Akabane10kチャレンジ振り返り。
完璧な条件
毎年1月に開催される赤羽ハーフマラソンが今年はコロナ対策の影響で規模を縮小し、10kmレースとして開催。
今回は浅草のホテルに泊まったが、相変わらず東京の駅はややこしく、アップを始める時間のレース65分ほど前に会場に到着。
ゼッケンや足につける計測チップまで当日受付で受け取るという遠征では珍しい大会で、バタバタ慌てて準備。
今週は寒い日が多かったが本日は10℃程度、心配された風も全くない。パーフェクトな条件。
以前赤羽ハーフを走った経験から、このレースは気象条件さえ良ければ好記録ラッシュになるというのは確信していた。
荒川河川敷を走るコースには全くアップダウンがなく、そして何よりも重要なのが多くの実業団選手、大学生、これに最近だとランチューバー(頭にカメラを乗せて動画を撮りながら走る)のトップランナーが走ることによって、穴の無い集団が形成されることだ。
今回は待望の“公認大会”。駅伝の片道コースでは風向きも記録に大きく影響する。先週高新駅伝1区を30分24秒で走ったのがまぐれではないのを証明したい。
よりレベルの高いの大会の参加資格を突破するためにも、ぼく達競技者にとっていつも重要なのは公認記録である。
牛山さん「まる、駅で迷って会場に来れないんじゃないかと思ったよ」
ぼく「そうなんですよ、ハハハ」
当たり前のように各地から強豪ランナーが集まる東京。
整列しても悪い意味で集中し切れない。この辺は準備で慌てた時によくあるが、レースモードに入りきれてないような感じがした。
とにかく今回のレースは良い集団を見つけて、淡々とペースを刻んでいくだけでいい。むしろ先週の駅伝より緊張することはない。
レーススタート。快適な高速ペース。
当然ながら前のペースは速い。最初は少しキツく感じたが、落ち着いて自分に合った集団を探す。
すぐ前によく一緒のレースを走る牛山さんやランマックスチャンネルさんが見えた。
もうちょっと前に行ってみたい気もしたが、ぼくが今日やらなければいけないのは確実にタイムを出すことだ。
最初の1km通過は2分54秒あたり。それほど無理をしたわけではないが、十分に速い。
後はこれから3分付近を刻んでいくイメージがもう出来上がっていた。
ここからのぼくのレースの成功は絶対とまではいかないが、身体の感覚からペースを維持できる可能性は高いと思った。
数字だけで言うと、3:00/kmで10kmを刻み続けるというのは実際には未知の経験だが、そこはシューズも変わったしイケると自分に言い聞かせながら走る。なるべく身体を前に乗り込んで靴の性能を引き出せるように。3kmは8分50秒ちょっと。
暖かくなったので、後半無駄に汗をかくのを恐れて手袋やアームウォーマーは着けなかったが、スピードを出すと弱い冷たい風で身体が固まる。手袋くらいすれば良かったかな。
何度か先頭は入れ替わったりしたが、同じチームで協力しながら前を引っ張ってくれたり、30分切りというのはキリが良いからそれを狙っている人も多いはずでペースは落ちない。
これだ、これ。3年前赤羽ハーフを走った時と同じ。自然と自分に合った集団が形成され、それに乗っかっていくだけで普段はできない高速ペースを刻むことができる。
「同じ風〜の中♪」
「ランナーを運ぶよ、PBトレイン〜♪」
ぼくの脳内にはチューチュートレイン(の替え歌)が駆け巡った。
中間地点超えての誤算、勝負の6km地点
前から落ちてくるランナーを拾っていき順位も上がってくる。折り返し地点。おっ、先頭集団そんなに遠くないぞ。
ぼくの5km通過は大体15:01。ほぼ完璧だ。
15分切ってればなお嬉しかったが、ひょっとすると帰りの方が追い風気味かもしれない。
しかしここで先頭がさらにペースアップ。
薄々そんな予感はしていたが、3:00/km付近では走れても、ぼくにとってはそれがギリギリのペース、少し速くなるとついていけない。
なんとか6kmまでは粘ったが、そこから少しづつ離れていく。
しまった、ぼくのスピード能力の低さを考えると、直前にもう少し短い刺激を入れて、細かい揺さぶりに対応できる状態を作っておくべきだったか。
もうぼくは次の練習のことを考えていた。
なんとか最低でも7kmまでは耐えたいと思っていたので、やや誤算。
だがここで、4km付近で離れながらも好記録を出せた先週の駅伝を思い出した。あれに比べれば今の方が楽。
まだぼく自身が3:00/km付近のペースに耐えれなくなったわけではない。しかもすぐに一緒に落ちたランナーや、前からこぼれてきたランナーとの小さい集団ができるので、一気にペースが落ちることもない。
さすがに29分台は難しいかもしれないが、依然ベスト大幅更新は射程圏内のはず。
7km過ぎからはさすがにかなりきつくはなってきたが、まだかろうじの所で、上体の動きが大崩れするほどではなく、なんとかつけそう。
呼吸が苦しくても、脚は思ったより元気なのがスーパーシューズがハマった時の独特の感覚。
常に少し前にランチューバーのくれいじーかろさんも見える。追いつきそうで追いつかない。
9km時計を確認、27:17くらいが見えた。なんとしても30分20秒台は切りたい!
