まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

夢のつづきは、メルボルンマラソンフェスティバルで。【レース振り返り】

メルボルンマラソンフェスティバル(ハーフの部)振り返り。

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2年10か月振りの海外レース。当日サマータイム

 

この時期はあまり走り込みができてなく、また豪州国内勢のレベルも高いハーフマラソンで鍛える。

 

レースは8時スタートと今まで出た豪州他海外レースでは遅めの時間、だったが。

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直前まで気づいてなかったけど、なんと大会当日午前2時からサマータイム(DST)に変更となる初めての経験。

今まで欧米の10月末〜11月の大会でそういう事があるというのは話では聞いた事はあるが、まさかこのタイミングで重なるとは。

 

そもそも2度の乗り継ぎ含む13時間のフライトも終えたばかりで、ぐっすり寝過ごしてしまわないかも含めて2重の心配だったが、なんとか問題無くipadのアラームが鳴って4時過ぎ頃に起床できた。

(スマホやタブレットが夜寝ている間にネットに繋がっていなくても、一度現地で豪州時間に合わせていればちゃんと時間変更にも対応してくれるようです)


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サマータイムの影響か(1時間早く起こされる)6時頃でも真っ暗。海外マラソンっていつもこんな感じだったなと懐かしくなる。

コースにも入っている名所、フリンダースストリート駅が美しい。暗いとこんなになるのか。


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この辺になると、やはり会場を目指すランナーの姿が。どうも「フェデレーション・スクエア」を通ると最短のようだ。


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あとはヤラ川沿いを真っ直ぐ歩くだけ。少しずつ周りが明るくなってきた。ウォームアップがてらか走って会場に向かうランナーも。


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会場に到着したのはピッタリ予定通りのレース開始1時間半前。我ながら見事な時間管理。

泊まっていたホテルからは3km程度と少し距離があるものの、電車に乗る必要も無く、今まで出たオーストラリアのマラソンの中でも当日のアクセスは1番簡単だった。

 

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フィニッシュ会場となるMCG(メルボルン・クリケット・グラウンド)。ここで走れるのかと思うとワクワク。

荷物預かりもここで行う。所定の場所でゼッケンの下の方についてる引き換え券と共に預けるだけで袋に包む必要も無し。結構テキトー。

 

トイレは若干混んでいたが、普段通りレース1時間前からウォーミングアップを開始。会場の周りで15分ほどジョグをし、着替えて荷物を預け、また軽く走りながらスタート地点へ。

初めてながらほとんど迷うこともなくスタートラインへ行けた。手違いがあって、優先スタートでエントリーできなかったが、全く問題無く最前列まで行けた。そもそもハーフの10分ほど前に10kmがスタートするので早く並ぶ必要が無い。

 

ここまではTHEオーストラリアという感じだ。ほとんどストレス無く準備ができた。

この街を走れるんだという都市型ロードレース特有の高揚感、久々に海外マラソンに帰ってきた感慨深い気持ち…。

しかしやっぱり必死。移動からバタバタとレース当日になり、まだ気持ちが落ち着いてない自分がいた。ようは余裕が無いのだ。

 

おおっ、10000mオセアニア記録保持者のジャック・レイナーがきた。他にも見たことある選手が何人もいる。豪州最強の陸上チーム「メルボルンTC」があるこの街は陸上が盛んな場所。今の状態でどこまでやれるか。

 

 

レーススタート。メルボルンハーフのレベルは高い

 

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やはり前は速い。無理に着いていくのはやめて、第二集団くらいで様子を見ようと思ったが、思ったより早く手が痺れ、上半身が固くなってきた。

第二集団にもついていけない。2km通過で大体3分10秒/kmペースくらいだっただろうか。この時点で明らかに身体が動かない。というかキツ過ぎる。「今日はダメかな」と正直思った。もう順位は10番より下と想定より悪くなってきた。

 

5km通過が16分20秒。レース前考えていたよりだいぶ遅い。

 

