まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

夏場の練習にオススメ、2パターンの“20分ワークアウト”を解説

今回は夏場にオススメ、2パターンの“20分ワークアウト”を紹介していきます。

 

7月に入り、夕方も30℃を超えるような日が続くと、普段やっている練習の失敗が続いたり、何日も疲労が残ったりして、何をやっていいのかよくわからないという人も増えているのではないでしょうか。

 

そんな中でも前向きに集中して取り組める練習メニューをピックアップしてみました。

 

 

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①10分ハード・10分イージー

 

気温が高い時期のレースで記録を狙うのは難しいですが、自分の長年のキャリアの経験で、かなり暑くても3000mまでならパフォーマンスにそこまで影響しないことがわかりました。

3000mのレース時間は、よく鍛えられた競技者なら大体10分前後で完走することができます。

 

この考えを真夏の練習にも活かして、10分高強度(3000mレースペース程度)・同じくらい休憩時間をいれた合計20分前後で終わるワークアウトを取り入れてみました。

 

高強度ながら、オールアウトするほどのペースではなく、短時間で気持ち良く終えることができます。

 

☆練習メニュー例

・400mX8〜10(つなぎ200mジョグ。少し強度を落としてジョグを速くしたり、途中給水休憩を入れるセット形式にしても良い)

・6〜7km坂道コース走(上り坂はハードに、下りはほどほどのペースで走る変化走形式で)

・90秒X2・60秒X4・30秒×4・15秒×4(豪州で有名なmona Fartlek)

・30秒fast-30秒slowX20 (シンプルなのでアラームの管理がしやすい簡易版のファルトレク)

練習前後に10〜15分のウォーミングアップ&クールダウンジョグを行う

 

※もちろん走力によって3000mの完走時間は異なるため、レースペースの負荷も少しづつ変わってきます。試しながらうまく自分に合った強度や量に調整してみてください。

 

 

②20分テンポペース

 

10分ハード・10分イージーだけでは短い距離の練習に偏り過ぎではないか?と不安になる所です。

これに20分テンポ走も混ぜて短時間練習の中でもバランスをとっていきます。

 

長距離で重要な乳酸閾値を高めるためのトレーニングで、全力なら約1時間持続可能なためトップ選手ならハーフマラソンペースになり、最低でも20分程度は走ると効果的とされています。

 

時間効率の良いスタミナトレーニングで、中間程度の強度なので、特に暑い時期はウォーミングアップも短めでも問題ありません。

 

シンプルに持続走で走るのもいいですが、夏場は2回に分ける”ダブルテンポ走“を推奨します。

これで休憩時間に給水を摂ることもでき、一旦身体の熱をとってからスタートできるので失敗しにくくなります。

注意点は短く区切ることでついペースが速くなり過ぎないようにすることで、イーブンか2本目少し上げるくらいの気持ちで行うと良いでしょう。

 

バリエーションとして、僅かに速いペースで行う1.5kmのロングインターバル形式や、コースを変えて緩やかな坂道やクロカンコースで行うのも効果的です。

 

☆練習メニュー例

・5-7km持続走(たまに記録を狙わない5kmレースにも出てみる)

・3kmX2 or 10分X2セット(つなぎ2〜3分ゆっくりジョグor給水休憩)

・1.5kmX3〜4(つなぎ2分回復)

◎変化をつけるために坂道のあるコースで行うのもGOOD

練習前後に5〜10分のウォーミングアップとクールダウンジョグを行う

 

 

1週間のトレーニング例

 

10分ハード・10分イージートレーニングはVO2maxを鍛えるトレーニングとしてはややボリュームが少ないので、週2回くらい入れるとより効果を発揮します。夏場のコンディションキープ程度なら週1回で十分でしょう。

20分テンポランは週1回でOKです。

 

プラス90分程度のペースを抑えたロングジョグを1回入れれば、バランスのとれたトレーニングサイクルになります。

 

・1週間のトレーニング例

火6〜7km坂道走(上り坂ハード、下り坂はほどほどのペース)

木400mx4〜5・2セット

土5-7kmkmペース走(or重要度の低い5kmレース)

日90分ロングジョグ(できれば日陰があり、波打つような適度な起伏のあるコースで)

月・水・金…40〜60分ジョグ、または休養

時期的に調子を維持する程度の目的なら、火曜の練習をカットしてもOK。

 

www.runnerstribe.com

今回はブリスベンで知り合った友達の練習法も参考にしてみました。

オーストラリアのクラブチームの多くは火・木に合計20分程度の短い時間で終わるスピード練習をこなし、週末はレースやロングランという流れを年中繰り返すのが特徴で、また時間で行うファルトレクやヒルトレーニング(坂道)など変化もつけているので楽しく行うことができます。

 

”ちょっと物足りないかな?“と思うくらいのボリュームで疲労を残さず回していく豪州式時短ワークアウト、モチベーションが下がりがちな日本の真夏のトレーニングにも取り入れていきましょう。

 

 

↓春先は3000mレースペースインターバルで記録が伸びたので、Vo2maxトレーニングにも追記を入れておきました。

www.takemarun.com