12月17日日曜・レース日。起床時間は昨年より10分早く3時45分。
気候の関係か、1時間遅れの時差の関係か、台北の朝は割と目覚めが良い。
朝食はコンビニでバナナとヨーグルトと、食パンを買った(ちょっと悩んだけど結構おいしくて食べやすかった)。これに最近はあまりレース前には飲まなかったコーヒーを一杯。5時頃にホテルを出発。
フィリピンの台風発生の影響か?絶好の天気だった昨年と比べると今回は終始霧のような小雨と、時折強い風が吹く、少しめんどうな天気。
しかし気温は13℃と身体を動かす分には丁度いい。
いいのかよく分からないけど、近くのホテルを待機場所に、整列もフルマラソンが30分前にスタートしてから時間がかかるのでギリギリでOK。
アップしやすい広い道もあり、昨年も思ったことだが、やっぱりどう考えても日本のほとんどの大規模な都市マラソン、有名なハーフマラソンより遥かに良い条件で走ることができる。
15分ほど前に整列して、近くにいた日本人のランナーと会話を交わす(ユニフォームが日本語だった)。どうやら花巻ハーフマラソン優勝してそこからの派遣できた選手のようだ。
予想以上に良い精神状態でスタートラインに立つことができ、ぼくはとても上機嫌だった。
余裕があり、自信があり、ほどよくリラックスし、テンションも上がっている。
今日は…行ける!!
レーススタート!
まず7-8人程度の集団ができる。
思ったよりスローペース。1kmは3分20秒かそれより遅いくらい?
いや、落ち着け。今日1番大事なのは勝つことだ。じっくり集団を使って後半勝負すればいい。
2kmもこのペース。遅すぎる。今回のレースは強豪はいないのか?どうやらケニア勢や昨年優勝した周選手(どうやらフルマラソンの部に出場していたらしい)はいない模様。
少しはラッキーという気持ちと、ちょっと拍子抜けしてしまった。
もう…行くしかない!
ぼくはペースアップを決断。湘南と同じように、一気に集団から抜け出すスパート。
自らがイニシアチブを握り、集団をふるいにかける作戦に出た。
1人、一人素早く反応したランナーがいた。
大会直前に会話した花巻ハーフからの派遣ランナーだ。
一体この選手の実力はどれほどのものなのか。自分の中で情報が足りない。
少し並んで観察したりしてみたが、少し不安そうに走っている気もする。
第2集団との差を確認。ここで牽制してしまえば追いつかれてしまうかもしれない。
リスクを覚悟したスパートが無駄になってしまう。
今日の調子は悪くない。このまま行けるはずだ。
5kmは16分前半、10kmも同じくらいのペースで通過し、始めのスローペースを考えるとまずまずのスピードでレースが進んだが、相手は離れる様子はなく少しづつ焦りも出てきた。多少ペースの変化をつけても、離れる様子は全く無い。
先頭にいるので、おかやまマラソンと同じく先導(今回はバイク)の電光掲示板を見て時間経過を待つ作戦を試す。でも、時間が経過するだけじゃ勝てないし…
やばい、これは確実に今までの負けパターンだ。気持ちは徐々にネガティブな方向に傾いていった。
ほとんど展開が変わらないまま15kmを通過。
もはやこの選手が、前半だけ頑張るお調子者ランナーであることはあり得ない。
どう考えてもラストで引き離される展開しか見えない。
いや待て、そうやってここ最近厳しいレースを勝ち抜いてきたじゃないか。
ぼくの方が2回目でコースをわかっているというアドバンテージもある。多分。
ここも自分を信じて強気のペースアップを仕掛けるんだ。
2つ目の山場となる17km付近のアップダウンでグッと力を入れる。全く離れる様子がない。もうダメだ。心肺が相当苦しくなり疲労感が色濃くなってきた。
さらにこの後、またもレース中に時計のトラブル発生。ボタンが潰れてピコピコ音が連発。くっそ!大事な勝負所で集中力が完全に途切れてしまった。
遂にここで、ぼくは半分諦めモードに。もうペースを押す余裕はぼくにはない。背後にピッタリつき、一か八かのラスト勝負に賭けるしかない。
最後のトンネルに入ると猛烈な向かい風!とにかく後ろにつく事に徹し、ラスト1km、それだけに集中しよう。
しかしトンネルを抜けるレース最後の急な上り坂を終えた所で、自分が思っていた以上に脚を使い切っていた事に気づく。
少しづつ離れていく。ダメだ、身体が動かない。
そうだ、こういう時は、ハングリー精神しかない。
ええと、1位と2位の賞金の差は…1万台湾ドル、4万!4万円の差だ!
うおおおおお4万円スパート!…あれ、4万円あれば何ができるっけ?
意外とそんなにパワーが湧いてこなかった。ああ、ぼくのハングリー精神なんて所詮こんなもんだ。
お金は思ったより原動力にはならなかった。
ますます差は広がっていく。
YAMASAKIT AKEMARU 排名半馬第二位(圖片來源:CKPC/楊忠翰)
【賽事】睽違六年臺北馬寫最佳 周庭印目光鎖定東京奧運 | 運動筆記 | tw.running.biji.co
結果は、昨年と同じく僅差の2位、タイムは18秒速い1時間8分25秒だった。
今年も15000台湾ドルから消費税20%を引いた12000台湾ドル(約4万8千円)をゲット。
前は涙が出るほど嬉しかったのに。今年はこんなに悔しいなんて。
同じ日本からの選手に負けたからというのもあるかもしれないけど、今回は勝たなければいけないという力みも結構あって、そういう意味ではこの1年でだいぶ成長したのかなぁとは思う。
連勝は4で遂にストップ。
しかし優勝した新田選手は強かった。やはり勝ったレースより、負けたレースから学ぶ事の方が遥かに多い。最初のスパートで簡単に優勝していれば得る物の少ないレースになっていただろう。
新たなライバルと良いレースが展開し、今の自分のベストを尽くせて最高のトレーニングにもなった。○(まる)な2017年の締めくくりになったと思う。
レース結果
1時間8分25秒(2位)
SORTIE MAGIC LT //プロパッドRソックス/ POLAR M400 HR
🏆昨年より18秒タイム更新!
🏆2度目の賞金ゲット!
台北馬拉松21K前三名抵達終點
レースが終わったら‥‥お待ちかね名店ディンタイフォンで小籠包パーティ😍😍うますぎる😂😂😂 #台北マラソン #小籠包 #ディンタイフォン #鼎泰豐
今回はとても充実した海外遠征になりました!観光編に続く…