まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

【ゴールドコースト2015・後編】いよいよレース!もう失敗は許されない…

なんだか大変な道のりになってしまったけど、いよいよレース会場に到着。

 

 

www.takemarun.com

 

いよいよレース


HISツアーテントでは温かい物を飲んだりしてリラックスできるし(紅茶ここで飲めばよかった…)、荷物の心配もなく準備万全。

しかしマッタリばかりもしてなれない。ぼくは場違いなほどガチランナーなのは理解していたので、早々と1人集中してウォーミングアップへ。

川内優輝選手はぼくと同じ所でアップしていてすれ違う。スタート付近の道路で走っている海外招待選手も沢山いた。

シードランナーは最前列に近い位置で並べるが、セレモニーもあるのであまりギリギリに行くのは怖い。

川内選手に少し声をかけたけど、やはり故障が影響しているのか、やや表情が硬いような。
周りのランナーをチェック。いつも上位に入っているベテランのウォーカー選手が近くにいるけど、マイペースで後半追い上げるタイプ。ペースが合う集団が早めにできればいいけど。

やはりマラソンのスタート前はテンションが上がる。
何気に今までは競技場や道幅が狭い所からスタートするマラソンの方が多く、ゴールドコーストのスタート風景は本当に壮観。やっぱりビックイベントはこうでないと。


これから最高のイベントが開催される。
その中のエリートランナーの一人。ドキドキ。
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キラキラと輝く先頭の招待ランナーの後ろ姿。
びわ湖や福岡では狭いトラックからスタートしてあっという間に遠ざかってしまうので、ほとんど見た事は無かった。
いつか絶対にこの集団で走るんだ。
いつかっていつ?今で…はありませんね。

今回は絶対に結果を出さなければいけないレース。玉砕覚悟(というか玉砕必死)の走りはできません。

ぼくは4人の第2集団でレースを進めていく。
途中でブリスベンのエース・ピーター選手が抜け出し、集団はぼくを含めて日本勢の3人に。あれ、なんだか国内レースみたいになっちゃった。

あまり少数グループでマラソンを走った経験が無いので、少し戸惑う。
序盤はぼくが引っ張ってみたもののあまりペースが上がらず、オセアニアを拠点に活動している酒井根走遊会オセアニア支部の谷本選手が前に出てそれから引っ張ってくれました。

近くの車イスランナーやコース案内の人(中盤はカーブが多いので間違えないかかなり心配になる)と時折流暢な発音でコミュニケーションをとってくれて、とても助かった。

ハーフ通過は1時間10分38秒、悪くない。苦手なカーブも今回は覚悟していたのでなんとかしのぎ、レースは後半戦へ。

そんな感じで勢い良く走っていた谷本選手も25km付近で急に集団から離れ、ぼくも脚がズシーンと重たくなってくる。
あれ、いつもより脚にくるのが早くないか?これはマズイかも…

いつもなら30kmあたりからのペースダウンが25kmあたりからきてしまいズルズルとビルドダウン。
しかも引っ張ってくれる選手もいない。

それでもなんとか30km過ぎで一旦応援も多いスタート&フィニッシュ地点に戻り元気を取り戻す。
あともう少しだ!
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しかしその後の唯一の長い上り坂が目の前に立ちはだかる。

”あれ?こんな坂あったの!?”

ぼくはここで気持ちにダメージを受けてしまい、坂の行く手前で既に失速
もう一人の選手には離されてしまい、さらにペースダウン。

そしてそこからレース巧者のベテラン・ウォーカー選手と、それに便乗した地元選手の集団に抜かれて、かなり順位を落としてしまう。
まずいぞ、これは。このまま失速コースか…

諦めかけてた35km過ぎ、徐々にスタミナの”戻り”を体験。とくしまの時もちょっとあったかな?
前との差を少しづつ縮めていく。
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ゴール近くなってきて声援も凄くなってきた。「ヒュー、ヒュー!」日本とは違ったお祭りのような盛り上げ方で、またエネルギーが湧き上がってくる。

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抜き返すことはできなかったけど、順位はキープし2時間27分45秒の18位という結果でフィニッシュ!

