まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

おかやまマラソン2017振り返り【大会新記録・県外フル初タイトルGET!!】

当日のスタート時の気温は約10℃、曇り。無風。
昨年より少し気温が低くなり、かといって凄く寒いわけではなく、絶好の条件。


岡山は高知からアクセスが良い数少ない県の一つ。移動の負担はほとんど無く体調も良くなってきた。

タイムも狙えるかも。しかし今回1番の優先順位を忘れてはいけない。

優勝すること。強敵と競り合い、良いレースができれば自然と納得いくタイムもついてくるはずだ。

 

確実に勝てる条件が揃うまで、待つ……!

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アップ前にIpod miniで音楽を聴きながら気分を高める。しかしテンション上がり過ぎてしまいトイレが近くなってしまう(^^;;

今回は入賞者招待ですぐスタート先頭に並べる特権を活かし、ギリギリの時間にトイレへ。しかし直前でもトイレに並んでいるランナーは多くスタッフの声も響き渡って混雑感が慌ただしい。やっぱり大規模都市マラソンは大変だ。

急いでレース直前パワージェルと水分を口に押し込み、スタートラインへ。招待選手もうみんな並んでるし。


どうやら昨年のチャンピオンは欠場となった模様。
最大のライバルは今年の愛媛マラソン3位、持ちタイム的には格上のなかむら君だろう。よく聞く有名チームからの強豪選手もいる。

直前まで大会関係者の挨拶が続く。左のソックスの履く位置が少しズレたような、なんか気になる。

 

レーススタート!

 

 

昨年とは違い、慎重に周りの様子を伺いながら走る。
かなりスローな出だしになったので、坂のあたりで前に出るフリをして、ちょっとだけペースを上げてみた。


集団が形成された所で2番手に位置を下げる。集団の人数は思ったより多い6名。
まぁ昨年のように前半だけ飛ばしてる選手もいるだろう。
なかむら君が積極的にペースを作ってくれる。ありがたい。
最初の5km16分33秒。まずまずいい感じだ。

 

ぼくも戦術がしっかり固まっていたわけではなく、周りの様子を見ながら集団の後ろに行こうとも考えたが、それだと完全に先頭の選手が主導権を握っていることになる。
それよりは並んで先頭を走っているように見せかけて、実は相手を利用している微妙なポジション取りで行くことに決めた。

 

これだと自然に先頭に出てしまうこともあるけど、その時は無理せずリラックスしたペースを保っているとそのうち誰かが前に出てくれた。あくまで全身に力を込めてペースアップするのは勝負を決めにいく時にとっておくイメージで走る。

 

5-10kmは16分35秒、次の10-15kmは16分49秒と少しペースダウン。

給水はアミノバリュー、5km毎くらいに摂る。大失速した昨年の反省を活かし、気温は低めだけど念のため給水はきちんと摂るようにした。

 

調子のバロメーターの一つである左の腕振りがちょっと硬く、うまく脇を締めれなくて、近くの選手に何度かぶつかってしまったけど、10kmくらいからジョグの延長くらいに感じとても気持ちよくなってきた。

が、15-20kmは17分00秒。実際にペースは落ちてた。調子がめちゃくちゃ良いのかと思ったけど、まぁこんなものか。
ハーフは1時間10分44秒。これだと単純に倍しても2時間21分台。最近のフルとしては少し遅めの通過となった。

 

焦らず後半勝負で行こう。自分の走りを意識し、やや無駄に前傾してきたように感じたので少し上体を起こしてみる。こうすると疲れやすい前モモを温存し、力を貯めるような感覚で走れる。

前を見ると、先導する中継車には現在のタイムが表示されている。
いつものジョグは20km、時間にすると1時間40分弱。ロング走だと大体2時間くらい。丁度ジョグのような感覚で走れていたので、距離より時間が淡々と経過していくイメージで走ってみた。

 

なんだか感覚的な話ばかりになってしまったけど、おかやまのコースはフラットで、道は広くカーブも少ない。それほど目まぐるしく景色も変わらない。


自分の世界(THE妄想ワールド)に入るにはうってつけコースだ。どうもぼくはこういうコースが好きみたい。f:id:takemaru-yamasaki:20171114121824j:image

 山陽新聞 (@sanyo_news) | Twitter

 

しかし集団が6人のままだったのは予想外。優勝を目指している者としては人数が多いほどプレッシャーがかかる。
20-25kmは17分06秒。それほど一気に落ちてはないが駆け引き、勝負レースといった様相になってきた。

 

