新型コロナウイルス感染拡大の影響によるイベント中止が相次いでから約3ヶ月、緊急事態宣言解除地域の屋外200人以下イベント容認の政府の発表、日本スポーツ協会からもイベント再開のガイドラインも発表され、いよいよスポーツも各業界復活に向けての道を歩み始めています。
屋外200人以下・屋内100人以下のイベントを容認…宣言解除地域 : 国内 : ニュース : 読売新聞オンライン
スポーツ協会のガイドラインでは疫学的根拠は一切無く不備が多いシミュレーションに基づくソーシャルディスタンスは考慮されていないようです。よかった!ただ前後の間隔については注意する必要があるという見解です。またマスク着用も呼吸を妨げる事が人体に影響を及ぼす可能性への注意書きも記載されています。
一体ランニングイベントはどうなっていくのでしょうか。
この数については、このまま新規感染者数が減れば緩和されるかもしれませんが(逆に新たな問題が生じる事もあるかもしれません)、今の所わかるのは「大規模な都市型マラソン」の開催はまだいくつもハードルが残されているという事です。
3月には東京マラソン、それと名古屋ウィメンズマラソンはエリートランナーのみで規模を縮小して開催されました。また、びわ湖毎日マラソンはレース自体はほぼ通常通り開催されました。
他国でも感染対策ガイドラインに則ったイベント開催が模索されています。
今回は今までぼくが出場した中で、比較的小規模(人数)で開催されている大会についてまとめてみました。
- エリート競技者向けマラソン大会
- 陸上大会(中・長距離記録会)
- 競技志向ロードレース
- 地域の小規模な市民マラソン・ロードレース大会
- 駅伝
- クロスカントリー
- イノベーションが生まれるか
- 中規模の大会について(数千人)
エリート競技者向けマラソン大会
元々東京マラソンができるまでは、日本のマラソン・ロードレースと言えばこのスタイルが主流でした。
ピリピリする雰囲気は緊張感を高めますが、整列にストレスが無く、スペシャルドリンクも設置できたりと、競技に集中しやすい環境です。
現在は多くのランナーに門戸を広げていますが、「別府大分マラソン」、「防府読売マラソン」も元々競技特化大会です。
今は完全な大規模マラソンとして定着している高知や愛媛も数百人規模の伝統あるマラソン大会でした(高知は龍馬マラソンに名称変更、愛媛は継続回数もそのまま)。
「延岡西日本マラソン」のように今もハイレベルな競技者中心で行われている大会もあります。
一方、このような大会ではトップ選手を生で見に、多くの観客が集まります。
エリートのみの東京マラソンも予想以上に沿道に人が集まり、批判の対処にもなってしまいました。
一定のルールを設けるのはもちろん、この機会にテレビ中継(あるいはネットやラジオ)をより充実してくれると嬉しいですね。
陸上大会(中・長距離記録会)
各地域で盛んに陸上記録会は、参加者はそれほど多く無く、時間や観客も絞られてくるので代表的な小規模大会と言えます。
複数の種目が集まる大きな陸上競技大会の場合、これが難しくなってくるかもしれません。また関東の日体大記録会等では毎回箱根駅伝を目指す大学生を中心に多くの選手が集まります。
ただ、土日に分けて開催しているものも多く、そもそも一度に全員が集まるわけではありません。
この辺りは何かしらの制限を設けて人数を絞る事は可能かもしれません。
競技志向ロードレース
陸上競技者向けの競技志向ロードレース。市民マラソン全盛で今では少なくってしまいましたが、裾野を広げ学生の競争を促進する上でも欠かせない大会でした。
特にマラソンが盛んな九州ではまだこの文化が強く残っており、ぼくが出場した唐津ロードレースは、メインの10マイルは250名程度、学生も多く参加しており全参加者が800〜900名だったようです。
この大会は日本最高記録も誕生しており、県外の招待選手も集まる注目度の高いレースと言えます。ただテレビで中継され全国的な知名度があるレースと比べるとびっしり沿道に観客が押し寄せるという感じではありませんでした。
地域の小規模な市民マラソン・ロードレース大会
このタイプの大会も数が少なくなりつつありますが、地域に根付き、長年開催されてきた大会です。
ぼくが中学の時、本格的に陸上競技を始めてから冬に出場した須崎ロードレースは、現在300名弱の参加者で行われています。
社会人ランナーとなり、久々に出場すると、体育の授業のマラソン大会を思いだしました。
各地から沢山人が集まるわけでもない地域の市民の健康増進イベントをそれほど問題視する必要は無いのではと感じますがどうでしょうか。
駅伝
複数で繋ぐ駅伝レースは、一緒にスタートする人数自体が少なく、ソーシャルディスタンスにはかなり有効です。
規模が大きい駅伝の場合、どうしてもサポート等関わる人数が多くなってしまい、待機場所や、バスで問題が生じてしまうかもしれません。
こちらも全国規模、あるいは地域で大人気の大会の場合は観客が多くなりルールや制限が必要になりそうです。
地域レベルの駅伝大会はうまく存続してほしいですね。
クロスカントリー
クロカンレース自体はトラックの陸上大会よりはもう少し参加者の幅が広がり、ひろしまクロカンは1000人規模でしたが、これも種目(距離)が細かく分かれている場合が多く、全員が一斉スタートではありません。日本選手権クロスカントリーは数百人規模の大会でした。
元々は欧州が起源で地域のスポーツとして根付いていったのがクロスカントリー。整備された芝生のフィールドは安全で、トレーニングにも役立ち、何よりも気持ちいいです。この機会に小規模なクロカンレース、あるいはクロカンリレーも開催も検討してみてはいかがでしょうか。
イノベーションが生まれるか
海外では新たな形の大会開催方法も模索されているようです。
まずはチャリティを含む短い距離のバーチャルレースが盛んに開催されていましたが、これは個々の条件にバラつきがあり過ぎるため、現段階では正式な大会とは言い難い感じがします。
ある程度の集会が容認された国では、少人数を時間差の短い間隔でスタートさせる方法も計画されています。
より大人数で行うためには、競技者とファンラン的な部で日にちを分けるといった事も考えられます。
イベント主催者にとっては存続の危機にも関わる状況ですが、逆に工夫でスポーツの注目度を高めたり、気持ちが沈んでいる人々に上質なエンターテイメントを提供する事ができるかもしれません。
中規模の大会について(数千人)
高知の市民マラソンには1000〜2000人程度の規模で、ハーフマラソンを中心に種目が細かく分かれているものも多くあります。
秋に出場した仁淀川ふれあいマラソンはハーフ/10km/4kmの部を合わせて1200名程度の参加者でした。
このような大会も、今は都市マラソンの動向に左右されやすいのではないかと推測されます。
しかし何か地域等の制限をつける事で開催可能にはならないでしょうか。
状況を考慮せず、右ならえで中止になってしまうのなら悲しいです。この辺りは国が新たな指針を出してくれる事によって解決する事を願います。
ぼくはどのタイプの大会が好みという事はなく、華やかな大規模都市マラソンも、ピリピリするような雰囲気の競技志向大会も、アットホームな雰囲気のローカル大会好きです。
ランニング大会には色んな形があるから面白いという事が、この機会に見直されるといいなと思います。
今回紹介したような大会が問題無く開催できるか、また大規模な都市マラソンが復活する事ができるかはまだわかりませんが、希望は持って準備していきたいです。