埼玉初レースの舞台は、あの川内家のホームレースである久喜マラソン(ハーフ)。
実は埼玉県は10年前、実業団チームに所属しながらドン底の状態だったぼくが、友人とさいたまスーパーアリーナで格闘技を観に行った時(やれんのか!三崎vs秋山凄かったな)、1人になっても走り続けると決めた、とても思い入れのある地である。
前日は一緒に来たまるRCのメンバーと久喜駅近くのインドカレー屋「スパイシーシェフ」でカレーを食べ、川内選手気分を味わってテンションを高める(と言っても川内選手がレース前夜に食べるのは必ず日本式のカレーなので、本当に気分だけ…)
レース編
久喜マラソンは規模も程よく、アップができるグラウンドも用意されていて、まだ3回目ながらとてもランナー目線でストレスフリーな大会だった。初出場でも当日は何も心配することはなく、準備は万端。
今回は川内優輝選手が本気のコスプレをするというのが話題になっていた。スタートラインに着くまで正体はわからない。
川内さんは漫画が好きらしいので、ぼくはらき☆すたのキャラか、HUNTER×HUNTERのゴンさんあたりではないかと予想してたけど、そんな生易しいコスプレではなかった。
なんと現れたのは…
パンダの着ぐるみ!これでまともに走れるのか…
さすがにファンランかもしれない。
しかしこの肉食系パンダ(焼肉が大好きとのこと)は、号砲と同時に先頭のランナーに食らいつくようなスピードで飛び出していった。
まず先頭に出たのは川内家次男のYOSHIKIくん。ライバルと言っても良い存在だが、東京マラソンでは完敗を喫してしまった。負け癖をつけないためにも、ここは真っ向勝負だ。
初めの1kmは3分を切るくらいのペースでなかなかきつい。
そして追ってくる肉食系パンダ。
若干弱気になりそうになったけど、これはYOSHIKIくんの作戦であるという事が頭をよぎった。
パンダの着ぐるみを事前に知っていた→兄に勝つ千載一遇のチャンス→有名人の川内選手、おそらく目立つ着ぐるみでの練習など何度もできない→しかし慣れてくれば後半驚異のスタミナを発揮してくるかもしれない→前半勝負で早めに逃げる!
二人の気持ちが一致したように感じた。
それにしても序盤からぼくvs川内兄弟の三つ巴というのは予想以上、出来過ぎの展開だ。
夢のようで、凄く嬉しかった。観衆の多い久喜駅では大歓声。
そうこうしているうちに、少しパンダとの差が開いてきた。こうなるとYOSHIKIくんとの一騎打ち。
彼も少し息が荒いような。しかしこの段階で仕掛けるのは少しリスクがある。台北ハーフでも中途半端な仕掛けで攻めあぐねて消耗し、ラストでやられてしまった。
そんな事を考えていると、最初の給水地点がやってきた。今日は暑いのでおそらく取りに行くのではないだろうか。そのスキにぼくは給水側には寄らずスパートをかけてみよう。これですぐ追いつかれるようなら余裕アリと見て、また仕切り直して慎重に行けばいい。
この狙いはズバリ。引き離すことに成功した。最初の5km通過は15分40秒を少し切るくらい。
イイ感じだ。ここからはキツいけど無理してでもペースを押して勝負を決めてしまいたい。
7-8km付近で、関東最古の神社、かつ大人気アニメらき☆すたの聖地で有名な鷲宮神社で折り返し。
とても立派な神社で、トップで来れたのもありとても気分が高まってきた。
折り返してからは、後続の市民ランナーの方々とすれ違いがかなり長い距離である。フラットで走りやすい、というだけでなくなかなか考えられているコース設定だなと思った。
一緒に来たまるRCのメンバーともすれ違い、元気をもらう。沿道からは「カワウチじゃな〜い」という声が聞こえてくる。ふふふ、なんか気持ちいい。
しかし、後半に行くにつれて「カワウチじゃな〜い」を何度も聞いているうちにドンドン悲しくなってきた。ぼくってそんなに望まれてないのかしら…。
もう一つの折り返し地点に来ると、2位だったYOSHIKIくんとパンダの差が詰まっているような…。
ラストで一気に詰められたりしたら…怖い。
しかしぼくも永遠の噛ませ犬で終わるわけにはいかない。絶対このまま逃げ切るぞ。
後半になると、前日調整ジョギングをした弦代(つるしろ)公園の近くに来た。
やはり一度走った所は安心して走れる。
だが、唯一の大きなアップダウンと聞いていた18-19kmの橋で強烈な向かい風!これはかなりきつく、ペースダウンしてしまったと思う。
それでもなんとか迫り来る肉食系パンダの恐怖に打ち勝ち…
念願のトップでゴール!タイムは1時間9分33秒。コースは走りやすかったが、後半の強風でタイムはもう一歩という所だった。
