まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

【PR】トラックで世界と勝負を!STCI・上野敬裕コーチの挑戦【Road to Tokyo Olympic 2020】

まるランニングマガジンの応援企画、NPO法人湘南トラッククラブ・インターナショナル代表・上野敬裕(うえの たかひろ)コーチの挑戦を紹介します。ぜひご一読あれ。


トラックで世界と勝負!夢の東京五輪決勝の舞台へ。
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言わずと知れた
マラソン大国・日本。
その背景には、800~10000mといったトラック種目ではスピードで劣る日本人は絶対に勝負できないという"定説"のようなものが存在しました。

そこであえてトラックで世界で勝負するという理念を掲げて、立ち上げられたのが上野コーチが代表を務めるNPO法人湘南トラッククラブ・インターナショナル(STCI)です。

東京五輪のトラック種目で決勝に進出し、メダル獲得を狙えるアスリートを育成するのが上野コーチの最大の目標です。
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日本選手権初優勝を果たした2010年の丸亀大会。(Photo by Kawaguchi)

現在上野コーチが指導するのは日本選手権女子800m2連覇、広州アジア大会4位の実績を持つ
岸川朱里(きしかわ あかり)選手。

400m出身の岸川選手は、初優勝を果たした2010年の日本選手権では持ち味のスプリント力を活かしラストの直線で勝負を決め、翌年は序盤から飛び出すフロントランニング作戦で逃げ切るという戦術家の一面も持ち合わせています。

近年は故障に苦しんでいましたが、現在は数々の世界大会メダリストが拠点としているメキシコのサンルイスポトシでの高地トレーニングを順調に消化し、4月からのトラックシーズンに向けて着々と準備を進めています。

2012年のメキシコ合宿の模様


一方で上野コーチが未来を拓く逸材として期待を寄せるのは、来春から新たに上野コーチが指導する大宅楓(おおや かえで)選手。昨年は大学生ながら日本選手権800mで4位入賞という成績を残しました。
体操競技出身の大宅選手は、棒高跳び走り幅跳びにおいても公認記録があり、抜群の運動神経を持ち合わせています。将来的には持ち前のスピードと運動能力を活かし、3000mSCで五輪出場を目指しています」



大阪世界陸上日本代表の辰巳選手の存在、3000mSCに必要な能力。

上野コーチと3000mSCの関連性をひも解くと、真っ先に思い出すのが2007年大阪世界陸上の代表となった辰巳悦加選手(現姓・荒井 2014年シーズンに引退)です。

山陰中央新報 
7/25 「精鋭集結 大阪”夏の陣”」 辰巳選手

 大宅選手の育成ビジョンは、どのように考えているのでしょうか?

「基本的には、辰巳選手の育成ビジョンと同様に、400m、800m、1500mのスピードベースを上げていきたいと考えています。今や世界のレベルも上がり、日本にもたくさんいい選手がいますから、中途半端なスピードレベルでは太刀打ちできませんからね。」

辰巳選手でやり切れなかった部分を、大宅選手でという思いはあります。

 

既にスピードベースは辰巳選手の学生時代を上回っていますし、ハードリングの技術も遜色ないレベルです。 

ただですね…3000mSCという種目は、スピードや技術だけでは走れないんですよ。レースでは、障害物を28回、水濠を7回越えなくてはなりません。まさに人生そのものなんです。上手く行く時ばかりではなく、つまづいたり、時には転んでしまうこともあるでしょう。そういった状況を乗り越えていくには、選手の人間力やスピリットが必要なんですよね。

辰巳選手は、この部分においては本当に優れた選手でした。まぁ他の選手とは、根本的にバックボーンが違いましたからね。走ることの意味が違うんですよ。だから強くなれたのだと思います。」

スペシャリストの育成。東京五輪は三人体制で臨みたい
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「一人のコーチが見れる範囲は3~5名と考えています。理想は800m・1500mの中距離選手、3000mSCの選手、5000m・10000mの長距離選手の三名体制で活動したい。このチームならトレーニングで各選手の持ち味を活かし、欠点を克服することができるからです。」

選手のスポンサーについても、青学大・原監督の新規プロジェクト構想のように選手個々が契約を結ぶ形で考えており、岸川選手は現在は長谷川体育施設に所属、大宅選手もすでに所属先は内定しています。


