マラソンの本場・九州に久々の挑戦。奧球磨ロードレース振り返りです。
前日編
奧球磨ロードレースが行われる水上村に着いたのは前日の土曜昼頃。
調整の8kmほどジョギングをして、16時に行われる開会式に出席しました。
開会式では招待選手の紹介、川内優輝選手は元気に選手宣誓していました。
終わった後は「終わった後見てね」とおみくじを渡されました。
…そう言われるとすぐ見たくなるのが人の性というもの。
なになに…”いたずらに分不相応な事に手を出すと大きな失敗をします”?そんな事言ったらここに来てる時点で既に分不相応な気もするけど…
余計なお世話だ全く。ぼく非科学的な事は信じないタイプです。
大会会場近くの「湯楽里」で温泉に入りリラックス。1人400円。選手もここに泊まっている人が多かったようです。ぼくも次行くならここに泊まりたいですね。
・球磨の奥座敷 ゆのまえ温泉 湯楽里 | 温泉宿のホームページ
湯楽里の食事は終了していたので夕食は近くの「魚八」でアラ定食を注文。とても良いお店に当たったと思いました。
後はレースに向けて休むだけ。
レース当日編
参加賞はペットボトルにお米が入っていました。
スタートは10時45分とゆったりめですが、週末は寒波が到来してこの付近は最高気温も5度前後。
そんなわけで一緒に来てくれたおやじマンが先に当日受付を済ましにいって、ぼくはホテルでゆっくりしていたのですが、これが失敗。
中学生のレースが9時20分にスタートするのを考えてなくて、交通規制が始まってしまいヒヤヒヤものでした。まぁそこは都市マラソンとは違うのでなんとかなりましたが。
100数名規模の競技者向けレースの利点、しっかりアップもできて、スタート2分前にスタートラインに並びます。ぼくにとっては本当にありがたい条件です。
まずは下り坂でスタートするこのコース、飛び出しのスピードにはヒヤっとしましたが、ペースが落ち着きけん制ムードに。
「これは…前に…行ける!」ちょっとづつポジションが前になってきたぼくはついテンションが上がってしまい、なんと先頭に躍り出てしまいました。
前にはテレビ中継のカメラ、隣にはモンゴル代表のセルオド・バトオチル選手、そして真後ろには川内優輝選手。
生まれて初めてのシチュエーションに走りながらおかしくなりそうなテンションに。
とは言っても、もちろんただ目立ちたいために前に出たのではなく…そういう気持ちもあったけれど、このアクション自体はプラスに転じさせたかった。
集団がゴチャゴチャしている状況なので早めに前に出て良いポジションをとれれば、レースを有利に進めれるのではないかと思いながら走っていました。
しかし戸惑ったのがこの状況がしばらく変わらなかった事。
先頭のハイレベルな駆け引きに割り込んでしまい、周りの遥か格上の選手達と同じレベルの走りを求められるような感覚を味わいました。
自分の意志で前に出たはずが、いつの間にか前に出されたように状況になり、前の冷たい風と後ろから威圧感を感じながら体力を消耗していき、3km過ぎでトヨタ九州の選手がペースアップ。
そこにはなんとか着きましたが、次のペースアップでは身体がガチガチになってしまい、5km過ぎで集団から脱落。
そして6km過ぎに1人取り残されてしまったのもきつい展開になり、湯前町の中心に向かう方向に曲がると強烈な向かい風。
ここまではほぼ予定通り1km3分5秒ペースで来ていたのに、一気に3分20秒近くまでペースを落としてしまいレース最大の危機に直面。
でもそこは層の厚い競技者向けレース。後ろから追いついてきた選手や近くにいた選手の力を借りながらなんとかこれ以上のペースダウンは防ぐ事ができました。
11kmを過ぎて折り返すと、近くにいた選手がグッとペースアップ。
向かい風でタイムが落ちて焦っているのは他の人も同じ。苦しいけど、ここで頑張らなくていつ頑張るんだ!初めだけ前に出て撃沈とかは絶対にイヤだという気持ちもありました。
ここをこらえて15kmを過ぎるといよいよこのコースの勝負所。残りはほとんどが上り坂になります。
もうここに体力を温存する事なんて考えられない状況でしたが、終盤では落ちてきたバトオチル選手にも追いついて5人ほどの集団になり、とにかく周りの選手に離されたくない一心で走りました。
最後は身体が冷えて全身カチコチになりながらゴール。