ぼくはクッとペースを上げたつもりだったが、集団には余力が残っているランナーもいて近くの3人の選手には離されてしまった。
とにかく後は自分の力を振り絞るのみ!
正式タイムは30分14秒!!!
良いスパートができたのか、若干9kmの時計をチェックしたタイミングが遅かったかもしれない。ラスト1kmの予想より良い記録で走れた。
今回は自分を信じて30分切りにチャレンジ、さすがにそこはいつも通り、階段を二つとばすような飛躍はできなかったが、それでも亀歩きのぼくとしては大幅な記録更新。
一昨年出した10000mの自己記録は21秒も上回った。
初めの読み通り、完璧な条件も後押ししての結果。ただチャンスはいつも自分自身の手で掴みにいくものだ。
リスクを冒さず、誰かの助けを待っているだけでは現状は変わらない。
と言いつつ、ぼくも感覚で即決できる人間ではないし、人それぞれ必要な時間をかけたらいいと思う。そして、いつかは自分の意思で前に踏み出さないといけない。
長年求め憧れ続けてきた世界が、大きく近づいてきたようなレースとなった。
レース結果
公認10km…30:14(PB!!・一般20位・全体34番付近)NET TIME 30:12
5km15:01-15:13
◯オールフラット、ほぼ無風、気温10℃+
☆10000mのベストを21秒上回る
☆先週の駅伝の10kmベストをさらに9秒更新
ランチューバーさんの動画に結構映ってます。
競技志向、盛り上がる工夫をしつつも快適シンプル運営。
優勝は川内優輝選手で、初の28分台(28:56)という爆走。
9月に転倒のアクシデントで靭帯を痛めてからの復活は凄いですが、ぼく的にはこれくらいは当然かなと、わかってるファンぶりたくなってしまいます(笑)
いずれにせよ、川内選手の不滅の闘争心は多くのランナーに勇気を与えているようですね。
今大会協賛のコモディイイダさんと提携している移動販売の「とくしまる」で栄養補給。
喉が渇いたので、みずみずしいみかんと、小さなまんじゅうを買いました。二つで200円。
高校時代のチームメイトに写真をとってもらい、せっかくなので街中で昼食を食べにいきました。
つけ麺屋の「TETSU」。冷めないように湯に入ったコシのある麺に、濃厚な魚介スープが絶品。特盛でお腹パンパンになりました。
のちほど公開された正式結果。錚々たるメンバーにあともう少しという所まで来れたような気がします。
強豪ランナーが集まったり、ランチューバーや有名人も招いてと盛り上がる工夫をしつつも、運営はシンプルなランナーファースト。会場到着まではバタバタしたものの、ストレスフリーでレースに臨むことができました。
他にも短い距離の部門や、ウェーブスタートで沢山組分けがあり、もちろん初心者にもオススメ(来年からはまたハーフがメインの大会に戻るとは思いますが)
またこの大会で、色んなカテゴリーの強豪ランナーに揉まれて走るのが楽しみです。
〜東京遠征振り返り編に続く〜
↓3年前の赤羽ハーフ振り返り。やっぱりこの時も色々迷ってますね(ーー;)