今回はオススメスポーツ本の紹介です。
どれもランニングに特化した内容の本ではなく、また専門的・マニアックに感じるものが多いですが、ランナー(持久系アスリート)には非常に役立つ情報ばかりで、ヘタなランニング本より読みごたえがある事間違いなしです。
幅広い視点で学び、普段のトレーニングにうまく活かしていきましょう。
- 1.良いトレーニング、無駄なトレーニング
- 2.リカバリー-アスリートの疲労回復のために-
- 3.すべてのアスリートのためのファンクショナルトレーニング
- 4.究極のトレーニング
- 5.乳酸を活かしたスポーツトレーニング
- 6.ミラクルトレーニング7週間完璧プログラム
1.良いトレーニング、無駄なトレーニング
著者のアレックス・ハッチンソン氏は科学者でありながら、元中長距離種目カナダ代表の超エリートランナーでもあり、全体的にみるとかなりランナー向けの情報が多いです。
・Profile of Alex HUTCHINSON | All-Athletics.com
多くの人が持つ疑問に対し、徹底して科学的な根拠に基づいて説明しているので、かなり説得力があります。
もちろん科学も異なるデータがあったり定説が覆されたりする事がよくあるのですが、この本では一方的にデータを押し付けるだけでなくとても丁寧に誠実に説明されているのも好印象です。
どれも興味深い内容ばかりですが、ぼく的にはバランスボールの実際の効果や、路面の違いによるケガのしやすさが特にタメになりました。筋トレやヨガの効果についても色々書かれています。
2.リカバリー-アスリートの疲労回復のために-
アスリートのリカバリー(回復)に特化した本。
特にマラソンをはじめとした持久系スポーツのリカバリーに関する内容を中心に書かれています。
リカバリーにかかる日数から、アクティブリカバリー、睡眠、栄養、冷却/温熱、マッサージ、セルフリカバリーと様々な方法について書かれています。ヨガについて多くページが割かれているのも特徴です。
身体をより成長させていくためには、回復は身体を追い込むトレーニングと同じくらい大切です。どのレベルのランナーもしっかり学んでおきたいですね。
3.すべてのアスリートのためのファンクショナルトレーニング
よりアスリート向けの専門的な筋トレ、動き作り、動的ウォーミングアップを紹介した本です。
ファンクショナル(機能的)トレーニングとは、ほとんどが自分の体重をコントロールしながら行うエクササイズで、スポーツにおける正しい姿勢、バランス、安定性、可動性を改善させていくのが主な目的になります。
また、この本では”ほぼすべてのファンクショナルトレーニングは”コア”トレーニングといえるのである”と書かれています。
本の著者であるジェームス・ラドクリフ氏はのニック・シモンズ(モスクワ世界陸上800m銀メダリスト)のフィジカルコーチングもしました。
走りの動作についてはスプリント(短距離)に関する解説が中心ですが、長距離走も基本は同じだと思います。ぼくもランニング教室で動き作りを指導する時は、この本に書かれている"速い動作のための10か条"を強く意識して行っています。
4.究極のトレーニング
スポーツ生理学に基づいて、タメになる情報をまとめてくれているとても読みやすい内容になっています。
少し前の本になりますが、マニアックさと分かりやすさのバランスがとれていてとてもオススメです。
ぼく的には下り坂の効果(糖尿病を予防等)、大腰筋トレーニング、筋トレの頻度といった内容が凄く参考になりました。一般の方の健康にもアスリートにも役立つ知識です。
石井直方先生の本は他にも色々出ているので書店等で探してみてください。
▷究極のトレーニング 最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり
5.乳酸を活かしたスポーツトレーニング
タイトルどおりスポーツにおける乳酸の役割について学べる本。
疲労物質で悪者扱いされる事が多い乳酸ですが、実際は身体はそう単純ではありません。
乳酸、糖質利用の観点からマラソンレースのスパートの仕方について書いているのも面白いです。
乳酸トレーニングといえば八田先生ですね。よりランナー向けに書かれた本も出ているようです。
▷新版 乳酸を活かしたスポーツトレーニング (KSスポーツ医科学書)
6.ミラクルトレーニング7週間完璧プログラム
ロード自転車のトレーニング本です。
筋トレ、栄養、ダイエット、心拍トレーニング、レースに向けたピーキングの考え方等、ランナーにとっても間違いなく面白い内容になっています。
ロードバイクにも多少興味があるなら買って損は無いと思います。
良い本だと思うのですが、残念ながらランス・アームストロング氏は2013年にかねてから噂のあったドーピング使用を認め、自転車界の堕ちた英雄となってしまいました。現在は勧めるのに少し気が引けてしまいます。
合わせてどうぞ。↓