2ヶ国目の海外マラソンは台湾・台北マラソン。
今年からファンランが廃止となり、フルとハーフの2種目になった。
ぼくが走るのはハーフマラソン。海外招待選手が沢山出場するフルマラソンの部と比べると先頭のレベルは落ちるけど、参加者はこちらも近年はケニアのランナーの数名出場しており、3位まで賞金が出る。
大会パンフレットには招待選手のリストが記載されている。なんとフルマラソンは世界トップの実績を持つ2時間4分台のサミー・キトワラ選手がエントリー。他にも8~11分台が7名招待。
近年は格安航空も増え、食べ物は安くて美味しく親切な人も多い台湾の観光人気は急上昇中。ただ、高知県からの道のりは決して近くはない。
長い旅を終え、台湾も満喫しつつ、レース当日はドキドキしながらも集中して挑む。
泊まったホテル「メイステイ」は超コンパクトな二人部屋。マラソンを走る者としては大部屋のバックパッカーよりはだいぶ良い。シャワーやトイレも清潔だった。
レース振り返り
起床は3:55。レース3時間前起床は比較的遅めな方だけど、気温は16度とほどよく暖かく目覚めも良い。海外マラソンの早いスタート時間もゴールドコーストハーフの6時開始を経験しているからコンディション面では不安は無かった。
近くのコンビニ(ファミマ)で買った台湾バナナとヨーグルトを食べて、レース会場には歩いて向う。だいたいホテルから3kmくらい。
会場に着けば、一緒に来たキヨさんは30分早いスタートのフルに出るので早速お別れ。1人になって緊張が高まってきた…
6時頃はまだ暗いが、 気温は暖かかった
毎度心配なのが、レース前の整列。
30分前整列だけど、なにが起こるかわからないので早めの準備を。
今回の作戦はまず荷物預かり所付近で軽くジョギングして第一ウォーミングアップ、着替えてシューズも履き替え荷物を預けて、第2アップを開始する事にした。
シューズにつけるICチップはいつもと付け方が違うけど適当に靴紐にくっつけてしまった。
この大会が特徴的なのは専用の荷物預かり袋を購入しなければいけない事(100元)。一度購入すれば他の大会でも使えるらしい。エコな感じがします。
着替えて荷物を預けてからは広い道を見つけて流し(軽いダッシュ)もできた。トイレも日本ほど混んでないみたい。
それでもやはり心配だったので、少し早めに切り上げてAグループの整列場所に向かったが、意外と空いていてエリア内で軽く身体を動かしたりして待つ。ラッキー。
さすがにレース時刻が近づいてくると次第に人が集まってきたけど、暖かいので止まっていてもそんなに冷えないし、結構良い状態で走れそう。
国内大会副賞の派遣で来ていたさきえさんも近くにいてお喋りしているうちに肩の力も抜けてリラックスできてきた。
なんだかユルい雰囲気だけど、そういやぼくが今まで走った中で最大規模の大都市マラソンなんだよな。
実は国内の遠征で鍛えられてきたことに気づく。ぼくが経験してきた日本の大規模なマラソンよりはむしろ走りやすい条件だった。
レーススタート。
飛び出す数名の若き地元ランナーとケニアの選手、そして噂のがんばれゆうすけさん、1km表示の所で3分06秒となかなかのハイペース。
集団は8名ほど、思ったより強い選手多そうだな。行けそうではあるけど、ちょっときつい。後半持つだろうか。
やはりケニアの選手積極的に仕掛けてきて、スピードを上げて集団から抜け出そうという動き。相当余裕があるのかな?どうしよう、追うべきか。
後半の不安もあったけど、身体も動いてきて、なんというか気づいたら追っていた。
もう1人、青のユニフォームを着たおそらく台湾のランナーも追ってきて、しばらく続くかと思われた集団はあっという間に崩れて5km付近で3人に。
ケニアのランナーのペースの上げ下げに対応しながらなんとか食らいついていると、流れた蹴り脚がぼくの膝のあたりに当たってしまい、めちゃくちゃ怖い顔で睨んできた。
「ソーリー、ソーリー」とひたすら平謝りして彼の後ろにつくのは止めて横並びで走る。ジャパニーズ、よわい。
人数が多いので先にスタートしたフルマラソンの部との接触事故も心配していたけど、道も広くてコースもうまく計算されていたようで、ここも日本の大会のようにゴチャゴチャになる場面に遭遇する事は無くて安心した。
距離表示は時折ズレているように感じる所もあったものの、本当に走りやすくてスピードに乗ってる感じがする。
ケニアの選手はペースのアップを繰り返しているけど続かない。
長距離王国ケニアのブランドに物怖じしなかったと言えばウソになるけど
・みんながみんなめちゃくちゃ速いわけではないこと
・イーブンペースより上げ下げを好むこと
・消耗すると一気に落ちることもある
ここらへんはマラソン観戦が好きなぼくの頭の中にはあった。
しかしレースを動かしたのは今までじっと潜んでいた青ユニの台湾ランナー。
12km付近の下り坂でペースアップ!