と考えていた所で、集団で1番良い動きをしていたふじわら選手がグッとペースアップ!
スローからのロングスパートのような形になり、かなりキツく感じた。


最大の危機が訪れる。このままこれに付き合うべきかどうか……なんとなく聞いたこともあるが、あまり情報も無い選手。これがずっと続けれるようならかなり格上の選手かもしれない。

しかしそうマラソンは甘くないはずだ。25kmからのペースアップは想定していた。行ける所までついていこう。
30kmからの最大のアップダウン、岡南(こうなん)大橋まで、あと10分の我慢…。

この先導車のタイムを見つめるガマンの仕方もなんだかハマってきた。大きいマラソンで先頭走るシチュエーション以外使えないけど…。


勘は当たり、少しづつペースが緩まってくる。気づくと集団はなかむら君を含めた3名に絞られていた。


まだ脚は活きている。これなら昨年のように岡南大橋で力を使い果たすようなことはないだろう。最悪でもある程度までまとめられるはず。

25-30km、16分29秒。一気にペースは上がった。昨年との余裕度の比較が楽しくなり、後半失速した悪いイメージから解放されつつあった。

いよいよ勝負の30km、戦いのゴングが鳴ったような感じ。楽しいじゃないの。変にテンションが上がってきた。

 

山場の岡南大橋は勢いで軽々クリア。昨年と同じアップダウンとは思えない。なかむら君はあまり前に出てこない、呼吸も少し苦しそう。いっぱいいっぱいではないけど、それほど余裕は無くなってきてるのではないかな…?f:id:takemaru-yamasaki:20171114111558j:image

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山場の橋を越えても3人の競り合いが続く。
山陽放送でもちゃんと先頭集団の模様を放送してくれてるかな?地方のマラソンでも良いライバルとの競り合い、面白いレースが見られる事を、沢山の人に知ってくれればうれしいな。

 

少し前に出てペースを上げてみる。しかしこれはまだ様子見。やはり調子の良さそうなふじわら選手がついてくる。なかむら君は離れ、ついに2人の一騎打ちに。

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またふじわら選手は前に出てくる。キツい。が、もうこのペースアップが続かないことはわかっている。もう彼は25kmで手の内を晒してしまった。

そして呼吸の質も変わってきたように感じた。「ゼーゼーハーハー」ではなく、マラソンのスタミナ切れ特有の力を失ったような呼吸に。

 

今カウンターのスパートを放てば、確実に勝てる‥‥‼︎

 

ぼくはついに切り札を出すことに決めた。

33-34km付近、川内優輝さんやセルオド・バトオチル選手のように、ここぞと思ったら惜しげもなく全開でスパート開始。

やはりついてこれない。ぼくの15回のマラソン経験に裏付けされた勘はここでもズバリ当たった。

 

良いリズムで行けたら、35km以降もそのまま押し切れる。これは愛媛マラソンで後半ぎょうばさんに引き離されて学んだことだ。


ここからはスタミナ切れを恐れるな。自分との戦い、タイムトライアル。それが結果勝利にも繋がる。

30-35km、ここからポラールM400のボタンに身体の塩かこぼれたスポーツドリンクがへばりついてしまったのか、ラップが押せなくなってしまったが、後でランナーズアップデートを確認した所、なんと16分04秒だったらしい。


ここからは自分の身体では無いような不思議な感覚に包まれた。(昨年もそうだったんだけど。悪い意味で)

 

とにかくどこまでもイケイケドンドン。こんなマラソンしたことがない。

相変わらずマラソンに向けては32km走までしかやってないけど、35km過ぎてから単調な旭川の狭い道も全く長く感じない。もちろんキツくなってはいたが、スパートをかけてから何かが解放されたように勢い良く走れた。

先導車の時計のタイムを一点に見つめ、後ろは一度も振り返らなかった。

やはりきちんと履けてなかった左ソックスの親指の部分にマメができてしまい痛みがでててきた。でも、あともうちょっとだ。

2:00:00を超える。ゴールは近い。

応援してくれる仲間も待ってる。勝つのはもう間違いない。でももっとこの走りを追求したい。マラソンを始めてからずっと、こういう走りがしたかった———

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35-40kmは16分35秒(だったみたい)。
細かい計算はできないけど、予想以上に良いタイムが出そうな感じ。
ラスト2.195kmまだまだ追い込める。街中に戻ってきて大声援も心地よい。
ラスト1km。まだ、スパートできる!