パンダはYOSHIKI君をとらえ、2位まで上がっていた。タイム差は40秒ほど。
あっという間にゴールしたパンダに群がるギャラリーが押し寄せて来た。ぼくの方には誰も来ない。優勝したのぼくなのに…まぁ相手はパンダだから仕方ないか。
それにしても本当に恐ろしいお方だ。パンダの着ぐるみで1km3分20秒ペースで走るなんて想像もつかない。
川内優輝選手とぼくの戦績
vsユーキ・カワウチ
2011丸亀ハーフ●
2011福岡国際マラソン●
2013福岡国際マラソン●
2014ゴールドコースト●
2015高知龍馬マラソン●
2015朝霧湖マラソン●
2015ゴールドコースト●
2016ぎふ清流ハーフ●
2016高島平ロードレース●
2017奥球磨ロードレース●
2017愛媛マラソン●
2017仙台ハーフ●
2017ゴールドコースト●
2018久喜マラソン◯(パンダの着ぐるみ付きスーパーハンデマッチ)
合計戦績1勝(?)15敗
まぁ、負けた負けた。ぼくの社会人ランナーとしての物語は川内優輝との対決と敗北の歴史のようだ。
ってレベルが違いすぎるから当たり前って思うかもしれないけど、トップランナーでもちょっとしたアクシデントや失速はよくあることで、特にフルマラソンはDNFをカウントすればぼくだって結構な実績を持ったランナーに勝利した経験は何度もある。川内優輝選手の安定感は本当に驚異的なのだ。普通にやればぼくが勝つ確率は1%も無い。
それでも、チャレンジし続ければ、いつかチャンスはやってくる。あまりにもカッコ悪く泥臭いけど、本当にぼくに出来ることはこれだけなのだ。
トライ&エラー。身の程知らずでも、どうしてもやりたい事があるんだったらそれしかないじゃないか。
全く工夫も反省もせず進歩が無かったらダメだけど、5〜6年前と比べると、少しづつ光が見えてきたような気はする。いつの日か、ハンデ無しで先着できる日を信じて。
大会結果
1時間9分33秒(1位)
5km15:38/16:17/16:45/??
SORTIE MAGIC LT // ターサーソックス / スント SPARTAN TRAINER
🏆埼玉初レース、初優勝
🏆関東レース2つ目のタイトル
🏆川内選手に初勝利(着ぐるみスーパーハンデマッチ)
レース後編。打ち上げ等
今回はまるRCメンバーでの遠征。
高知のチームで、川内家のホーム大会に参加できるなんてワクワクすること、昔は考えもつかなかった企画が実現するようになりました。みんな、一緒に来てくれてありがとう。
久喜市は東京駅から乗り換え無しで40〜50分ほどで行けるアクセスの良い場所。大会の規模も程よく運営もしっかりしていてストレスがほとんど無く、地方からマラソン遠征初心者のランナーにもオススメではないかと思いました。
かがみんと記念撮影。嬉しい♡
実は隠れ「らき☆すた」ファン。全話見ました。
川内優輝選手の2時間20分切りの回数ギネス記録更新の授賞式。
ひょっとしたら本気出せばパンダでも狙えるかも…
久喜マラソンの優勝賞品はビタミンたっぷりのイチゴ、大塚製薬の様々なサプリセット、そしてお米3kgと、競技者にとっては実用的な嬉しい副賞ばかり。
レースが終わった14時からは魚民(ぎょみん、ではなく、うおたみ)で打ち上げ。
川内家に高知が誇る大人気お菓子の田野屋塩二郎シューラスクをお土産ということでお渡ししました。
宴会は大いに盛り上がりましたが、終わった後はさらに二次会へ。
いっぱい走って、遊んだ次の日の朝食。
今回宿泊したのは久喜のスーパーホテル。
比較的新しく綺麗で、温泉付き、朝食も美味しく大満足でした。
しかし鼻水が止まらないし、なんか調子が悪いような…
夕方の飛行機まで時間があり、お昼まで前日激闘を繰り広げたYOSHIKI君に練習に観光と、色々案内していただきました。
移動中どんどん熱っぽくなり、羽田空港でダウン。ちょっと遊び過ぎたかも…
今回は一緒に遠征にいったメンバーに荷物を持ってもらったり上着をかけてもらったり、本当に助かりました。大変ご迷惑おかけしましたm(_ _)m
すぐ調子に乗るのがぼくの悪いクセ。川内選手のように、目の前のレースが終われば、また次に向けて気持ちを切り替えなければ…
お土産の久喜クッキー、混ぜ物が少なく素材を活かした本格志向な作り。美味しかったです♡また行きたいな。
NEXT RACE…4/22高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン
↓下の記事はエイプリルフール用のネタ記事です。お騒がせいたしましたm(_ _)m