まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

ブリッジ・トゥ・ブリスベン10km振り返り【YOUR CITY, YOUR RACE, YOUR DAY】

ブリッジ・トゥ・ブリスベン10kmレース振り返り。

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海外10kmレースデビュー

一度出てみたかった海外10kmレース。特に豪州ではこのくらいの距離のロードレースがとても人気。

実はこの大会の存在を知ったのは割と直前だったのだけど、ブリスベン最大級の大規模ロードレースで参加者数も約3万人、賞金も1位2000ドル/2位1000ドル/3位500ドルとなかなかで競技レベルも高い。

 

ぼくのような海外レースマニアがなぜ知らなかったのか不思議だが、大会キャッチフレーズ「your city, your race, your day」が示すように国際的レースというよりは地域に密着した大会のようだ。

 

それにしても豪州レースの朝は早い。ウェーブスタート方式でブルーエリートランナーは6時15分スタート。移動でバタバタ疲れていたので少し遅め(と言っても3時半)に起床。

 

そしてこの大会には荷物預かりシステムが無い。幸い予約した安いホテルはスタート地点にとても近く、また外は思ったより街灯が明るかったので、ぼくは10分ほど第1アップをしてから、スタート地点へ向かうという作戦にしてみた。途中でセブンイレブンのコーヒーも購入。意外と目覚めが良く、今日は行ける気がしてきた。

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こちらは冬とはいえ最低気温は10℃ほどなので凍えるほど寒いということはなくユニフォーム姿で手袋もつけなかったけど、やっぱり手先は徐々に冷えてきた。

 

流しもしっかりして、整列は余裕で先頭へ。大規模レースでもこういう所は豪州レースは本当にありがたい。

 

直前にフェイスブックでコメントをくれた、ブリスベン在住のエイダンさんと話しながらスタートを待つ。大学時代に日本語を勉強していたとか。実力も近いので良い目安になりそう。

 

しかし、スタート時間を越えても一向にレースが始まらない。

よく海外レースはアバウトという話も聞くが、有名な国際レースでそんなにスタート時間が何分ズレるなんて早々あるわけがなく(カンボジアではなぜかはスタート時間より少し早く始まったが)、初めてのローカル色の強いレースで、現地らしいレースの雰囲気を味わっているようだった。

 

急に眠気が襲ってくる。ぼくは普段は早起きはそれほど得意でないけど、その割に海外早朝レースの成績は悪くなく、レースになったら行けるという自信を持っていたが、ここで慣れない事をした反動がきたのだろうか。いかんいかん。

 

ボーッとしかかってきた所で、ようやくスタート。

このコース、少し高い位置からスタートするためやや下りが多いコースとなる。特に最初の1kmは予想していた以上の急な下り坂があり、先頭集団からは少し離されてしまった(ぼくでもGPSでの1km通過は2:48!)。

序盤の飛び出しはぼくの苦手とする所。

 

なんとかその前のもう1人ポツンと離れた大柄な選手の後ろにはつくことができた。とにかくこれ以上後ろに下がってしまっては、より上位に行く事は絶対に不可能だ。

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2km付近のトンネルに入るといきなりオペラの演奏が。凄い、と思っていたのも束の間、それから細かいアップダウンやカーブが続く。

ブリスベンの街中はコンパクト。移動してなんとなく雰囲気は掴めていたので驚きはなかったが、コースを案内する人もほとんどいないように見えるのだが、これ途中で迷わないのだろうか?ここらへんは実に海外のローカルレース感全開。

 

とりあえず前の選手についていけばいいか、と思っていたらその選手が間違えちゃった。余計に大回り。前の集団はなんとか見えるけどちょっと差がついてしまった感じだ。賞金圏内はさすがに厳しいか。それ以降はなるべく前の集団を見失わないように走った。

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ゴールドコーストのクラブチームの選手だったらしく、後で画像をいただきました。

 

しかしこの前を引っ張る大柄の選手は非常に安定したペースで走っていて強い。序盤のスピードに苦しんだのもあり上半身が痺れてきた。何度か離されそうになったが、豪州の選手は中距離が得意なタイプが多いはずなので5km過ぎからぼくのターンが来るはず、と思っていたら本当に5km過ぎから引っ張るペースが鈍ってきた。

 

ぼくはここから交代し、自分のペースで前を追うことに決めた。

最初飛ばしていたエイダンさんが落ちてきているのがわかったが、なかなか差が縮まらない。

 

