとまだ身体が起きてないか、これから調子が良く感じてくるはずだ。今回はちゃんと練習してきたじゃないか。

 

しかしいつまで経っても身体が楽にならず、ギリギリの所で着いたり離れたりしながら、5-10km通過は16分20秒。ぼくにとっては適正ペースのはずだが…。

 

でも全く余裕が無い。思ったより向い風が強くなり、小さい集団ではリズムに乗りにくいのだろうか。

当然この集団はペースメーカーがついているわけではないので、協力プレイが大切。前を引っ張るのはランナーズで特集もされていたアデレートのランニングクラブ「RUN AS ONE」の選手が2人。

途中「交代して、君も前に出てよ」と言われる。

ぼくも協力したいのはやまやまで、前に出ようとしたが、やはりきつ過ぎて断念。

 

「ごめん、調子悪いから無理。ベストは尽くすよ」と言うと、一応納得はしてくれたようだ。

 

どうやら我慢ではどうにもならない状況なのは理解したが、なんとか15.8kmの折り返し付近までつけば、そこからは追い風。

前回出場した時も中盤からの追い風のおかげで単独走で押していけたはずなので、なんとかここからペースをキープしていきたい。

 

ラッパで「上を向いて歩こう」の演奏が聞こえてきた。レース序盤でまだどこかのどかな雰囲気。(ぼくは必死だが)

 

15km手前で集団から離れてしまったが、折り返しはもう少しだ。10-15kmは16分20秒

 

 

追い風の局面、のはずが…

 

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だが、不思議な事に折り返しても全く風を感じない。

いや、追い風というのは向かい風に比べて感じにくいものだが、それにしても殆ど押されてリズムが良くなるような感覚が無いのである。

 

狭い道に入り、ここからが大事な勝負所だ。でも、全く身体が思うように動かない。

 

15-20kmは17分00秒。予想より落ち過ぎている…。そしてすぐに後ろのペーサーが着いた20分切り狙いの集団に吸収されてしまった。

ハーフ通過は69:30と目標ペースには程遠い。

 

数kmついたが、消耗が激しく、とてもこのペースにもついていける状態ではなかった。

跡はひたすら苦しい、リズムに乗れない単独走が続く。20-25kmは17分32秒、25-30kmは18分01秒とさらにズルズル落ちていった。

 

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どうして、どうして、こんなに動かないんだ!?

この日のために、ちゃんと練習してきて、早めに現地入りして体調も整えてきたはずなのに。

1年で1番大事なレース、こんなはずじゃなかったのに。

はぁ、走り終えて泣き崩れたりしたら、周りの人も困るし、めちゃくちゃ雰囲気悪くなるだろうな。なるべく落ち込まないようにしなきゃ。

 

そんなことを考えてたら、悲しくて、悔しくて、情けなくて、初めて走りながら涙が止まらなくなってきた。

 

いつもそうだ、こんなに長く続けても、大事な所で自分が掲げた目標に近づく事もできない。

 

チクショー、なんでオレはこんなに弱いんだ、バカヤロー!!

 

悲劇のヒーロー、自暴自棄になりかけていたその時、序盤の折り返し地点では離れていた川内優輝選手が、また2度目(最後)の折り返しが終わってすれ違いの所で順位を上げていたのがわかった。

落ちてくる前の選手も近く、かなり上位に行けそうだと思った。

 

まだレースは完全に終わったわけではない。今自分にできるベストを尽くそう。そのために、今日までレースに向けた走り込みをしてきたんだ。

時計に目をやると、まだ2時間25分付近では走れるかもしれないタイム。

 

 

ベストを尽くそう

 

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30km手前、リズムに乗れず順位を落としていく

 

少しづつ追い上げて、最後の折り返し、残り7km。やはり終盤は強い向い風。

 

強い力が湧いてきて、勢いが復活。このまま行けるか?いや、行くしかない。

 

ここからは抜かれたランナーを抜き返す、ぼくのターンが始まった。35-40kmを17分38秒で前の5kmより約1分回復。4人ランナーを抜いた。

 

40km地点で、まだ前にランナーが複数見える。応援も盛り上がって、最後の力を振り絞る元気も出てきた。

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ラスト2.195kmは振り絞って、7分21秒と好タイム。さらに3人を抜いてラストだけはイメージ良くフィニッシュできた。

正式タイムは2時間25分00秒(19位)。一応このコースでは3番目のタイムだった。

 

目標には遠く届かない結果には終わったが、失速レースとしては最後まで諦めず走ったなりのタイムになったと思う。

 

走り終えてみると、それなりに、晴れやかな気分で終われて良かった。

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万全の準備をしたはずなのになぜ、こんなに調子が悪かったのか?

 

せっかくゴールドコーストマラソンでは走るたびにタイムが良くなっていたのに、今回は目標ペースで15kmも保たず、4年空いてまた最初の頃に戻ってしまったようだ。

 

原因はいくつか思い当たる事はあるし、またじっくり整理していくとして、やっぱりこれが勝負の世界だとも思う。

 

特にマラソンは走ってみるまで何が起こるかわからない。結果について分析はしつつも、引きづらず次に向けてまた準備を淡々と始めていきたい。

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I will be back to the GC next year!

 

 

レース結果


2時間25分00秒(29位)

👟METASPEED EDGE

POLAR Pacer

 

(5km)16:00/16:25/16:17/17:05/17:32/18:01/18:36/17:36/7:20

HALF69:30-75:30

 

◯コース3番目のタイム

△15kmで失速…

 

Results List

 

(久々のゴールドコースト、ワクワクのレース前後の模様や観光編に続く…)

 

 

↓前回のゴールドコーストマラソン。不思議と5km16分前半でスムーズに押していけた。

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