 

競技場に入る。残り300m。2時間19分…20分…おおおおおおおお……

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 タイムは2時間20分31秒。
愛媛で出した自己ベストにはあと1秒届かなかったものの、昨年の大会記録を3分以上更新(昨年の自分の記録は10分以上更新)。後半ハーフは1時間9分47秒。15回目のマラソンで初めてのネガティブスプリットだった。

ラスト10kmほどのペースアップで2位以下とは2分以上の差をつけていた。自分でもビックリするほどの会心のレース。

伝統芸の倒れこみをした後は、起き上がって観衆にガッツポーズ。見たか!という気持ちもあった。高知のマラソンランナーここにありを中四国最大規模のおかやまマラソンで証明できたのは凄く嬉しい。

 

県内の大会を盛り上げるのも大切だけど、やっぱりぼくは全国、そして世界に高知をアピールしていきたい。

囲みインタビュー、取材を終えると気になるのはまるRCメンバーの結果。

 

今回はメンバー初の”サブ3“がかかっていたが見事2人達成。他のメンバーも自己ベスト更新した人が多く、今年もおかやまマラソンはまるRCにとって特別な記憶に残る大会になった。

 

表彰式では仲間が集まり、また今まで色々な大会会場やネットを通して知り合った人達も一緒に喜んでくれて本当に幸せだった。

思い描いた理想、夢、ずっとフワっとしていたものが、やっと形になり実感が掴めるようになってきた。

随分時間がかかったけど、このチャンスを逃したくない。これからが本当にマラソンランナーとしてのスタートなんだ。

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おかやまマラソン2017結果

 

 

2時間20分31秒(1位・CR)

SORTIE MAGIC LT  //プロパッドRソックスPOLAR M400 HR

8:45 曇り 9.7℃ 82% 0.0m/s 
10:00 曇り 12.5℃ 70% 0.0m/s 
11:00 曇り 14.5℃ 57% 
5km 00:16:35 0:16:33
10km 00:33:10 0:16:35
15km 00:49:59 0:16:49
20km 01:06:59 0:17:00
25km 01:24:05 0:17:06
30km 01:40:34 0:16:29
35km 01:56:38 0:16:04◯
40km 02:13:13 0:16:35
Finish 02:20:31 0:07:18(3:19/km)
HALF70:44-69:47
後半17.195km56分26秒(3:16-17/km) 

 

 

🏆県外フルマラソン初タイトルGET!

🏆初の後半ハーフが速い”ネガティブスプリット“

 

 動画

おかやまマラソン、感動広がる 選手1.6万人、観客と一体に: 動画: 山陽新聞デジタル|さんデジ

 

 

レース前後のお話し(レセプション、お楽しみ編)

 

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話は飛んで前日編。
受付は招待選手も一緒。ゼッケンを受け取り、記念Tシャツ受け取り場所はお土産コーナーの近くまで移動させられるという罠にまんまとかかり、きびだんごを大量に購入。

カーボローディングにもいいかなと思い、自分の分も買ったのですが、これが小包装で程よい大きさ、とても食べやすくて本来あまり食欲の出ないレース日の朝食にもついついプラスしてしまいました。きびだんご、今後も使えるかも。

 

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17時からは大会関係者・招待選手のレセプションに出席。

ちゃっかり有森さんにサインもらってきちゃいました。テヘへ(^_−)−☆

 

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お食事も用意されており、ちょうどカーボローディングに巻き寿司は食べたかったのでいただいてたら、結局調子に乗って他の食べ物も結構食べてしまいました。本番前日なのにテキトーだなオイ…。食べ物の意思のユルさは永遠の課題。

 

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がんばるぞー、おー!わかっていたけど、1人だけ利き腕の左を挙げてしまいました…。未だに周りに迎合しないのがカッコイイと思っているのが大人げない。

 

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さて今度はレース後に飛んで、お楽しみ編

おかやまマラソンの名物といえば30km過ぎのラーメンですが、もちろんぼくは食べれません。羨ましいぞ。ということで真っ先に向かったのは念願のラーメンの出店。あっさりした味付けで凄く美味しかったです!

 

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次はホルモンうどん。ホルモン結構好きなんです。スタミナつく感じもしますね。

 

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甘い物で締めるのは欠かせない、のでクレープ屋にも惹かれましたが行列だったので、ゆずスムージーでシメときました。

 

ところで期待の副賞はかなり豪華。米俵、特産品フルーツ盛りだくさん(後日郵送)。さらにローソンで使える3万円分のカードもゲッツ!

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 コンビニスイーツ大好きの母にプレゼントしました。冷蔵庫がスイーツで溢れないか心配ですが…。

 

 NEXT RACE…11/26高新ロードレース

 

 昨年のレース振り返りもどうぞ。

www.takemarun.com