まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

次世代の安定性、GEL-KAYANO(ゲルカヤノ)30レビュー

今回はジョグ用シューズの定番、GEL-KAYANO(ゲルカヤノ)30レビュー。

 

 

見かけもガラッと一新

 

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少し前から徐々に路線変更が始まっているように感じたカヤノシリーズでしたが、今回でさらに別物のように見かけも一新。

価格も19800円と物価高もあり(?)、高価格化してしまったので購入を見送っていたのですが、最近は安く買いやすくなり折角なので試してみる事にしました。

今作は「4Dガイダンスシステム」と言われる、ミッドソール、アーチ、踵、靴底の機能を高める事によって、これまでとは違う立体的な安定性の向上に成功しています。

 

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踵のソール回りがドッシリ太くなり、履いた瞬間から大きく安定性が増しているのがわかります。


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アーチ周りに高反発パーツをつける事によって、疲労時の内側への倒れ込みを防止。

以前はDUOMAXという素材でガチガチに硬めてアーチをサポートしていましたが、今回はそういった硬さはほぼ感じません。

 


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ミッドソールの踵部にはピュアゲル、前足部にはお馴染みとなったFFブラスト+が搭載し、柔らかさと反発性向上。


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接地面が広く丁寧な作りのアウトソール。

 

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アッパーはクセがなく、アシックスらしい履き心地の良さ。普段履いてる27.5cmでピッタリフィットしました。

 

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重量は300g台のしっかり重量級。最近はソールが厚くて軽いシューズも増えたので、若干重たそうに感じますね。

 

先に進んだ"安心感"

使用してみると、以前の硬いというイメージはすっかり鳴りを潜め、フワッとした感触でかつソールから反発、前への推進力があるのはまさに現代風シューズといった感じです。

 

しかし、カヤノの安定性を極めたモデルというコンセプトは確実に活きていました。

 

接地面の広いソールの安定感は、安心感とも言えるほど頼もしく、足元がグラつかないサポート機能は過去最高クラス。

 

それなりに重さはありますが、反発や蹴りやすさのおかげでさほど気にならず、他のシューズとは違う気分転換にもなって楽しく走れます。

 

オーバープロネーション対策=踵や土踏まず周りをガチガチに固めているという時代はもう過去のものとなり、安定モデルの概念は次のステージに進んでいったのだと感じました。

 

シューズの主流が変化したからこそ

 

今アシックスで最も人気があると言っていいノヴァブラストは多少脚に疲れがある時でも勝手にポンポンと弾んでくれて気分良く走る事ができますが、この楽さはマラソンの脚作りのためには良し悪しもあります。

 

カヤノは高い安定性を伴った重さだけではない重厚感から、地面をしっかり捉えて蹴るパワフルな走りを身体に覚えこましてくれるように感じます。

 

カヤノシリーズは川内優輝選手もトレーニングシューズとして最も愛用しており、その良さは以前から理解はしていたのですが、昨今の高反発でふくらはぎを温存するハイテクシューズの存在感が増した事で、やはりクラシックな安定性の高いシューズの必要性も再認識しました。

 

厚底シューズに慣れきってしまったランナーがいきなり薄いシューズで足を鍛えようとするのは故障のリスクもあるので、まずはこのような安定モデルでしっかりキック力を鍛えたり、走り込みで身体作りから始める事をオススメします。

 

特にマラソンの準備の初期段階でLSD(ロングジョグ)のようなペースを気にせずひたすら長時間走る練習では、カヤノのような安定性の高いモデルは活躍します。

 

まとめ

 

評価...B+

 

◎安定性

⚪︎クッション、耐久性、フィット性

-反発

△軽量性、価格

用途...ジョグ、2〜3時間ロングジョグ(LSD)

 

▷GEL-KAYANO 30

 

鍛えるシューズを強調すると、走りにくそうな印象を受けそうですが、反発も程よくあって前に進みやすく、フィット性も良いのでこれといった欠点の無い優秀なシューズです。

ただし安定性重視のため楽に走るという部分では過度な期待は禁物。オーバープロネーション用という事で扁平足やX脚気味の人向き。

 

このシューズをまとめると、次世代スタビリティシューズ。

 

↓KAYANO28レビュー。この辺りから徐々に以前のガチガチなイメージは変わっていました。

www.takemarun.com