まるランニングマガジン

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高知のマラソンランナー・山﨑竹丸が走る事をもっとディープに楽しむ情報を発信していきます。まるランニングクラブ代表

悲願の2時間20分切りへ、神戸マラソン2019レース振り返り。

2度目の神戸マラソンレース振り返り。

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いよいよこの日がやってきた。

調子は最高、神戸マラソンの招待待遇も非常に良く何も心配することはない。

気温が少し上がりそうなのは気がかりだったが、もし悪条件で好順位を狙いやすくなるならそれも良し。

レースが楽しみな気持ちと適度な緊張感で、集中力も高まっていた。自分は今日、どんな走りができるんだろう。

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ウォーミングアップエリアでジョグ。

 

 

レース前の予想

力があるのはもちろん海外招待選手6人、そして日本勢で実績的に抜けているのはGMOの近藤選手と黒崎播磨の坪内選手。もし綺麗なレース展開になれば、この8人が抜け出し、ぼくの集団は2時間20分切りを狙う第2集団になると読んでいた。

 

川内鮮輝くん、坂本さん、クイーンズランド州代表のエイダンさんが最も目標が近いライバルとなる。それに一般参加にダークホースが1人いる可能性。

 

第2集団のキーマンとなるのは、おそらくコモディイイダの金子選手だ。

優勝候補グループと20分切り狙う選手の丁度中間にあたる走力、過去の戦績を聞くと単独走で2時間17分台を出したり非常に堅実な走りを持ち味としている印象。(愛媛マラソンで引っ張ってもらったいまざき選手を思い出す)

 

先頭集団から数名が脱落し、金子選手がペースを作る第2集団で上位をとれれば入賞圏内、というのがぼくの読みだった。

 

 

[スタート-5km]

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まずはケニアの選手が1人飛び出す。

これは昨年もこういう展開があったので想定内だ。

 

2位以降はまだ様子見といった感じ。ぼくは海外招待選手の塊のすぐ後ろについた。

自信はあったので、こんな感じのペースならついていきたい。と思ったのもつかの間、また1人がペースアップして集団は2つに分かれてしまった。

 

気がつくとぼくは第二集団の先頭を引っ張っていた。前の方の位置どりしていたから当然だ。

昨年も序盤は引っ張る展開が多かった。まぁいいけど、これだけのメンバーと集団ならぼく以外の選手が引っ張った方がもっと良いペース、良いリズムになるんじゃない?

 

そう思っていたら、招待選手の金子選手が前に出てくれた。しばらく並んで走る。

6人の海外勢についていった日本勢は近藤選手と坪内選手。

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(DEATH NOTE 7巻 大場つぐみ小畑健/集英社)

 

完全に読み通りの展開。

先頭がドンドン離れていくのは少し悔しい気持ちもあったが、ここは切り替えてこの中で勝負する事にした。

5km通過、16分01秒。よしよし。ナイスペース、と思った。

 

 

[5-10km]

そのうち大学生も前に出てくれて、先頭を引っ張るのは2人にお任せ。

ぼくは前のすぐ後ろのポジションにつける。

 

この位置どりのメリットは、ペース変化に早く対応しやすいこと、給水がとりやすいことなどだ。

一方デメリットは、前が下がれば即先頭を引っ張るポジションになること、前後で挟まれているので自分のリズムでは走りにくいこと、後ろの様子が確認しづらいことが挙げられる。

 

この5kmは16分03秒。ワーオ、初めの5kmで勢いで速く入れるが、次の5km以降はペースが落ちやすいもの。

ここをしっかりイーブンで引っ張れるのは、前をひく金子選手の地力が高い証拠。おそらく次の5kmもこのペースで行けるだろうな。

 

 

[10-15km]

初めの10kmはそれほど身体が楽という感じでも無かったが、こういう時は大体15km付近で気持ち良くなってくる。そうでなければ、このペースはぼくには速過ぎるという事だ。


給水もうまくいっている。日差しはきつく感じるが、建物の陰もそれなりにあったのでそれほど気温による消耗も感じない。

 

