まるランニングマガジン

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Kochi Marathon Runner Takemaru Yamasaki Official Blog まるランニングクラブ代表 Marathon 2:18:59(2019)/Half 67:02(2020)/5000m 14:48.22(2019)

2020-2021シーズンの市民参加型大規模マラソンは開催可能なのか?

ラソン大会の開催中止アナウンスが続く中、高知龍馬マラソンが開催を積極的に目指す事を宣言しました。

 

龍馬マラソン 開催前提に準備|NHK 高知県のニュース

 

果たしてパンデミック禍にある世界でワクチンが無い中、大規模な市民マラソン大会を開催する事は本当に可能なのでしょうか?

 

結論から言うと、可能…というか、近いうちに実現する可能性は高いです。

 

 

 

9/13ハンブルグラソンが開催宣言

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https://www.haspa-marathon-hamburg.de/wp-content/uploads/2020/06/Hygienekonzept-Ansicht

 

つい先日9月13日のハンブルグラソン(ドイツ・世界陸連ゴールドラベルレース)が対策を講じての開催を宣言しました。

ハンブルグラソンはフルとハーフの部を合わせて1万4000人規模の大会です。

主にどのような対策が行われるか抜粋して紹介します。

 

・1000人が10分毎に、約2〜3時間かけてスタート。社会的距離に気をつけながら様々なグループが異なるスタートエリアで待機する。

・30人の国際的なエリートアスリート枠が用意され、許可された国の選手のみ出場可能で事前にPCR検査が行われる(招待選手のアフリカ勢は2週間に現地に移動し、代理人のヨス・ヘルメンス氏のキャンプで隔離され調整する)

・子どもの部、リレーの部といったサブ種目は実施しない

・エイドは原則無く、事前に補給セットが渡される(これについてはもう少し詳細を確認したいです)

・フィルターのついたスカーフを配布、スタート・ゴール地点等イベントエリアで着用。レース中も携帯し、レース後のゴールエリアでは顔と鼻を覆う。

・ゴールエリアの観客立ち入り禁止

・レース後のシャワー、マッサージ等の施設は利用不可

・その他スタッフ増員、トイレの数を2倍に、音楽の演奏を行わない等エンタメ要素の簡素化

“この詳細な衛生方針はマンチェスターメトロポリタン大学(群衆の安全性とリスク分析の修士号を取得するプログラムを提供)の支援を受け作成されました。 英国のこの学部はプレミアリーグやドイツサッカー連盟だけでなく、数多くの主要な国際マラソンにも取り組んでいます”

 

 

ドイツでは10月まで5000人以上の集会は禁止されていますが、厳格な衛生計画の実施を同意した場合には例外を認めたため、開催の認可が降りるようです(最終的には市の認可を得る必要があります)


これを見ると、かなりの本気度が伝わってきます。今のまま行けば実現する可能性は高いのではないでしょうか。ドイツは欧州では新型コロナウイルスを上手くコントロールしている国ですが、それでも毎日数百人単位の新規感染者が出ています。

 

確実に後に続く主催者も出てくると思われます。

 

10月開催を目指すロンドンマラソンの主催者のコメント。

「私等が知っているのは、私達には希望、欲望、そして工夫があるという事です。10月開催は不可能だと考える人もいるでしょうが、私達は希望を捨てません」

London Marathon "will not give up hope" on October event - AW

 

既にコロナウイルスを”ゼロ“に封じ込んだベトナム(ダナン国際マラソン)、台湾(台北ウィメンズラン)、ニュージーランド(ウェリントンラソン)は8月に通常通りの市民参加型の大きなマラソンイベントを再開する予定です。

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Vietnam national marathon series kicked off by Dalat Ultra Trail | opera news

ベトナムでは既に大きなトレイルの大会は再開しました。

 

 

 

大規模な屋外集会に関する研究

実は、全世界で数万人規模のデモ集会「Black Live Matter」に関する研究が行われ、アメリカの313都市からの大規模な調査で、デモがコロナウイルスの感染を拡大したという“証拠は見つかりませんでした“。欧州でも同じような結果が出ています。

www.thecut.com

 

これは専門家にとっては想定外の結果ではなかったと思います。

中国(香港チーム)の研究でも屋外での人から人への感染はほとんど確認されていません。日本の専門家は早い段階で”三密“という答えを知っていました。

既にコロナ禍で行われた高知龍馬、熊本城、京都、エリート限定ながら大観衆が集まった東京、名古屋女子でもクラスターは発生していません。

 
ラソンに関してはレース前後の行動についてのリスクが考えられますが、ハンブルグラソンの例を見ても対策を講じれば実行可能と判断する国・州も増えてくるでしょう。

 

もちろんデモのような集会やマラソンがゼロリスクなのはあり得ませんが、現実にそこで問題が生じていない以上、屋外で人が集まる流れはこれから世界で加速していくのではないかと思われます。

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スペインで健康維持の外出許可、街に人あふれ「密密ジョギング」

(被害の大きかったスペインでは厳しいロックダウンが解除されてすぐこのような風景になりましたが、2ヶ月後新規感染者数は安定しています)

 

 

 

日本ではいつ大規模マラソンが再開されるか?

