まるランニングマガジン

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高知のマラソンランナー・山﨑竹丸が走る事をもっとディープに楽しむ情報を発信していきます

「目標は日本代表」第23回四万十川ウルトラマラソン王者・川内鮮輝選手インタビュー

 ランニングをもっとディープに楽しむためのまるマガオリジナル企画、今回は先日四万十川ウルトラマラソンで見事初優勝を遂げた、プロウルトラランナーの川内鮮輝選手(Jaybird)のロングインタビューです。

 

昨年ぼくが今治シティマラソンを走った後に川内優輝選手から、川内家次男の鮮輝(よしき)選手が四万十ウルトラに挑戦することを聞き、そして以前から交流のあった三男の鴻輝(こうき)選手と連絡をとって遠征サポートをさせていただくことになったのが始まりです。
そして昨年は残念ながら21位と目標の優勝には程遠い結果に終わってしまいましたが、今年見事リベンジ達成。


一度は四万十で挫折を味わいながらも、1年で大きく成長した鮮輝選手の取り組みの変化や戦略、ウルトラを目指すアスリートはもちろん、多くの市民ランナーにとっても参考になる部分が多いのではないでしょうか。ぜひご一読あれ。

 

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山﨑竹丸(以下まる):四万十川ウルトラマラソン優勝おめでとうございます!ドキドキしながらゴールを待っていましたが、大会記録に迫る快走(6時間42分06秒)での優勝には驚きました。改めてレースを振り返っての感想を聞かせてください。

川内鮮輝(以下鮮輝):ホッとしたというのが一番の感想です。今までは練習はそれなりに積めていたのに、練習が試合での結果になかなか繋がらず、7時間の壁を破れずにいた。焦りもあった。ようやく、目標に向けて一歩前進できた実感があり、安心しました。



まる:昨年から何か練習方法に変化はありましたか?

鮮輝:
「スピード」「距離」「アップダウン」への対応の3側面を、昨年より、質・量共に向上させました。
具体的には
「スピード」5000m16'20"→14'57"
「距離」80kmジョグ→102kmジョグ
「アップダウン」対策→箱根にて高低差800m越えの峠走トレーニング

 


まる:
食事や栄養摂取でも気をつけた事はありますか?

鮮輝:
昨年の四万十が終わってから判明したことでしたが、昨シーズン後半は鉄欠乏性貧血に冒されていました。
鉄剤を適量取り、ヘモグロビンの数値が回復したことが、昨年からのジャンプアップの最大の要因だったと思います。



まる:ぼくも学生時代は貧血に苦しんだことがありました。確かに先に挙げた練習の質・量改善も、まず体調が万全で無ければ不可能ですね。

ウルトラマラソンではサロマ湖に次いで、全国的にも知名度が高い四万十ウルトラですが、これまで出場した大会と比べてどのような印象を受けましたか?

鮮輝:四万十は、他のウルトラと比較してとても面白いコースだと感じています。
600mの峠越えあり、沈下橋上の走行あり、スリルがあってアトラクション要素満載だと思います。笑

 

まる:面白い感想ですね(笑)。あと、高知の印象についても聞かせてください。

鮮輝:
高知は、とても懐かしい感じのする街だと思っています。それは街並みもそうですが、それだけではなく、人の温かさもそう感じさせてくれると思います。
また、ひろめ市場へ伺いましたが、お客さんが老若男女バランス良く混在していて、東京ではあまりない光景だなと思いました。東京だと、若い人・年配の方、綺麗に住み分けされている場所が多いので。その共存も、また良い感じだなと思いました。

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レース後はクジラステーキ丼をチョイス。

 

まる:ウルトラマラソン挑戦を決めたのはお兄さんの優輝さんの勧めだったというお話も聞きましたが、今回に向けて何かアドバイスはもらいましたか?