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リベンジ成功!国際陸連が認定する”ゴールドラベル”のロードレースではじめてトップ20入りを果たすことができました。


本音は順位・記録共にもう少し上を狙っており、後半にペースダウンして順位を落としたことは悔やまれますが、今回ちゃんとした結果を残せたことでホッと一息つくことができました。

2度目も前回と同じように力を出せず失敗してしまえば「今の環境では海外で結果を残すのは無理」と結論をつけざるをえなかったかもしれません。

海外マラソンで活躍することが夢であるぼくにとってそれは受け入れがたいものでした。

そう考えると、これからの競技生活においても本当に重要なレースだったように思います。


終わった後は恒例の海でアイシング!


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ゴールドコーストラソンの醍醐味、レース後アイシング。

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色々あったけど、ようやく役目を終えてニッコリ。

と言ってもやはりかなり体力は消耗しており、ホテルに帰ってベッドでバッタリ。
しかし数時間たったら回復したので、観光に出かけました。早起きがちょっぴりきついものの、レース後時間に余裕があるのもゴールドコーストラソンの特典


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ホテル近くの「mundo Pizza」へ。色んな国をテーマにしたピッツァが食べれます。クアトロフロマッジョを注文。

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アイスもおいしい。

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ちなみに近くのお土産屋さんでは日本人向けの優勝タイム予想大会が行われていました。
海外マラソンマニアのぼく的にはかなり自信があったのですが、上には上がおり、あと1秒の所で入賞(ピタリ賞+おしいde賞10名)を逃してしまいました。
ぼくの予想2:08:55→優勝記録2:08:42(優勝したムンガラ選手は41歳で世界マスターズ記録を更新)


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夜は泊まっているマントラレジェンズホテルで行われるHIS完走パーティへ。アボリジニの人達がダンスを披露。
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記念撮影。ツアー参加者の人とも親睦を深めれてとても楽しかったです!


ゴールドコーストラソン2015結果
2時間27分45秒(18位)IAAFゴールドラベルレース初のTOP20入り
5km・16:36/16:52/16:44/16:37/17:07/17:25/18:50/19:18/8:09
HALF70:38-77:05


まとめ
・朝7:20スタート(日本との時差-1時間)。できれば日本でも朝のトレーニングで身体を慣らしておきたい。
・高低差8mと世界屈指のフラットコース。序盤は道幅も広く気持ち良い

・中盤の直角カーブや路面の傾きは日本のランナーはあまり慣れてないので注意
・30km過ぎの上り坂にビックリ。心の準備をしておきたい
・後半は少し暑くなる。乾燥して脱水に気づきにくいので小まめな水分補給を
・2時間45分を切っているランナーは自分用のスペシャルドリンクを前日に預けれる。

 

後日… 

家にたどり着くまでが海外マラソン
ということで最後までお付き合いお願いします。
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早朝の散歩。美しい朝日。

砂浜でちょこっと裸足ジョギングもしてきました。白い砂がサラッサラで気持ちいい。

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海が見えるカフェでマッタリ。最高の贅沢。

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朝食はレース前は止めておいた絶品のミューズリー。どうやって作るのかな?

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オーストラリアはギリシャ移民もとても多く、ギリシャ料理屋もたくさんあります。

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パン屋でオージー国民食・ミートパイを初めて購入中のビーフシチューがドロっと出てきて実にうまい。昨年食べなかったことを後悔。

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カードを買えば1日乗り放題の便利な電車で移動。街もシンプルなので方向音痴なぼくでも迷うことはほぼありませんでした。

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最後のディナーはマントラレジェンズホテル内にあるシーフードビュッフェ。

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それっぽく盛れた。

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スイーツは欠かせません。

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夜のビーチ。
あっという間にお別れの時間…帰りたくないよう。


帰国


帰りはゴールドコーストケアンズ→成田(空港のカプセルホテルで一泊)→ジェットスター高松空港→高知の長い道のり。

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兄が高松空港まで迎えにきてくれて、NHKの”プロフェッショナル~仕事の流儀~”にも出てた「もりや」でうどんを食べて楽しく帰りました。

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後日、高知新聞に手記を掲載させていただきました。

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次の日に結果も載せてもらっていたようです。

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こちらは地元紙の写真。完走者の記録が全て掲載されており、ツアーに参加すると貰えます。

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完走メダル。2015年版の四角っぽい形がカッコいい。


結構壮大なストーリー?になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

これからもヒヤヒヤさせることもあるかと思いますが、海外レースへの挑戦は続けていきたいと思っています。

次の挑戦に乞うご期待。

 

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