ここはぼくも勝負所とみて、ケニアの選手をかわして前を追う。
しかし一度つけられてしまった差がジワジワと広がっていく。
苦しい展開になってしまったが、「リズム、リズム!」と自分に言い聞かせて完全にフォームを崩さないように意識して走った。
単独2位になったぼくは「このまま行けば初賞金GET!?」というのも当然頭によぎってきたけど、後ろを気にして順位キープよりは最後まで前を追う事で上位を勝ち取りたい。
15km過ぎの橋のアップダウンで脚が重たくなってきたが、まだまだタイムも狙えそう。
最後の長いトンネルを走っていると、前を走るランナーの動きがやや鈍ってきているように見えた。
「まだ追える!」
どんどん差が縮まってきた。抜けなくても1秒でも縮める事を考えよう。
ゴール地点に近づくと声援も大きくなってくる。
海外大都市マラソンのど真ん中、最高の瞬間がやってきた。
ぼくは会心のガッツポーズをしてゴール。
遂にやった!高知からでも海外レースで上位に入れるんだ!
ここ数年はさらに上のレベルの目指すためにレベルの高い各地のハーフマラソンにもチャレンジしたが、何度も壁に跳ね返された。スタートラインから待遇にもだいぶ差があるし。
高知からの遠征は時間も費用も必要だし関東のようにチャンスは多くない。
海外マラソンは憧れてたけど、本当は小さい頃から旅行は苦手で、子供の頃は30分で車酔いしてしまうほどだった。今もバスや飛行機ではほとんど眠れない。
こんな自分でもできるんだと、ゴールした後は初めて嬉しくて涙がでてきた。
他の人から見たら大した事じゃないと思うかもしれないけど、これはぼくにとっては大きな第一歩。
また一つ、大きな壁を乗り越えることができた。
…とアスファルトに膝をついて感傷に浸っていたら、近くにいた関係者の人から具合が悪いのかとかなり心配されてしまう。
我にかえったぼくはちょっと恥ずかしくなり、ノープロブレムと言ってそそくさとその場を立ち去った。
預けた荷物を取りに行くと、ステージのテレビ中継を観てたのか、スタッフ的な人達が祝福してくれた。
台湾は明るくて親切な人が多い。ちょっとまたオーストラリアとも違う感じがするけど、ノリが良くて楽しい人達と記念撮影をして喜びをシェアすることができた。
みんなでまるポーズ
表彰は華やかなステージで。
ステージ表彰後、優勝した周選手と記念撮影。
調べてみると世界ユニバを目指す学生ランナーのようで来年丸亀ハーフも出場するとか。また海外でもライバルが増えた。
今回はおかやまマラソン後でキッチリ調整したわけではなく、1時間8分台で走れたことも驚きだった。コースや気候、ライバル達の実力が丁度良かったのもプラスに働いたと思うが、ぼくのスピード持久力のベースは確実に向上している事が確認できた。
フルマラソンのエリートランナーの方と。せっかく写真撮ってもらったけど名前を忘れてしまった…すみません。
フルマラソンはやはりキトワラ選手が2時間9分台のコースレコードで優勝し、賞金180万台湾元(約660万円!)を獲得。
ちなみにぼくの賞金は1万5000台湾元から税が20パーセントが引かれて日本円にすると約4万4千円ほど。キトワラ選手とは比較にならないけど渡航費くらいにはなったかな。
なんと賞金は袋の中に生の現金が入っていました。
あと9秒、優勝していればさらにプラス数万加算されてまた海外マラソンに出場するチャンスが増えたかもしれない。もっとハングリーにならなければ。
