まるランニングマガジン

まるランニングマガジン

Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

長距離特化に進化した、METASPEED EDGE+(メタスピードエッジプラス)レビュー。

今回は前作から大きく変わったメタスピードエッジプラスを紹介していきます。

 

 

FFブラストターボ大幅増量、踵の耐久性もアップ

f:id:takemaru-yamasaki:20221216161436j:image

まさかの2タイプのレース用スーパーシューズ発表というサプライズだったメタスピードシリーズ、新作も同じようにスカイ+とエッジ +の2種類が発売されました。

ぼくは前作はメタスピードエッジを愛用していたのと、スカイ+は反発が強くて扱いが難しいという感想も聞いていたので、あまり迷う事もなくエッジプラスを選択しました。

 

f:id:takemaru-yamasaki:20221216161421j:image

今回も見た目は非常に似ているエッジ +とスカイ+の判別は、踵とインソールにも文字の表記があるため、さすがにどっちかわからなくなるような事は無さそうです。

 

 

前作で印象的だったのは、つま先部分の狭さで、ほとんどの人がアシックスのレースシューズより+0.5cmはサイズアップさせた人が多かったと思います。ぼくも少し大きい右足の親指に痛みが出てしまったため、サイズアップせざるをえなくなりました。

今回はそこが大幅改善され、つま先の周りがかなり広くなりました。エッジプラスは従来のサイズに戻して特に足のトラブルは起きませんでした。

 

ただ一方で、足の甲全体を包むフィット感はよりピッタリに感じるようにもなったので、試し履きの時点ではサイズは悩みました。前作と同じサイズにしてもそれほど問題無いのではとも思います。

 

他にも靴紐がほどけにくい形状の作りに変わっていたり、かなり細かい部分まで力をいれているのがわかります。

 

前足部のボリュームもかなり存在感がでました。ミッドソールの厚さは公式では踵33mm・前足部25mmとなっており(ソール全体の厚さは規定ギリギリの39mmと言われています)、前作のエッジより+4mmの厚みで、スカイに近い厚みになっています。

FFブラストを16%と大幅に増量、またカーボンプレートの配置もスプーン上で地面に近い形となっており、踵から接地しても転がるように前に推進力をもたらしてくれます。

重量も210g(27.5cm)にアップ。ただこれよりワンサイズ大きい前作のエッジが202gだったので、思ったより差はありませんでした。


f:id:takemaru-yamasaki:20221216161433j:image

ヒールカウンターのフィット感も向上しています。前作も悪くなかったですが、よりガッチリと隙間無く踵にハマりました。

 

f:id:takemaru-yamasaki:20221216161427j:image

もうひとつ大きなポイントとして、エッジプラスは黒いソールの補強が踵の下部までしっかりされており、かなり削れにくくなりました

ぼくは踵接地のため前作のエッジでは補強の少ない踵部分がボロボロになってしまったので、ここが1番嬉しい改善点かもしれません。


f:id:takemaru-yamasaki:20221216161424j:image

マラソンやハーフの長い距離で数回使っても、削れ具合は目立たない程度でした。

 

実際レースで使った使用感


f:id:takemaru-yamasaki:20221216161430j:image

NAHAマラソンで序盤は先頭を独走

 

まず練習で使ってみた所、「薄底感覚の前作とは別物だけど、エッジの走り方で問題無く扱えるシューズだな」と感じました。

 

気になった点として、後半疲れてくるとクッションが重たく地面に沈んでいくように脚がうまく前に出せなくなり、厚みが増した事と、それに伴いソールは硬めにしている事で、前作のメタスピードエッジの薄底的な軽快な接地感は損なわれているように感じました。

1回目のマラソンとなった盛岡シティマラソンではつい地面を強く蹴ってしまい、足裏がソールの硬さに負けて30km以降痛みが発生。

 

その後のNAHAマラソンもうまくリズムに乗れず、練習でもしっかり使ってよりシューズの性能を引き出せるようにする必要があると思いました。

 

レース中以外の部分については、走った後の筋肉の疲労の残り具合が非常に少なく、途中で失速したNAHAマラソンも終盤は一気にペースアップできて、1週間後の高知ロード10kmでコースベストを出して優勝することができたのは驚きました。

FFブラストの増量が効いているのに加え、他の厚底シューズほど反発が強過ぎないのも長い距離のダメージを抑えるのに効果的なのだと思います。

 

まとめ

 

個人的には、ロードでの速いペースのロングランやマラソンペース走といった長い距離の練習で最も効果を発揮するシューズではないかと思いました。耐久性の向上と、疲労の残りにくさに加え、反発が適度なので一定のペースを刻む練習に非常に適しています。

 

シューズの性能面では前作のエッジより大幅に向上しているのではないでしょうか。

 

一方で、好みの問題ではありますが、従来の薄底に近い感覚で、なおかつスーパーシューズの恩恵もしっかり受けられる初代エッジも捨てがたいです。

 

メタスピードエッジプラスはより幅広い層のランナーに扱いやすい厚底シューズとして進化したと言えそうです。

 

総合評価…B+

◎クッション

○反発、重量、耐久性

-接地感、安定性

△価格

 

用途…マラソン〜ハーフマラソンペース(ロードでの一定ペースでの長距離走向き)

 

METASPEED EDGE+

 

 

↓初代エッジのレビュー

www.takemarun.com