レベルの高いハーフマラソンはいつもそうですが、今回は風や終盤の上りもあり本当に最後まで気が抜けないレースでした。
タイムは1時間8分14秒、順位は49位。うーん、悪くはないけどやっぱり自己記録更新と、もう少し上の順位で勝負したかった。レース後写真もちょっと苦笑い。
振り返ってみると、やはり集団でじっくり待つべきだったように思います。
色々経験も積んで、トップ選手が集まるレースでも萎縮はしにくくなりましたが、序盤は気持ちをグっと抑えて強い選手の力を借り、本当に大事な勝負所でどこまで対応できるかを試すのが、ベストの選択だったのではないかと思いました。
結局占いどおりだったという事か‥‥
苦しい場面を凌いで最終的には無難な結果にまとめたものの、たまたま近くにいたランナーに合わせただけの他力本願な走りにも不満が残りました。
愛媛マラソンを一緒に走るメンバーには大きく水をあけられてしまいましたが、この濃密な経験を必ず次に活かしたいです。
具材たっぷりの豚汁におにぎりと漬物をいただきました。おいしかった。
終わった後川内さん達のチームとクールダウンジョグをご一緒させていただき、川内さんは「今はとても貴重になってしまった競技志向の大会を盛り上げていきたい!」という想いを熱く語ってくれました。
「趣味の集い」という謎の最強市民ランナー軍団も川内選手が大会を盛り上げるために呼びかけたスペシャルチームでした(奧球磨ロードレースには団体の部があり、趣味の集いは実業団・大学チームに混ざって2位だったようです)
沢山の人が出場する市民マラソンも大好きな川内さんだからこそ言葉に重みを感じました。
普段はレベルの高い大会に行ってもなかなか良い条件では走れない自分にとっては、当日万全の準備ができる奧球磨ロードレースは最高の大会。
こんな素敵過ぎる大会に出ないわけにはいかない、と長旅を覚悟でエントリーを覚悟。
昨年4月には震災もあった熊本県ですが、マニアックな渋い大会に出る事で応援するのもぼくらしくていいかなとも思いました。
アップダウンと風の影響を受けやすいコースではありますが、そこから生まれるハイレベルなレースの駆け引きはマラソンランナーが勝負強さを鍛えるのに絶好の機会と言えそうです。
ぼくもできれば毎年出場して奧球磨ロードレースを応援したいです。どこでもドアがあれば…。
大会結果・まとめ
1時間8分14秒(49位)
6km・18:34(下り)
6-11km・16:27(向かい風)
11-16.1km・16:36(追い風)
Last5km・16:35(上り)
SORTIEMAGIC RP2/プロパッドRソックス/ POLAR M400 HR
・貴重な新しい競技志向大会。団体戦もアリ。素敵過ぎるこのロードレース、これから有名になって盛り上がってほしい
・参加費2000円、出店はほぼ無いけど、レース後の手作り豚汁とおにぎりが嬉しい
・会場近くの温泉でリラックス
・アップダウンと風、ハイレベルの駆け引き。勝負強さを鍛えるのに絶好の場
・奧球磨への長い道のり…
青空の下454人疾走 公認奥球磨ロードレース大会-熊本のニュース│ くまにちコム
ほぼ海外遠征。片道10時間の遠征振り返り
今回は国内の遠征最長の移動時間になりました。というかオーストラリアより長かったかも…
高知~八幡浜3時間→船移動2時間15分→臼杵港~ 湯前町まで5時間
行きは金曜夜八幡浜で宿泊し、フェリーの移動は休めるので、まだそこまで負担には感じませんでしたが、帰りはレース後昼1時に出発して、帰宅したのは0時過ぎ。日曜までに帰ってこれませんでした…
元々はJALマイレージを使って福岡から行こうと思っていましたが(それでも遠いけど)、おやじマンが船を使って行ってみたいという事で、協力してもらって車で移動する事になりました。
行きの巻。道の駅はゆまで朝食を買いました。
おにぎり、あげみ、チキン南蛮。宮崎は美味しい。
帰りは色々なサービスエリアに寄り道、お土産買ったり、チビチビつまみ食いしながら。
モテナスソフト。寒いけど乾燥してくると口にクリームが欲しくなってきます。
この柔らかいモナカはぼく的にヒットでした。
色々食べたので、夕食はたんぱく質補給に船でお魚ソーセージをつまみました。
疲れたけど、やっぱり楽しかったです。また奥球磨ロードに出れる日が楽しみ。