今回は悪名高い足底筋膜炎(足底腱膜炎)についてぼくの体験や対策・治療法について書いていきます。
あれ?踵の内側あたりが痛い…
ぼくが足底筋膜炎を発症したのは昨年の秋。
9月からインソールが合わなかったことによる足首捻挫から練習を一時中断したぼくは、11月に大田原マラソンの優待出場が決まっていたので焦ってスピード練習を再開してしまいました。
そして時折気になる踵の内側のピリっとした痛みを、故障が治ったばかりの違和感だとつい思い込んでしまったのです。
11月上旬に1km×7本の変化走を行った後、この痛みは爆発しました。
クールダウンのジョグしている時に足裏が接地すると踵に電撃のような強い痛みが駆け抜け、ぼくはこの痛みは普通ではないことをすぐに理解しました。
これが噂に聞いていた足底筋膜炎の痛み…!
ただぼくの場合は、この後よく聞く起床時の痛みはそれほどでは無かったように感じました。
まだギリギリ、深刻な状態ではなかったのでしょう。
ぼくは大田原マラソンに加えて四国駅伝も控えていましたが、とにかく練習は抑え、レースではファイテンのテーピングでカバーしながらなんとかこなすことができました。
装具の効果について
足裏の故障は偏平足が原因であることが多い事と、そして治療にはインソールがかなり有効な事は何度も書いてきましたが、やはり万能な道具などありません。
硬くサポートが強いタイプのインソールはシューズとの相性も悪かったのか、前述したように故障の原因になってしまったこともありました。
色々なインソールを試したぼくがうまくいったのは痛みが酷い時は ソルボ、アシマルというパターンです。
ヒールにつけるものはそれほど効果を感じませんでしたが、インソールよりはレースシューズに入れやすいという利点はありました。
完全休養が良いとは限らない。
フランク・ショーター(ミュンヘン五輪マラソン金)は足底筋膜炎を”最も治りにくい最悪の故障”に挙げました。
足裏のような末端部分は血流が悪くなりがちな事、また立ちっぱなしの仕事のように日常生活でも負担がかかりやすいこと等が挙げられます。
2012年のマラソン五輪選考会の前に足底筋膜炎を発症したライアン・ホール(全米マラソン&ハーフ最速記録保持者)は、なんとか選考会で2位に入り五輪代表権を獲得、レース後3週間の完全休養をとったものの、足の状態は休む前より悪くなってしまいました。
https://tonireavis.com/2012/06/03/ryan-hall-battling-plantar-fasciitis/
結局ロンドン五輪では途中棄権に終わり、その後も度重なる故障に悩まされ続けました。
故障の場所によっては安静が一番回復に良いことも多いですが、足底筋膜炎にはランニング以外で動かしたりほぐしたりしてあげる方を勧めます。
ぼくはリハビリとして水泳のバタ足、足裏や指を動かす補強トレ、テニスボールを使ったマッサージを頻繁に行いました。
また冷やした方が良いか温めた方が良いかについては意見が分かれているようですが、ぼくは両方していました。
予防には足裏のストレッチを。まだ痛みが強い場合はやり過ぎに注意です。
衝撃波治療
近年、足底筋膜炎に非常に効果的だと言われている「体外衝撃波治療」というものがあります。
足底腱膜炎による痛み…衝撃波治療で緩和も
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20151116-OYTEW52681/
治療を半年以上続けても、十分に痛みがひかない患者には、一部の医療機関で体外衝撃波治療が行われている。整形外科向けに開発された機器で、腎臓や胆のうの結石を砕くのに使われている衝撃波と比べ、力が弱い。衝撃波が、痛みを伝える末梢の神経を壊したり、傷んだ足底腱膜の修復を促したりして、痛みを和らげると考えられている。
しかしまだこの機器を置いている病院はそれほど多くないようです。
厄介な故障から学ぼう
幸いぼくは衝撃波治療に頼ることなく、また少し無茶もしてしまったにも関わらず、特に後遺症らしい症状は残らず通常の練習に復帰することができました。
しかし大田原マラソンの優待出場というチャンス、さらに高知代表として出場する四国駅伝の責任感の中で、本当に不安でいっぱいな状態でした。もうこんな状況はできればカンベンしてもらいたいところです。
一番の反省は、初めの踵内側の違和感を、つい見て見ないフリをしてしまったことでした。
今後はこの経験が活きてくるはずです。足底筋膜炎が厄介な理由は自分自身にもあることを理解し、予防と早期対策を心がけましょう。
まとめ
・完全休養が良いとは限らない
・過信は禁物だが、治療にはやはりインソールが有効
・予兆に気づき、早期対応を
・完治に時間がかかることが多い
・足裏の補強トレ、ストレッチ、マッサージは忘れがち。故障しやすいランナーは予防が大切