まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

GEL-DSトレーナー25レビュー【愛され続ける”中間モデル”】

今回は定番シリーズに戻って、DSトレーナーレビュー。

 

 

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超定番の”中間モデル“


DSトレーナーは20年以上続いている世界中で愛されているシリーズで、万人受けしやすい靴だと考えています。

ぼくもDSトレーナーが好きで、これまで何作も購入しました。

 

アシックスをよく履いている人なら「GT-2000」シリーズのスピード対応版モデルと言うとしっくりくるのではないでしょうか。公式では"サブ4"を目指すランナー向けとされています。

 

シューズの作りもGT-2000(&GT-1000)と共通点があり、内側の安定性を重視したオーバプロネーション対応モデルとなっています。

ぼくも扁平足で足の親指側ばかり底が削れるタイプのランナーなので相性は良いのだと思います。

 

海外ではマラソンレースシューズや、トレーニングでのスピード練習用として使われる事が多く、シリーズ全体を通して、ややカーブ気味のラスト(足型)、細めの作りになっています。

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東京マラソンで優勝したビクトル・ロスリン選手は、オーダーメイドのターサーを作ってもらう前は、マラソンレースでもDSトレーナーを履いていました。欧州ではロードレース用シューズのバリエーションが少ないという事情もありますが、エリートランナーのマラソンでも使えるという位置づけがわかるとより理解が深まります。

 

 

ゆっくりめのペースで長い距離を走るのにも対応していますし、しっかりフィットしたシューズが好きな人には特に合うはずです。
ぼくもDSトレーナーの気に入っている所は、クセの無い接地感と、フィットが優れている所です。

 

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重量は260g。幅広いペースに対応する中間ポジションらしい重さ。

最新シューズだと「エボライド」に近い位置づけになると思います。

 

 

実は大きな変化を繰り返してきた歴史もある

 

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長年”便利な中間モデル“ としての位置づけは変わっていないのですが、実は挑戦的なモデルチェンジを繰り返してきた歴史もあります。

 

個人的に印象に残っているのが、DSトレーナー17。踵を二層に分けたような形でフィット感を高めるような斬新な試みがされていました。が、一体感の無さが影響してか?肝心のフィット感は特別良くなったとは言えず、すぐ廃止されてしまいました…。

 

新作が大きく変化した場合は、一度足を通しておいた方が無難かなとは思います。

 

 

25代目レビュー

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今回レビューするのは25代目で、その前の24代目から見た目が一新されました。

1番変わったのはターサーエッジ、ソーティマジックシリーズのような半分フラット・半分セパレート形式のような形になったことです。

これまでずっとGTシリーズと同じようなセパレート形式なのは変わらなかったのでこれは驚きました。内側を固めて捻りを抑えるデュオマックスは健在です。

 

ソール前足部もグリップ力高めるデュオソール(細かいブツブツ)も無くなり、よりナチュラルなフラットソールに近い形に。

 

これによりフラット構造のスムーズな重心移動と、セパレートの反発の出しやすさと両方の良さがミックスされ、より中間タイプのシューズらしい幅広いペースへの対応力が高まったと思います。 

より自然な接地感になり、今までのDSトレーナーと比較すると反発でストライドを広げるよりは、ややピッチを上げやすい形になったでしょうか。

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ニットアッパーの履き心地も良好。今まではアッパーが柔らかい感じではなかったので、細めの形状が合わないとつま先部分は少しストレスを感じることがありました。

 

ぼくにとっては4:00~4:30/kmのモデラートランが相性バッチリで、最新の厚底シューズに比べるとしっかり地面をとらえられるクラシックなシューズらしい感覚が良くわかります。

 

まとめると、今までと使用ペース・目的はほとんど変わらないのですが、総じてより履きやすい優しいシューズに進化したと思います。

今までのDSトレーナーシリーズの中でもよりオススメしやすいものになりました。最新作の26もほとんど同じ形状になっています。

 

 

難しい位置づけになった元祖中間ポジション

 

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より厚く、なおかつ軽くて反発もあるマジックスピードには前足部にカーボンプレートと弾む素材のFFブラストが入っています。

 

あらゆる面において良好なバランスがとれており、これといって悪い所無し。


しかし、クッションと反発両立されていて、長い距離もスピード練習も楽に走れるシューズといえば?

そう、最新のカーボンプレート入り(または弾力のある素材が使われている)厚底シューズはそれらにおいてより高い機能性を持っており、その点は元祖中間タイプのシューズには助力感が無く、厚底に慣れた人には物足りなさを感じてしまうかもしれません。

 

ただ、価格はお手頃、しっかり自分の足で地面をとらえられる感覚で走れるというメリットがあり、依然トレーニングに適したモデルであるのは間違いないです。

 

特に競技者ランナーはある程度厚底シューズを楽しんだら、こちらのタイプの靴に戻りたくなる人も多いかもしれませんね。

クッションの反発に乗る感じがいまいち馴染まないランナーにも適しています。

 

まとめ

 

評価(25代目)…B+

適正ペース…モデラートラン(ぼくの場合4:00〜4:30/km)、ジョグやスピード練習も対応可能。競技者の速いインターバルには少し重たいかなという印象

近いカテゴリーのシューズ…エボライド


◯フィット感、安定性

-クッション、接地感、反発、グリップ、価格☆バランス良し

定価13000円程度、安く手に入りやすい

内側を固めて捻りを防止しているオーバープロネーションタイプ

 

▷GEL-DS TRAINER 25 メンズ

DSトレーナー25 レディス

 

 

DSトレーナーと相性が良いGT-2000&1000シリーズ。

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