後半は結構きついアップダウンがあったが、さすがに高知のローカルレースほどではないので面食らうというほどのことはなかった。後ろの選手はきつそうだがなかなか離れない。

 

最大の名所、ストーリーブリッジを渡り終え、いよいよラスト1km。

長身ランナーが前に出てきた。くっ、またスパートに屈してしまうのか。まぁでもここまでのレースは悪くなかったからいいかな…。

 

ちょっと諦めモードに入っていたら、後ろからヒタヒタと足音が。

まずい、このままいったらトップ10すら逃してしまう!前の選手を抜くくらいの気持ちでいかないと!人の心身は不思議なもので急に力が湧いてきたような気がした。

 

ぼくは追いつき、再び前に出て、ラストスプリント。ここで前に出さない…‼︎

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前日にゴール地点を見たから大体もうすぐというのはわかった

 

三人の猛烈なスプリント合戦となったが、ぼくは僅かに先着!

 

これは嬉しい。いつもスプリント勝負では負けていたので。最近のスピード練習の成果が出て動いたのかな?どうやら9着だったようだ。

 

またタイムも、オフシーズン明けわずか3週間ほどでほぼベストと変わらない所まで持っていく事ができた。序盤は下りが多くタイムは出やすいとは思うが、街中はアップダウンとカーブが多く決して簡単なコースではなかった。ここ数年で最高の出だしと言えるレースだったと思う。

 

賞金は遠かったけど、晴れ晴れとした気分でレースを終えることができた。

 

しかし…

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なんとぼくは1人には負けた事にされていた。海外のローカルレースでは上位であれ、あくまでチップの計測結果で順位を決める事は珍しい事ではないらしい。

しかし、これは納得がいかない。なんだかレース後の良い気分を奪われたような感覚になった。

 

次こそは、きっちり差をつけて勝ってやる—————————

 

 

公開されている動画、ラストの競り合い見てみてください!

static.marathon-photos.com

 

 

ブリッジ・トゥ・ブリスベン10km結果

31分00秒(10位)

 

☆海外10kmレースデビュー戦

 

SORTIE MAGIC LT / ターサーソックス / POLAR M430

 

 

 

「YOUR CITY, YOUR RACE, YOUR DAY」ブリスベンの穏やかな日常に溶け込める大会

今回はゴールドコースト合宿がメインの目的という事で、バタバタとブリスベンに移動してまでこのレースを走るべきかは悩み、正式にエントリーしたのは約1週間前。

オーストラリアのレースでは直前でもエントリーできるのは当たり前でここも人気大会にも関わらず前日まで申し込みできました。

 

基本的にネットでのエントリーも簡単だったのですが、最前列に並ぶブルーエリートランナーの基準は10km40分。

エントリー時に記録の証明を求められましたものの10km公式記録は無いので、ゴールドコーストラソンの通過タイムでURLリンク貼って申請したらOKでした。

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前日受付の様子。

ここではゼッケンと参加賞のTシャツをもらえました。他にはレース後オレンジとりんごが貰えるのと、ゼッケンを見せると午後3時までトラムとバスが無料(これは便利)になるという特典があります。こういうシンプルさはぼくは好きですね。

 

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前日夕食はシティの日本レストランで5ドル(約360円)の日本式カレーを発見!

カツ付きはややもたれそうな心配もありましたが、格安で日本的なご飯を食べれるのでこれにしときました。

レース当日の胃の調子は良好で、割と豪州の日本式ごはん物はカツか唐揚げがセットになっているものも多いので、食べ過ぎなければ慣れておくといいのかもしれませんね。


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レース後は一旦ホテルに帰り、再びゴール会場のサウスバンクに戻って、出店スペースでまったり。

朝早く10kmレースをサッと楽しく走り終え、残りの時間は家族や友達とブランチを食べたりしながら、ゆったり過ごす参加者の風景がとても心地良かったです。


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レース後は肉を食べよう!という事でぼくはステーキバーガーをチョイス。


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デザートにニュージーランドアイス。こちらの乳製品は濃厚でとってもおいしいですね。 

 

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強い刺激ではないかもしれないけど、穏やかで豊かな休日。

10kmでブリスベンの良さを満喫できる大会を経験できて、本当によかったです。

日本でもこれからこういう大会が増えればいいなと思いました。

 

このままブリスベンの雰囲気に溶け込んでいたかったけど、あくまで今回の真の目的はトレーニング。

観光もそこそこにゴールドコーストに帰りました。

合宿は、これからが本番。

 

www.takemarun.com