今回はストライド走法向けのアシックスのトップレーシングシューズ、メタスピードスカイを紹介します。
これが厚底シューズ。反発、推進力、クッションと軽さ
まず、ぼくは最初に使った厚底シューズはこのメタスピードスカイ(以下MSスカイ)だったので、全てが衝撃の連続でした。
まず持って驚き。厚底なのに軽い。
もちろん薄底シューズの中にはもっと軽いものもあるのですが、ジョギングシューズのような厚さでこの軽量感。
27.5cmで192g。公式の発表よりさらに軽い。
※初期に生産したものは若干軽いという噂もあり、今ワンサイズアップしたものもありますが207gでした。あまり気にしなくて良いと思いますが。
フィット感も初代カーボンシューズのメタレーサーからは向上。
ヒールの部分はフワッとしていますが、緩く感じたメタレーサーと比べるとうまく足に馴染む形状。
ただ、つま先は若干狭く、サイズアップをしている人が多いようです。(ぼくも使用しているアシックスシリーズの中では唯一MSスカイ/エッジはワンサイズアップ)
この辺は好みが分かれるかなという感じです。
まず試しに軽く履きジョグで使うと、割れない弾力のある風船の上を走っているようなクッションで、これまた驚かされます。これはもう完全にバネが入っているのでは?
そしてインターバルやマラソンペース走等レースを想定したスピードの練習では、やはりこれまでのシューズより明らかにタイムが向上します。
メタレーサーもクッションがあるのに、薄底シューズのような感覚で走れるのは凄いと思いましたが、MSスカイの反発力は全く別物。
カーボンプレートだけでなく、アシックスの素材で1番反発があるというFFブラストターボの弾む力、さらに踵33mm・前足部28mmの分厚いソールから身体をグッと前に運ぶような推進力の組み合わせでこれほどのパワーを発揮するのだと思います。
ただ、”シューズに走らされている感覚“も強いため、最初はかなり違和感も覚えます。
スピードは出るけど、生み出されるパワーをコントロールするのが難しく、これで長い距離のレースを走るのがイメージしづらいといった感じ。
使うまではただ楽に走れるシューズだと思っていたので、厚底は履きこなしが重要という意味がよくわかりました。
加えて、ぼくは扁平足に有痛性外脛骨持ちのため底が厚くて柔らかいと足首に少し負担がかかってしまいます。
ロードレースを走る機会が減ってしまったのもあり、現在は底がそんなに厚くなく、トラックレースにも対応しやすいMSエッジを現在はメインに使っています。
レースでは福山あしだがわマラソン10kmで走った一回のみ。近いうちにマラソンでも試す予定です。
他メーカーの厚底シューズとの比較
ぼくはそれほど他の厚底シューズに詳しくないですが、色んな厚底シューズがある中で、MSスカイを選ぶ理由として、「安定性が高く後半崩れにくい」という意見を挙げる人が多かったです。
ミッドソールの横に張り出した様な立体的な形状が、厚底特有のグラつきやすさをカバー。
加えて軽さ、反発もトップクラス。まだ今は反発を高めてもなかなか軽さが追いつかないメーカーも多いようです。
現在MSスカイを愛用するアスリートは着実に増えており、最近では研究でもナイキのトップシューズとほぼ同じパフォーマンス向上効果があるという結果も出ています。
まさにレースでも科学でも裏打ちされている、トップの厚底シューズの一つだと間違いなく言えます。
Study finds Nike and Asics models are the top performance shoes - Canadian Running Magazine
トップ選手の間では圧倒的にメタスピードスカイが人気、その理由
アシックス契約のトップ選手の使用シューズを見ると、ほとんどがMSスカイを選択しているようです。
レース動画を見ると最近は特にフォアフット〜ミッドフットで足の外側の前の方で接地する選手が多く、元々の走り方の適性だけでなく、MSスカイやそれ以前から厚底シューズ使い込んでいくうちに靴に適したフォームに変わっていったというのもあるのではないでしょうか。
(youtubeチャンネルJAPAN-ZEYO-Athletics様の川内杯栗橋関所マラソン動画より)
ぼくは接地前につま先が大きく上に上がり踵から接地しており、従来のシューズに近い感触のMSエッジの方使いやすいと感じる理由の一つかもしれません。
ただMSエッジもよく弾む高反発系シューズであることに変わりはなく、もう少し前に重心を持っていけるようにした方が、削れやすい踵部の消耗も減り、本来の性能を引き出せるのではないかと思っています。
(踵から接地してうまく厚底を使いこなしている選手もいるのであくまで参考までに。ぼくもこれから別人のような動きに変わるとは思っていません)
今はMSスカイは厚底を使いこなすためのフォーム作りとして活用しつつ、徐々にレースでも試して、本当に結果の出るシューズを選択していきたいです。
まとめ
評価B+
◎反発、クッション、推進力
◯グリップ
-軽量性、安定性、耐久性
△接地感、価格
用途…ロードインターバル、ハーフ〜マラソンレーステンポ走
◯現在、王道のレース用厚底シューズ
◯シューズから生み出される反発と推進力を使いこなす
◯従来のレーシングシューズとは全く別物。走りを合わせていく必要がある
※評価はあくまでぼく個人の扱いやすさなので、今後の使いこなし次第で変わる可能性があります。
↓もう一つのメタスピードエッジのレビューはこちら。耐久性、対象となるランナーのレベルはほぼ同じでここにまとめて書いています。