今回は今更ながら、レース用トップモデルであるメタスピードスカイ+レビュー。
極厚前足部の超反発モデル
初代メタスピードはスカイ/エッジの見分けをつけるのが非常に難しかったのですが、プラスシリーズでは名前が書いてあるので簡単になりました。初めからそうすればいいのに。今作は厚いミッドソールの存在感が凄いです。
またカーボンプレートがスプーン状ではなく、フラットな形状になっており、それが上に跳ねるような感覚をより強くしています。
内側から見てみました。
ゼロドロップなのではと思わせるくらいの前足部の厚み(実際にはソール全体で39-34mmで高低差5mmとの事)。
なんだかマグロの赤身の塊みたいです。
前作のメタスピードはつま先の部分が狭く普段よりワンサイズアップしなければいけなかったのですが、プラスシリーズでは広めになりました。
スカイとエッジでややフィット感が異なり、ソールの構造の影響かエッジプラスの方がややタイトに作られているという感想もありますが大きな違いはありません。
重量は27.5cmで204g程度。愛用していた初代メタスピードエッジは軽さがウリだったのですが、本来のサイズで履けたプラスシリーズは数値上の重さはさほど変わりませんでした。
発売後約1年半経ってから、スカイ+を試した理由
メタスピードスカイプラスはより反発を重視したモデルとなっており、前足部付近で接地するフォアフット走法でないと持ち味を活かしにくい、前足部のソールの厚みが走りにくく扱いが難しいという評判をよく聞いていたので、自分には合っていないと決めつけて購入はしていませんでした。
しかしトラックと比べて厚底を使ったロードのタイムがもう一つ伸びてない事、愛用していた初代メタスピードエッジが人気が無く廃盤になってしまった事から、自分に合うと思うシューズではなく、心機一転トップ選手が結果を出しているスカイプラスを試してみようと思いました。
もう一つ、フォーム面でも何か変化が出ないかなという期待もあり、動画等を見るとぼくの場合薄底シューズだと比較的スムーズな接地ができているのに、厚底だとオーバーストライド気味でべったり踵からつく重たい動きの走りになっているように見受けられました。
そこでサイズもピッタリで、ドロップ(踵とつま先部の高低差)が小さいシューズなら薄底に近い走りができるかも、うまくフォーム矯正ができるかもしれないという期待がありました。
結果は?フォームは変わったのか?
しばらくレースや練習で履いてみたのですが、踵からつくフォームはあまり変わらず。まぁそんなに単純ではないか。
重心の真下に近い位置で乗り込む感覚は多少向上したようには思いますが、根本的に変えるのは難しいですね。
ドロップだけでなく、単純に厚みも接地には影響してくるのかと思いました。
踵もそれなりに削れてました。前作のメタスピードよりは踵の補強が伸びているので多少保ちやすくと思います。
ただレース結果としては、かなり良好でした。練習不足でシューズもまだ履き慣れてない関わらず山形まるごとマラソン(ハーフ)では10月の最高タイムで3位入賞、その後10km前後の駅伝でも好記録が出ました。
正直な所、今まで自分に合ってると思った厚底シューズよりすぐに良い結果が出てるのではないかと。
感触的にもクッションと反発を十分にもらえるのが思ったより走りやすく、やはり固定概念で決めつける必要は無かったんだなと思いました。
一方で、使いにくいという意見もなんとなく理解できるものでした。
前足部の存在感があり過ぎて、自然な前傾姿勢がとりにくく、特に長い距離で後半疲れて腰が落ちてくると厚みのある前足部にしっかり体重を乗せるのが難しくなってきます。
その点、ドロップが適度にある厚底シューズの方が転がすように足を楽に前に運びやすいです。
前足部で跳ねるように走るスカイプラスは走力が低かったり筋力が弱いランナーには当然厳しいですし、ぼくのような踵から接地するタイプではシューズのポテンシャルを存分に発揮できてないかもしれないとは感じました。
結局の所、実際使ってみると”長所と短所両方ある“という至極当たり前の感想に落ち着きました。
ここ数年で厚底のパフォーマンスはある程度どのメーカーも近いものになり、そういった意味では違うスーパーシューズにすれば急に速くなるという事はもう少なくなってきたのかもしれません。
ですが、たまには違うタイプの靴も試す事で意外な発見があったり、パフォーマンスを向上させるための理解が深まるかなとは思いました。
まとめ
評価…B+
◎反発、クッション
◯フィット感
-耐久性、重量
△価格、接地感
思ったより使いやすさは人を選ばないものの、好みは分かれるという印象です。
このシューズを一言でまとめると、前足部の存在感、です。
↓一年前に試したメタスピードエッジ+レビュー