「目指すは世界」テーマが明確になった瞬間
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「コーチが自分の天職」と語る上野コーチ。学生時代は駅伝チームの主要メンバーとして活躍していましたが、大学卒業後は実業団チームで指導者の道を歩むことになります。
はじめは駅伝日本一を目指していた上野コーチですが、アトランタ五輪5000m4位の志水見千子選手との出会いがその価値観を一変させます。

1周400mのトラックで繰り広げられる世界のトップアスリートの駆け引き、爆発的なラストの切り替え、そしてその世界に真っ向に勝負を挑み続ける志水選手の姿勢…上野コーチは世界最高峰の舞台に一気に吸い寄せられていきました。

いつかトラックでメダルを獲れる選手を育てたい!

上野コーチの目指すべき山の頂が決まりました。



遠ざかる理想
そんな上野コーチの理想と実業団チームの監督としての役割は徐々にすれ違い始めます。
実業団チームにとっては世界で戦う前にまず、毎年行われる実業団駅伝で常に上位に入って会社をアピールすることが必要不可欠です。

しかし上野コーチは、トラック選手には駅伝用のロード練習はほとんどさせず柔らかい芝生中心に走らせ、マラソンをメインとするランナーには目標とする大会に向けて駅伝数日前にハードな走り込みを行わせました。

選手1人1人の数年先を見据えて真摯に取り組む姿勢は、チームや会社にとっては目先の結果(駅伝)に対して不誠実で自分勝手に映ることも。

当然駅伝では目立った成績を残すことはできず、ある日会社から突然の解雇を言い渡され、実業団チームの監督としての志は道半ばで終了してしまいました。

上野コーチもまた、指導者としての自分自身を最適化する場が必要だったのです。

家族や自分についてきてくれた選手の生活を守るため、一旦はサポート事業や深夜の副業に多くの時間を費やすことになります。

・読売新聞 8/23 「解任監督と二人三脚」


二人の挑戦
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岸川選手のプロデビュー戦となったOregon Relays。熱狂的な中長距離ファンが多いと言われるアメリカ・ユージーンで海外の強豪選手と競り合う。

このような逆境におかれても、上野コーチの情熱の火は決して消えることはありませんでした。

愛弟子の岸川選手と一緒に世界のレースを転戦し、標高1500m以上の高地トレーニングにも積極的に取り組みました。

着実に成果を残し日本チャンピオンにも輝いた岸川選手ですが、二人の目標はあくまで世界で戦うこと。

より上を目指す為にトレーニングもよりハイレベルなメニューに挑戦し、時には手痛い調整ミスや故障となって降りかかることもありました。

ロンドン五輪がかかった日本選手権では力を発揮できず4位に終わり、五輪の夢は遠ざかっていきます。

しかし、二人が旅を続ける中で築いてきた経験、出会いは日本の陸上界に新たな財産を残していきました。

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2013モスクワ世界世界陸上800m銀メダリストのニック・シモンズ選手と岸川選手。
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マラソンとハーフマラソンで全米最速記録を持つライアン・ホール選手とスイス・ルッツェルンで記念撮影。
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ニュージャージー・ニューヨークトラッククラブと連携したサポート事業も実現。ヘッドコーチを務めるF・ガグリアーノ氏と。

二人の描いた陸上の世界地図は、確実に未来のランナーに受け継がれていきます。


2016年、コーチとしての再スタート
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準備期間と位置づけていた過酷な数年間を乗り越え、来春から大宅選手も加わえた新体制でいよいよ東京五輪に向けて、コーチとしての再スタートを切ります。

世界と戦うための環境作りには、有望な選手の獲得や資金集め等の課題はまだまだあります。

しかし上野コーチは「自分の取り組みを通じて、やり方次第で日本からでもトラックで世界と戦える、また私のように選手時代実績の無いコーチでも諦めずに挑戦し続ければ道は開けるということをたくさんの人に示したい」と熱く語ります。

これまで様々な困難や苦境に立たされても、新たな取り組みに挑戦し続けてきた上野コーチ。

2020年の東京五輪に向けてまた陸上界にどんなことを仕掛けていくのか、今後の動きに注目です。
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Photo by K.nakajima


この記事は2016年2月にSTCI×まるランニンングマガジンタイアップ企画でお届けしました!

NPO法人湘南トラッククラブ・インターナショナル(STCI)代表・上野敬裕オフィシャルブログ


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