四国駅伝振り返り。徳島県・鳴門開催。
鳴門に帰ってきた。

振り返ってみると、若手のレベルが上がってメンバーがガラッと入れ替わり新生高知チームとして出発した4年前からぐるっと1周して鳴門に帰ってきた。まさかここまであと一歩の所で2位が続くとは思ってなかったけど。
もちろん今年も目標は優勝だ。前評判としては、高知チームも非常に良い状態だが、メンバー全員が5000m14分台の愛媛県チームが強そう。
この日の天気は快晴。レースが11時開始とあってやや暑さも感じるものの、鳴門名物の強風も殆ど感じず、3~10kmあたりの距離では絶好の条件と言えそうだ。ほぼフラットなコースというのもあり例年より高速レースになる予感。

四国駅伝は今回から全5区間→7区間、とかなり大きなルール変更があった。完全に同時開催の四国高校駅伝と同じ区間配置になり運営がシンプルに、一般選手目線でも四国の高校チームとそのまま記録を比較できるのは面白いではない所。
一区10kmはエースであり高知のキャンプテン的存在の久松選手。

1区は高知農業のスーパーエース山本聖也選手がレースのキーマン。次元の違う走りで抜け出し。2位争いの集団も30分前半を狙うハイペース。

(高知水曜練習会四国駅伝動画より)
さすがのエース、30分08秒の好タイム、区間賞でタスキリレー。香川が同タイムで、1番のライバル愛媛とは5秒差。徳島はかなり遅れてしまった。

2区は3kmのスピード区間。ここに走力が落ちる選手ではなく、中距離のスペシャリストを置けるのが高知の強み。ではあったのだが、愛媛もここは大変強力で一宮選手が8分20秒の爆走。岡崎選手も8分30秒を切り、四国の高校生を凌駕するハイレベルな争いになった。
3秒差で愛媛が先着、3区へ。

3区弘光選手、今年から香川→愛媛に移籍した武村さんは共に過去に1区で区間賞をとっている実力者対決。
一時は差をつけられたが、得意の後半の追い込みで弘光選手が逆転。高知が1秒差でトップ。
逆転に次ぐ逆転

いよいよぼくの出番、4区8.0875kmがスタート。
まずは競技場を1周して、距離調整の折り返しがあるため、気持ちが入りすぎてコースを間違えないように慎重に走った。
また愛媛の山下選手には昨年入りの1kmの飛び出しでやられて大差をつけられてしまったため、同じような作戦できたら素早く対応しようという様子見の意図もあった。

しかし全く出る気配が無く、今回はぼくにピッタリ付く作戦できたのが予想外だった。
ここに向けて、苦手意識のある1kmを速めに入る準備もしてきたのだが...。
愛媛の総合力の高さを考えると、リスクをとる必要はないと判断したのかもしれない。
不気味には感じつつも、ここは自分主導で、当初の目標だった1km3分でなるべく押す事に決めた。

ぼくは強くプッシュし続けたが、相手がグラつく気配は特に感じない。
序盤から自分でいくと力みやすく、5kmくらいでだいぶきつさを感じた時はこのまま保たないかもと感じた。タイムもGPSである程度確認はできたが正確ではないので、あくまで自分がいけるかどうか体感ベース。
山下選手の余裕度も気になったが、後ろを振り向くと余裕が無いのがバレてしまうのでやめておいた。

6kmを超えたあたりからは、ここまで来たらなんとかなるだろうと気持ちが楽になってきた。
6-7kmは一旦休んで(ペースを少し落としてリラックス)、スパートに備える。どこかで仕掛けてこないか怖さがあったが、今出てこないという事は相手もそれほど余裕はないはずだ。
ちなみに、この時点で高校チームは前に高知農業しかおらず、前が10秒差程度まで詰まってきたのは励みになった。やはり前がいると追いかけやすい。

ラスト1kmを切り、遂に勝負を決める局面へ。
相手も呼吸が荒くなり、極限の状態で走ってるのは伝わってきた。
しかしどうしても引っ張り続けると、力みや消耗で前に出られた時に身体が固まってしまい、対応が遅れやすい。
ラスト500mの山下選手のスパートで若干遅れてしまった。

勝負はどうあれ、駅伝なので1秒でも差を縮める事重要。
なんとか振り絞って愛媛と3秒差でタスキを渡し、区間タイムは24分29秒。
アベレージ3:01.6/km、これまでの四国駅伝で過去最高と言える走りができた。
フラットなコースで気象条件に恵まれたのもあるが、終始自分でリズムを作ってこのペースで走るのは簡単な事ではない。相当手応えのあるレースだった。

ここで高知のジョーカーが登場。5区3kmの中西選手が8分24秒の爆走で愛媛を10秒引き離す。高知農業も抜いてレース全体でもトップに躍進。高知勢の幅広い種目での活躍がここで活きた。

そして高知勢にとってはここからが我慢の展開。愛媛チームは後半の5km区間も今季14分台を出した実力者で固めている。
そんな中6区の杉本選手選手は追いつかれてから粘り抜いて再び逆転。高知は首位を守り抜いた。

全体で1km3分を切る高速レースを繰り広げ、その差僅か4秒でアンカー対決へ。一体このような展開を誰が予想しただろうか。7区5kmを務めるのは急成長中の野村選手。
以前はまるRCチームで高新駅伝も走ってくれたランナーで、今は高知のトップ選手と足を磨いて再び同じチームで走れることになった。
一方愛媛のアンカーは、今季5000m14分33秒を出した脇選手。今回出場する一般ランナーの中でも1,2位を争う実力者が5km区間に回るという贅沢な配置。

脇選手は他を圧倒するスピードで単独首位に立ち、トラックのベストと遜色無い14分37秒でフィニッシュ。
逆転に次ぐ逆転の死闘を制した愛媛県チームの総合タイムは2時間5分57秒。最後まで本当に隙の無い布陣でとにかく強過ぎた。

高知県チームも総合2時間6分台でフィニッシュ。区間が違うので過去との比較は難しいが、この5年で最高のレースができたのではないかと思う。全員がまさに死力を尽くして愛媛県チームに真っ向勝負で挑んだ。今回のような駅伝をするのは本当に難しい。

そういうわけで、今年の四国駅伝は5年連続の2位という結果だったが、終わった後も今までとは少し違う清々しい気分になった。
思えば、これまではなかなか優勝できない事に焦る気持ちが大きかったが、結果だけしか見えなくなると段々苦しくなってくる。
大きな目標を掲げて、仲間やライバルと共に高め合えた事が1番の財産ではないだろうか。
ぼくも結果がどうあれ今回が最後になっても良いという気持ちで準備して、最高の走りができた。この手応えは、必ず今後の競技人生にも活きてくるはず。
さて、来年は高知開催!
レース結果
4区8.0875km...24分29秒(区間2位) ave.3:01.6/km
高知県チーム総合結果...2時間6分40秒(2位)
⭐︎過去最速タイム
⭐︎高知チーム5年連続2位
白熱のレース振り返り動画
↓昨年は手痛い敗北と、愛媛の躍進