鮮輝:
最初の20kmの上り坂で無理はするな」とアドバイスされました。
箱根峠越え走などで対策をしましたが、それでも上り坂は得意にはならなかった。そこで、レースでは上り坂を無理しない作戦にしました。兄のアドバイスと私の考えがマッチし、レースで実行にうつしました。
上り坂はマイペースで走ったにも関わらず、上り切った時にトップの背中が少し見えていたので、その時、「これはいける。」と思いました。

 

まる:トレーニングや体調、そして作戦に関してもうまくいったと。今回の優勝は、川内家の皆さんも嬉しかったのではないでしょうか。

鮮輝:
昨年が散々だっただけに、皆喜んでくれました。
その中でも、特に兄が喜んでくれて、今回のタイムは今季世界ランキング5位にあたるようなのですが、その事実を示して「ついにお前も世界ランカーか〜」と持ち上げおだててくれました(笑)

 

まる:なんとなく、優輝選手らしい褒め方な気がします(笑)。

昨年の鮮輝選手と同じように悔しい結果になりリベンジを考えているランナーや、来年の四万十でウルトラ初挑戦を考えているランナーにアドバイスをいただけませんか?

鮮輝:ウルトラマラソンはあまり頑張り過ぎないことが大切だと思います。ただでさえ競技時間が長いですから。
練習についても、頑張ったら、その後は怠けることをセットにすると良いと思います。メリハリが大切だと思います。
また、主観的に取り組むばかりではなく、客観的な取り組みも加えるとより良いと思います。治療院で身体をチェックしてもらったり、血液検査をしてみたり。主観的に突き進み過ぎると、私もそうであったように、落とし穴があると感じます。


まる:確かに自分の世界に没頭するのは得意なマラソンランナーですが、つい客観的な取り組みはおざなりにしてしまう事もありますね。ぼくも耳が痛い所もありました…。

ところで、早くも平成国際大学記録会の5000mに出場されたということで驚きました。100kmレースの6日後にトラックレース出場とは。これは鮮輝選手にとっては普通のルーティンなんですか。

鮮輝:
今回の流れの目的は、フルマラソンに向けてスピードモードに身体を切り替えていくことです。
私の競技はメインがウルトラですが、サブのフルマラソン〜トラックレースもまだまだ記録を伸ばしていきたい。ですので、このルーティーンを確立できるとウルトラマラソン×トラックレース=フルマラソンという形で、それぞれの競技の掛け合わせから良い相乗効果を得られるのではないかと思っています。
勿論、無茶な流れではあるので、ケア・メンテナンスは徹底しました。笑


 

まる:優勝で流れを切るのではなく、先を見据えてということですね
では最後に、今後の目標を教えてください!

鮮輝:
2018年6月に開催されるサロマ湖ウルトラマラソンで上位に食い込み、日本代表入りをし、9月クロアチアで開催される世界大会を走る事です。
目指す上で、現在ウルトラ最速の板垣さんのスピードを意識し、超えれるように取り組んでいきたいと考えています。並行して、泥臭い距離練習も重ねていくつもりです。
それを遂行できれば、日本代表入りできると思っています。
※板垣辰也選手、今年のサロマ湖ウルトラマラソンで世界歴代2位の好タイムで優勝。2015年の高知龍馬マラソンで川内優輝選手と激闘を繰り広げて2位に入った経歴も持つ

 

まる:ありがとうございました!四万十から世界へ、高知の市民ランナーも鮮輝選手の日本代表入りを応援しています!

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平成国際大学記録会5000mは14分53秒84と今季のタイムを上回る好走、早くも次の目標に向けて進化を続けています。年内は11月の神戸マラソン、12月の福岡国際マラソンでフルマラソンの自己記録更新、2時間20分切りを目指すとのこと。

ぼくも次は鮮輝選手と同じ大会で一緒に走るのが楽しみです。

 

鮮輝選手は現在株式会社ロジクールとスポンサー契約を結んでいるプロのウルトラランナーです。ロジクール社の製品であるワイヤレスヘッドホン「Jaybird」のロゴをウェアに身に着けています。

Bluetoothヘッドフォン | JaybirdSport.com

 

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 前回のまるマガオリジナルインタビュー。

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