単独走になりかけた所で、1人長身でピッチ走法、一定のリズムで走っているウィル・フォードという選手に捕まる。この選手についていけばある程度良い感じで走れるのではと直感的に思った。

中盤はF1レースも開催される美しい「アルバート・パーク」周辺を走る。

 

時折ペースを上げられて離されてしまうが、それほど長続きせずなんとか追いつける。10km通過し、この5kmが16分09秒。序盤が上りが多かったとは思うが、そもそも最初から距離表示が怪しいのではないか、なんにせよまだ悪いペースではないようだ。

 

このままいけばなんとか68〜69分付近では走れるのでは、という希望も出てきた。しかしかなり余力面は厳しく何度も離されてしまう。

この辺りからフルマラソンの部と同じようなコースを走るようになり、距離表示も無くなった。かえって細かく距離がわからない方が無心で走れるかも。

 

久々のハーフで徐々に距離に慣れていくような不思議な感じ。また徐々に離されてきたけど、なんとか15km付近まできた。

終盤はやや下り基調で、このまま粘ってレースを終えたい。

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しかしそう甘くないのが勝負の世界。自分以外の後ろの人もみんな必死で走っているのだ。一気に1時間10分切り狙いでイーブンペースで走っていた“ボリュームゾーン”がひたひたと近づいてきた。

 

一気に4〜5人かそれ以上抜かれただろうか。もう疲労困憊の時に、これは相当メンタルにくる。

これでもうほとんど諦めかけてしまったし、街中に入ってからもなかなかフィニッシュ会場も近づいてそうでこない。

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終盤は名所のフリンダースストリート駅をバックに走る。

 

やっとMCGに入る直前で、なんとマラソンのトップのケニアの選手もやってきた。

もうここは一緒にフィニッシュしてやれ!と半ばヤケクソでスパート。思ったより中の路面がフニャフニャで走りにくいのと、意外とフィニッシュが遠い。

 

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なんとか少しだけ抜き返してレースを締めることができた。レース後は消耗して全身疲れ切っていた。

 

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順位は終盤が響き、思ったより悪い22位に終わってしまった。記録もせめて70分は切っておきたかった所。

 

途中10kmやフルマラソンの部とゴチャゴチャする所もあるが慣れればそれほど気にならず、全体的にはフラットで真っ直ぐな道が多く、変化の激しい「シドニーマラソン」よりはだいぶ走りやすいコースだと思った。

 

今回の結果はぼく自身のコンディションの問題だろう。序盤からきつく、大失速というペースまで落ちず頑張れたとは思うが、到底満足できる結果ではなかった。

 

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飛行機の運休の関係もあり、前日の昼に到着後してすぐレースで調子を整えるのはやはりきつかったし、単純にまだ練習が積めてない、そして実力不足というのもあっただろう。

 

ゴールドコーストでも自分のベストの結果を出すのに4年かかった。

ただでさえ亀のような成長スピードなのに、また経験が一度リセットされてしまったようだ。この3年間で失った物は決して軽くは無い。

 

やっと夢の舞台に帰ってこれた嬉しさと、現実に引き戻された厳しさが混ざった複雑な気持ち。

 

いつもそう。口だけになりたくないから、実際に行動する、でもボロボロに負ける。

自分の信念を貫きたくても、実力が伴ってない。

一つの課題をクリアするのに精一杯で、余裕が無い。

 

現実から目を背けたくなる事もあるけど、必死にもがいて戻ってきた今の自分も忘れないようにしようと思った。

 

 

レース結果

 

1時間10分25秒(22位)

 

👟▷METASPEED EDGE+

 

☆オーストラリア三大マラソン完走

☆約3年ぶりの海外マラソン

 

全結果

Nike Half Marathon - Melbourne Marathon (2022) | MultiSport Australia

 

レースの写真は奮発して公式marathon.photoのサイトで購入しました。

次回はお待ちかねの移動、観光編。海外マラソンの現状はどうなっているのか。お楽しみに。