まるランニングマガジン

まるランニングマガジン

Kochi Marathon Runner Takemaru Yamasaki Official Blog まるランニングクラブ代表 Marathon 2:18:59(2019)/Half 67:02(2020)/5000m 14:48.22(2019)

非マラソンランナー、またはしばらくマラソンレースがない場合のロングラン(距離走)

ラソン(42.195km)を走らないランナー、しばらくマラソンレースの予定が無い場合、走り込みを行う必要はあるのか?

f:id:takemaru-yamasaki:20200830225656j:image

社会人になって本格的にマラソンにハマったランナーは、30km走のような練習はあくまでマラソンを速く走るためのトレーニングと思っている人が多いかもしれません。

 

しかしぼくは5000mをメイン種目としていた学生時代から、レースの少ない2〜3月や、夏の合宿期間は15〜20kmの走り込みを繰り返し行っていました。これは単に根性をつけるためではなく(そういう目的のコーチもいるかもしれませんが…)、きちんと目的がありました。

 

今回は短い距離のレースを目指す場合のロングランについて説明していきます。

 

 

 

 

ロングランによって得られる効果
 

1960年代、伝説的なコーチであるニュージーランドのアーサー・リディアードコーチは教え子である800m選手のピーター・スネルに毎週22マイルのロングランを行わせました。

スネルは1960年のローマ五輪800mで金メダル、4年後の東京五輪では800mと15000mの2種目で金メダルを獲得しました。

当時としては画期的な練習法でしたが、このリディアード方式の走り込みは瞬く間に世界に広がり、もちろん日本のランナーの練習法にも大きな影響を与えました。

 

長い距離を走り込んで得られる効果には、毛細血管の発達、筋肉内の酵素活性による有酸素能力の向上、骨格筋の強化が挙げられます。

 

5000mでもエネルギー貢献度の90%以上は有酸素運動であり、有酸素能力の向上はパフォーマンスと密接に関わってきます。

また、走り込みによって強化された肉体(筋肉、関節、靭帯、腱)はハードなインターバルトレーニングから故障を防ぎ、身体から素早く疲労物質を取り除く有酸素能力の土台は回復力を高めます。

この土台の構築を疎かにして、走行距離の大半が強度の高いインターバルトレーニングになってしまい、一時的にタイムは向上するものの故障を繰り返すというパターンが、特に基礎体力は高いもののキャリアが浅い男性ランナーによく見受けられます。

 

 

初期段階の基礎作り。ロングランでまず大切なのは、“ペースより時間”。

初心者や、トラックレースを目指すランナー、またはマラソンに向けた本格的な準備に入る初期の段階では、時間走から初めてみましょう。

第一段階として、90分続けて走るのを目指し、それを2時間まで伸ばしていきます。

 

時間走を余裕を持ってこなせるようになってくれば、例えば90分走の最後の15分をペースアップして終わるとより良い刺激になります。

 

このような練習法はマラソン選手にとってもペースのプレッシャーから解放されやすいため、本命のレースが遠い時期のメニューとしても有効です。

 

経験豊富なマラソンランナーなら、たまには2時間半まで伸ばしてみたり、きついアップダウンのあるコースでのロングランも行ってみるのも有効です。脚への負荷はかなり増すので、練習後はしっかり疲労抜きも忘れないようにしましょう。

 

 

トラックシーズン

レース(例えばトラックの5000m)が近づくにつれ、スピードを意識したロングランの内容を調整していきます。

時間は最初の80〜90分程度に戻し、ラスト5分をかなり速いペースで走るか、15秒か30秒ダッシュを繰り返す“ショートファルトレク”を入れていきます。

これらの練習の目的は、レース中の急なペース変化への対応力を磨きつつ、徐々にトラックレース仕様に身体を仕上げていくのに役立ちます。

 

ただしこれらの練習も、レース前後は疲労を抜くために、量と強度は抑えめにしておきましょう。

例えば5000mレースの次の日、(あまりに脚のダメージが強くなければ)80〜90分ゆっくりしたペースで“イージーロングラン”を行うのもオススメです。短いレースの張りつめるような緊張感から解放され、有酸素ベースを保ちつつ精神的なリフレッシュ効果も期待できます。

 

 

再びマラソンレースに向けて

 再び次のマラソン、またはハーフマラソンのレースの予定が決まったら、2〜3ヶ月前から長い距離を効率良く目標ペースで走り抜くための”ステディペースロングラン“(定番の30km走もこれですね)を行います。

 

もししばらくマラソンを走る予定が無くても、基礎がしっかりできているランナーが定期的に速いペースのロングランを行うのは効果的です。

 

トラックシーズンにしっかりスピードを養成していれば、このステディペースロングランがゆっくりに感じられ、より肩の力が抜けたリラックスしたフォームで走る事ができます。

 

そしてマラソン練習によって開発されたワンランク上の有酸素能力の土台は、またトラックレースのレベルアップにも繋がってくるのです。

このような繰り返しによって、スタミナとスピードをバランス良く向上させていく。これが長距離走の醍醐味ですね。 

 

 

メニューまとめ

 

・基礎作り段階

90分から始め、2時間まで伸ばす。余裕を持って走れるようになったら後半15分程度気持ち良くペースアップする。

経験豊富なマラソン選手はたまに2時間半走にもチャレンジ。起伏のあるコースで行うのも効果的。

 

・トラックシーズン

①90分走ラスト5分かなり速いスピードで(5〜10kmレースペース努力)

②90分走の後半にショートファルトレク…a15秒Fast-SlowX15〜20、 b30秒Fast-SlowX10〜15、c45秒Fast-SlowX8〜10

 

※大事なレース直前・直後は量と強度共に抑え、スピード練習の刺激から精神的にリラックスするような気持ちで行う。

 

 

・マラソンハーフマラソンの準備、ワンランク上の有酸素ベース作り

20〜30km”ステディペース“ロングラン(十分に鍛えられたアスリートならマラソンペース+20〜40秒/km程度)

16〜24kmミディアムペースロングラン+後半1分Fast-Slowファルトレクを10本

 

※適度なアップダウンのあるコースで行うのは有効だが、すぐリズムを崩してしまうほどきついコースで行うと本来の目的である有酸素能力の開発が効率良く行えないので注意する。

 

☆基礎練習がしっかりできたトラックランナーがオフシーズンにマラソン選手と一緒に速いペースのロングランを行うのも効果的。ワンランク上の有酸素能力開発に役立つ。ただし強く疲労が残る事もあるので、練習後はしっかり疲労を回復させ、レースシーズンは控える。

 

 

↓ロング走についてのより細かい解説や色々なメニューの紹介

www.takemarun.com