綺麗な集団でぼくと同じ位置どりをしているのは、昨年ぼくより一つ前の順位だった小田くん。あまり体調が良くないと聞いており、前日の顔色も良くなさそうだったが、こういう時レース当日にグッとピークが合うのもまたマラソンではよくあること。油断せず行きたい。

 

やはり、少しづつ気分が良くなってきた。この5kmは16分05秒。パーフェクト。

金子選手は隣の大学生にも給水を渡したりしながら走っている。金子くん、ナイスガイ。きっと集団のみんなも走りながら金子くんに対する好感度がアップしていたことだろう。

 

 

[15-20km,HALF]

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レースは極めてスムーズに進み、いよいよ中盤戦へ。

このあたりから、たった今マラソン人生最高のペース、最高の走りをしているにも関わらず、集団に変化が無いということにプレッシャーを感じつつあった。

 

きちんと後ろは確認していなかったが、集団のメンバーはほとんど脱落する気配を見せない。

 

この5km、16分03秒。そして中間地点を67分46秒、前回のゴールドコーストの通過をさらに上回り、ハーフの自己ベストと30秒ほどしか変わらないペースで通過してしまった。

 

明らかなオーバーペースでは?後半の坂での失速を懸念してもおかしくないスピードだったが、調子はとても良かったこと、そしてそれ以上に集団が崩れないことが、自分の走りの基準を引き上げざるをえなかった。

ここでネガティブになっては終わりだ、これが今の自分にとっての適正ペースと思うしかない。

折り返しでウクライナのオレフィレンコ選手が完全に脱落しているのが見えた。先頭がバラついてくれば後半順位を上げれる可能性も高まってくる。

 

[20-25km]

このあたりから、前に位置どりしていた小田くんが前に出てきた。

地元ということもあり、声援も多く応えながら走っている。とても楽しそうで、ぼくもワクワクしてきた。人生最高のペースで来ているんだ、絶対にこのまま押し切る!

 

足の裏が少し疲れを感じてきたのと、モモ裏と腰が張ってきた。

衝撃を受け止めるモモ前はまだ“脚が売り切れそう”な感じは無い。バーベルスクワットもしっかり継続してきたからな。

この5kmは16分13秒と少し落ちたが、まだまだ良いペースだ。沿道から前との差が徐々に縮まっているとの情報も。

 

 

[25-30km]

ここは細かいアップダウンが増える局面。さすがに疲れてきたが、ここをしっかり我慢しないといけない。

 

引き続き引っ張るのは小田くん、まだ前めのポジションをキープ。きちんと周りは確認していないけど、さすがに少しはこぼれる選手も出て集団が絞られてきたと思う。

 

このあたりから集団の後方にいたと思われる大柄な住友の木村選手も何度も視界に入ってくるようになってきた。実業団選手を引退したという情報も見ていたがまだまだ元気そう。またライバルが増えてしまった。

 

この5kmは16分37秒。ここは目に見えるタイムほど悪くないはずだ。次の5kmはオールフラットで広く走りやすい道が続く。

 

 

[30-35km]

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遂に余裕が無くなってきた。ついていくので精一杯だ。

幸いな事に、周りもそこまで余裕は無いのか、後半の坂を考えてかペースが落ちてきて牽制気味。

これならなんとかついていけそう。

心配なのがこのあたりでエネルギー切れが顕著になり突然失速してしまうことだが、給水もしっかりとれていたので、そこまでにはならないような感覚だった。

 

身体を適度に冷やすため序盤から水を手にかけていたせいか、右手の感覚が無くなってきて、腕振りのリズムにズレが生じてくる。ここは無理矢理動かすしかない。

 

ラソンはここから、このペースできて30km過ぎできつくない選手なんていないはずだ、と言いたいところだったが、まだ周りの走りは崩れない。呼吸が荒い選手が1人いるだけ。

ここでぼくが意識したのは今の先頭の真後ろポジションは意地でもキープしたいと思ったことだ。ここで下がれば気持ち的にも負けてしまう。

 

そして35km、真の戦いのゴングが鳴った。この5km16分51秒

 

 

[35-40km、ゴール]