とはいえ、初めて脚で稼いだ賞金はやはり嬉しいもの。世界クラスのランナーだって最初に貰った賞金が一番嬉しかったはずだ。
台北マラソンについて
初めて出場した台北マラソンだが、とても良い大会だと思った。
さすがに参加者12万人は眉唾くさかったけど、それでもファンランが無くなって約25000人(フル7000、ハーフ18000)とかなりの規模。
大都市マラソンらしからぬ緩さがあるけど、抜く所は抜いてこの規模の大会をしっかり運営しているのはある意味合理的にも思えた。
路上のゴミも日本のマラソンよりだいぶ少なくて”マイコップ”を持って給水をしている人もいるそうで、荷物預けバックもそうだけど、台北はかなりエコの意識が高いみたい。
ここもゴールドコーストと同じくエイドに名物が沢山置かれているような事はない(海外マラソンでは普通)。ただフルマラソンの後半には私設(?)の台湾ビールエイドがあったと聞いて驚いた。
また走り終わった後は食べ物が沢山貰えるそうで、この場所がちょっと見逃しがちらしく、ぼくもうっかりスルーしてしまった(フルのみ完走Tシャツと弁当が貰えるらしい)
応援は、高速道路や長いトンネルの箇所もあってあまり多くないけど、ボランティアの人が「加油、加油!」(ジャーヨ、ジャーヨ)と大きな声で応援してくれたのがとても印象に残った。
走る条件的には、今回の気温はやや高めで16~日中の最高気温25℃くらい、フルマラソンは後半は少ししんどくなるかもしれないけど、ハーフマラソンを走るには丁度良いくらいに感じた。(ただこの時期は雨が降ることも結構あるらしい)
トイレもそこまで混まず、スタート整列もそんなに大変ではなく、コースもとても走りやすいのでハーフは海外マラソン初心者にもかなりオススメできる大会だと思う。
結果・まとめ
台北ハーフマラソン結果‥‥1:08:43(2位)
https://www.sportsnet.org.tw/score_detail_utf8.php?Id=162
SORTIEMAGIC RP2/プロパッドRソックス/ POLAR M200
HR170(序盤少し誤作動・5km以降170後半、MAX190)
・泊まったホテル…メイステイ
・参考にしたガイドブック…ことりっぷ 海外版 台北
・レース開始時刻は早いけど暖かいので身体は動きやすい
・大都市マラソンらしからぬ緩い雰囲気も台湾ならでは
・コースは橋のアップダウンが何ヵ所かあるが、全体的にフラットで走りやすい
・完走のお土産見逃さないでね
(次は台北観光編)
本次半馬組不同於全馬組有黑色軍團壓境,反倒有許多甲組層級的大專好手參賽,不過因為該組沒有菁英選手優先的規劃,也使得所謂海景第一排顯得十分擁擠,不過,能與頂尖好手齊跑是相當興奮和開心,但要跑出好成績還是以選手的實力決定。人稱「印帝」的周庭印展現優異的長跑實力,取得後段的領先地位,雖然第二位日本跑者山崎たけまる(YAMASAKI TAKEMARU)有數十公尺的差距,但仍鍥而不捨地緊追在後,兩人展開一陣拉鋸後,印帝不負眾望成為全場第一位回到終點的選手,也是四個項目唯一保住總排第一的選手;國立體大葉日鴻跑出 1 小時 09 分 51 秒,位居國內第二,而去年的冠軍陳秉豐,雖然在日本上尾半程馬喇松表現不俗,但本次因膝蓋不適,表現得較保守,成績 1 小 22 分 02 秒坐收。