 

では、いくら海外の例を挙げた所で、実際日本で同じように開催できるかと言うと…そう簡単ではない事はもうランナーの皆さんはご存知かと思います。


日本は欧米と比べてコロナウイルスの被害が遥かに少ない国ですが、マラソン大会中止の判断は世界一早いです。 

 

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秋の市民マラソン開催困難 医療スタッフ確保も課題(産経新聞) - Yahoo!ニュース

これだけできない理由がある中で、沢山の関係者に負担をかけながら行うのは、陸上競技の大会再開ガイドラインにもあったように、“大きな覚悟とエネルギー”が必要です。

 

ですが、ランナーの皆さんは素直に、龍馬マラソンが「なんとしても開催したい」という気持ちを聞いて久々に、ちょっとだけでも明るい気持ちになりませんでしたか?

今や華やかな大規模マラソン大会を走る事が“生きがい“になっているランナーは日本中に沢山います。

 

今の状況で、関係者に”頑張れ“と言うのは酷に感じるかもしれませんが、“嬉しい、感謝(ありがとう)”と言うポシティブなエネルギーを送る事ならできるのではないでしょうか。

  

もし安全にマラソンを開催する事ができれば、地元経済への恩恵は大きく(龍馬マラソンの経済波及効果は約4億7900万円)、結果的に多くの苦しんでいる人の生活や医療を守る事にも繋がります。

▷新型コロナの影響で全国の3分の2の病院が赤字転落

 

日本ではストップした地域経済活性化のため、Go to Travel、Go to Event という取り組みも始まります。近いうちに野球やサッカー、テーマパーク、観光地には毎週のように数万人の人が集まるようになるはずです。

あくまで国のルール・要請に従った形で、対策して行う1万人規模の屋外イベントは言うほど非常識な事でしょうか?開催を疑問視している人も結論を急がず、もう少し世の中の動きを見てから判断してみませんか。

 

このまま半年以上先の大きな大会が無くなるのが当たり前という風潮が続くのはランニング界にとっては大きな痛手です。他のスポーツ・エンタメ業界は試行錯誤しながら前に進んでいるのに、マラソン大会だけが身動きがとれなくなっている状態は避けたいと思います。

自分としても少しでも後押しになる活動していきたいです。

 

 

 

間を繋ぐ小規模の大会

 

www.afpbb.com

 

欧州では既に積極的に小規模の陸上大会、公園のシンプルなロードレースが開催され、制限を暗い気持ちにさせない工夫で、人々に喜びや感動を与えてくれています。そしてそれが次のステップに確実に繋がっています。

今の状況では小規模のイベントが間を繋ぐ存在として非常に重要となってくるのではないでしょうか。

 

日本でも既に、小規模の非公認イベントは徐々に再開しています。

ameblo.jp

今回、コロナ禍の騒動で、マラソン大会に関する世間の目が厳しい事、著名人の発信も影響し走る行為自体が根拠無く傷つけられてしまった事はランニングに関わる者として本当に悲しく思いました。

 

全ての人から理解を得るのは難しい。しかしランナーの皆さんにはパンデミックの世界で推奨された数少ない行動であり、人々の心身の健康に大きく貢献したランニングの力を信じてほしいと思います。

 

前向きに考えると、文化としての草の根のランニングを、みんなでゼロから作り直すのも楽しいのかもしれません。

小さな取り組みは、必ず元の華やかな大会の復活に繋がっていくはずです。

 

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大会開催予定にあたって | 第31回仏の里くにさき・とみくじマラソン【公式】

1000人を超える規模の参加者の集まる11月の大分とみくじマラソンは、早めに県内在住者限定で対策しながら行う事になりました。マラソン大会には住民への理解と、準備に時間がかかる問題もあり、早めに方針を決めて発表する必要があります。

 

 

 

”ニュースタイルマラソン“開催の行方は…


龍馬マラソンハンブルグラソン、その他コロナ封じ込め国の開催表明を受けて、現状のマラソンイベントの情報をまとめてみましたが、状況は日々変わっています。

海外の例せよ、まだ当日になるまでは架空の話に過ぎません。

 

龍馬マラソンの開催条件には、「同時期に同規模の大会が開催される」事も挙げられています。

最初に強い開催意思を表明しただけでも大変勇気のいる事ですが、残念ながら龍馬マラソン一つだけの想いでは開催は不可能だと考えられます。この数ヶ月間で何が起こるのか見てみたいです。

 

ラソンの「ニュースタイル」がどのような風景になるのか、まずは9月13日ハンブルグラソンが無事開催される事を願っています。

 

www.takemarun.com