ずっと後方で待機していた鮮輝くんが一気のスパート!ここまで気配を消していたのは不気味だったが、その動きに全く”揺らぎ“が感じない。

さらに驚いたのが他の選手も素早く対応したことだった。

 

まさかここまで他の選手に脚が残っているとは…。

 

かろうじで少し離れていた坂本さんの後ろに食らいつく。木村選手は離れてきたのでまだ追えるかも。

 

遂に最大の難所、神戸大橋に向かう急角度の上り坂が襲いかかる。

覚悟はしていた。疲れた全身に、心肺に、上り坂の負荷が突き刺さる。ぐおおおおお。

 

このあたりから単独走に。なんとか粘りたいがもう身体が動かない。35km手前で先に離れた一般参加の選手が猛追してきてかわされる。くっそー。

 

この後の緩やかな上り坂もこえて、いよいよ最後の勝負だ!

 

40km通過。手元の時計は確認しなかったが、視線に入った電光の時計は2時間11分20秒台をさしている。8分以上かかっても20分は切れる!

 

40kmを過ぎれば、長い下り坂がある。昨年はここで脚にきて全くスピードを上げれなかった反省を活かし、今回は勢いをつけて下る事ができた。

 

後は平地のみ。ラスト1km、これがもうえらい長く感じた。一体どんなペースで走っているんだろう。もうキロ4分まで落ちてるんじゃないのか…?

 

計算間違ってないか?

また今回も、ゴールの目の前に来たら、2時間20分をこえてしまうのではないか…?

 

カーブを曲がり最後の直線、42km地点の看板も見えた。200m直線ってこんなに遠かったっけ。

 

遂にゴール地点の時計が目に入る。2時間18分40…。

あぁ、やった、確実に切ったぞ。

 

ゴールが近づいてくる。51、52…。あれ、これひょっとして18分台間に合うんじゃ?でもどうせいつものパターンなら正式タイムは19分1秒とか2秒に…

深く考える前に、最後の、本当に最後の力を振り絞った。

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正式タイムは2時間18分59秒。この2年半で5度の20分台を出していたぼくだが、一気に18分台へ滑り込み。

 

やったぞ、ぼくは、2時間18分台のマラソンランナーになったんだ。

 

 

神戸マラソン結果

2時間18分59秒(PB・高知県歴代6位タイ、15位)

 

5kmLAP…16:01/16:03/16:05/16:03/16:13/16:37/16:50/17:28/7:38

HALF67:46-71:13

 SORTIE MAGIC LT / ターサーソックス / POLAR M430

 

初のサブ20&サブ19!

高知県記録まで、あと2分26秒

25km-30km-35km-40kmPB

△ジャパン8を逃す…

 

・ 全結果

http://kobe-marathon.net/2019/assets/pdf/news/km2019_top300_men.pdf 

 


【神戸マラソン/KOBE MARATHON2019】2時間8分~2時間30分

 

 

最後に順位のことには触れておかないといけない。

 

昨年より5分タイムを縮めマラソン人生最高の走りができたにも関わらず、35kmで易々と集団から離され15位、日本勢9位で来年の招待枠である”ジャパン8“さえ逃してしまったことには、正直ショックを受けている。

 

この数週間の秋マラソンだけで、非実業団選手の2時間17〜18分台が続出しており、もはやぼくのタイムはその中では”平凡“と言っても差し支えなくなってしまった。

 

ラソンという競技はこの1年で大きく変わった。亀のように記録を伸ばしてきたぼくだが、さすがに歩むペースが遅過ぎて時代にとり残されてしまったのだろうか。

 

ただ、ぼくの目標とする45年間破られていない高知県記録(2:16:33)を狙うには、ライバルが増えて好条件が揃ってきたのも確か。

 

自分を見失うことなく、これからも成長を続けていれば、この大きな波に乗って夢を実現させることができるかもしれない。

 

時代に取り残された頑固者の旅はまだまだ続く。

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Road to Kobe Marathon 2019編 〜完〜

to be continued…

 

 ↓昨年のレース振り返り

www.takemarun.com