まるランニングマガジン

まるランニングマガジン

Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

まるで街中のクロカンレース。シドニーランニングフェスティバル(ハーフ)振り返り。

 シドニーランニングフェスティバル(ハーフマラソン)レース振り返り。

 

f:id:takemaru-yamasaki:20190919161307j:image

ハーフマラソンのスタートは朝6時。前日到着で早起きしなければいけないのはなかなかしんどい所ではあるが、ぼくも早朝スタートのレースは経験を積み、意外と失敗もしてないので、マイナスイメージは少なくなっていた。

 

f:id:takemaru-yamasaki:20190919161226j:image

疲労をとるためにギリギリまで寝たかったので、いつもより遅めの3時起床。コンビニで買ったバナナとヨーグルトに、ホテルの隣のスターバックスで買ったレーズントーストが朝食。

 

ブリッジトゥブリスベンと同じように、先軽くアップジョグをしてから、ユニフォームに着替えて電車でレース会場に移動する作戦にした。4時半頃、まだちゃんと食べ物が消化できてない…

 

f:id:takemaru-yamasaki:20190919160959j:image

荷物は前日に預け、羽織る上着を着ていき、スタート付近に脱いでおくと自動的に寄付されます。

 

トイレもスムーズに行けたし、やはりシードランナーはスタートライン付近で直前までウォーミングアップをする事ができる。オーストラリアのレースのこういう所は本当にありがたい。

 

筋肉に疲労も感じず、タイトな日程の中でもうまく準備できていたように感じていた。

しかし…立ち止まると呼吸に喘息のような症状が出てしまう。体調があまり良くなく、出発前からこのような状態だった。なんとかレースではおさまってほしい。

 

スタート。

まずはメルボルンラソン優勝者のドカント選手が先頭を引っ張る。

地元なのでコースも知っているだろうし、マラソン選手なので急に飛び出したりはせず上手にイーブンペースで引っ張ってくれそうな感じ。

 

しかしやっぱり呼吸に余裕が無い。まだスタートしたばかりだからそのうち落ち着くかな。

 

f:id:takemaru-yamasaki:20190919171829j:image

この大会でしか走れないという名所のハーバーブリッジに突入。周りを見ると日本の選手が4名もいる。予想していたより少し集団の人数が多い。なんかプレッシャーというか、やだなぁ。既にきついと思い始めていたからこう思ったのかもしれない。

 

そして気づいたら折り返しポイントに来ていた。

周りに人がいて綺麗に曲がれないかも。ぼくはとっさに「道路の真ん中のゴムポールが手の高さくらいにあり、それを掴んでバランスをとりながら曲がる」という判断をしたのだが、掴むとそれが予想以上に柔らかく、フニャっとヘコんでしまった。ガクンと体勢を崩すぼく。これでだいぶリズムを崩してしまった。

f:id:takemaru-yamasaki:20190919163907j:image

↑こんなやつ。

 

そこから下りに入りスピードが上がり、先頭集団から少し離れてしまった。

焦りもあったが、まだ勝負どころではないのでまた集団のペースは安定するだろうと判断し、じっくり前を追う。しかしなんとか追いついたがもういっぱいいっぱいになっていた。

5km通過、15分52秒。全然速くない!

15分30秒前後では通過すると思っていたし、実際それくらいの負荷がかかっているように感じていたのであまりの余裕の無さに驚いた。

ここで集団から完全に脱落。


タイムにとらわれて精神的にネガティブになったのは良くなかったかもしれない。しかし実際に他の選手は余裕でついているのに比べて、ぼくはほぼフルパワーで走っているのは確かだった。

 

f:id:takemaru-yamasaki:20190919164752j:image

6km付近のハイドパークの噴水。このあたりはテレビにちょこっと映る場所で、この前で離れてしまったのも残念。

 

そして一人旅になり、本当にシドニーのコースとの戦いが始まった。

 

街中に入り、とにかくカーブが凄い。そして早朝で沿道にほとんど人がおらず、給水地点以外はスタッフもあまりいないので、コースが正しいのか全くわからない。

なんとかコーン等を頼りに、間違えずには行けていたと思うが、集中力を失い後ろの選手にも追いつかれてしまった。一人、また一人と抜かれる。

 

10km地点はわからず。ある程度カーブ、アップダウンを終えると、また折り返し地点がきた。ここでゾロゾロと後ろから来る選手を確認。まだ順位を落としてしまうのか…。また長身の地元選手に抜かれたが、これ以上ズルズル行かないようなんとかここには着いていく事にした。

 

この後なんとまた再度折り返し、路面が変わったり、狭い道に入ったり、段差があったりと、ぼくはどんどん集中力を失っていった。テレビやネットで映像も確認していたけど、まさかここまで変則的なコースだとは。まるでクロカンレースのよう。脚の疲労感も大きい。

 

もう諦めてもいいかなぁという囁きと戦いながらも、なんとかペースが急に上がったりする事も無かったので、このまま後半に突入。正確な順位はわからないが、最低限トップ10は確保したい、と僅かなモチベーションがぼくを動かしていた。

 

ラスト1kmでスパート。幸いこの長身選手は安定したペースではあったけど、あまり切り替えはきかないような走り方をしていたので、難なく突き放すことはできた。ここまで案内してくれたのにゴメンね。

 

そのままフィニッシュ。タイムは1時間11分31秒(10位)。正直、想定していたより遅過ぎるタイムだった。

 

f:id:takemaru-yamasaki:20190919172021j:image

オペラハウス前がフィニッシュ地点

 

走っている時は本当に難しいコースだったけど、前はそれなりのタイムで走っていたし、フルマラソンの部も大会記録を大幅に更新する2時間9分台が出たようだ。

振り返ってみると下りも多く、そこまできつい上り坂は無いし、何より気象条件は絶好だった。しっかり攻略すればそこまでタイムが狙えないコースではないのかもしれない。

 

体調不良で片付けるのは簡単だけど、ブリスベン10kmでもいきなりベストに近い走りができたし、多少しんどくてもいけるんじゃないかと、今の自分の走力を過信していた。

せっかく力がついてきたと思ってきた所で、数年前に退化したような、あまり受け入れたくない結果だった。

 

どこまでも落ちていきそうな中で、トップ10という最低ラインのモチベーションだけは見失わずに走り切れたのは唯一よかった部分。

 

とにかく早い段階でこのモヤモヤを払拭出来る事を願っている。

 

悔しい思いは常にぼくを強くしてくれます。練習あるのみ!!

(↑大迫傑選手のMGC後のコメントまるパクリ)

 

 

シドニーランニングフェスティバル・ハーフ結果

1時間11分31秒(10位)

 

SORTIE MAGIC LT / ターサーソックス / POLAR M430

 

 

[オーストラリア3大マラソンの2つ目を走覇。遠征・大会レポ編に続く。お楽しみに。]

 

 

 ↓今年のゴールドコースト編はこちら。比較するのも面白いですね。

www.takemarun.com