まるランニングマガジン

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高知のマラソンランナー・山﨑竹丸が走る事をもっとディープに楽しむ情報を発信していきます。まるランニングクラブ代表

ゴールドコーストマラソン2019振り返り[異例の悪天候、25kmまで高知県記録ペース]

今年もシーズンの締め、そしてサブ2:20追試レース、ゴールドコーストラソン2019振り返り。

 

 

今年は現地についてから異例の雨と暴風に悩まされていた。とにかく天気が安定していて気持ち良いのが魅力なのに、世界的な気候変動がゴールドコーストにも?レース当日はなんとか収まりそうな予報だったが祈るような気持ちだった。


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朝食はスーパーで買った何もつけない硬めのパンX2、ハチミツ入りヨーグルト、バナナ、コーヒー。

 

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今年もHISツアーでの申し込みだったのでホテルマントラサンシティからバスで移動。外はかなり雨が降ってる!ホテルから会場はそれほど遠く無いので自分で行こうかと思ったけど、電車はかなり混んでそうだったので、やはり楽でよかった。

 

ゴールドコーストは今年で6年目、日本ではあまり無い早朝レースで、他にも普段と勝手は違う事はあるが、もうこのルーティーンもかなり慣れ親しんできて、うまく”レースモード“に入ることができるようになった。

 

会場に着くと、いつもどおりツアーグループからひっそり別れて、エリート/シードランナー用ウォームアップエリアに移動。整列もトイレも何も心配することは無い。

ぼくにとってゴールドコーストラソンは最も今の自分の力を発揮しやすいレースになったのだ。

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昨年のように、先にスタートしたハーフのレース映像を見てモチベーションを上げてから、アップジョグへ。雨もほとんど止んでいた。風も明らかにあるが、やはり前日までの暴風よりはだいぶマシになっている。

 

体調はとてもいい、準備は万端、そう思っていたスタート約10分前。なんと突然スコールのような大雨が降ってきた。これは周りのエリートランナーも苦笑いするしかなかった。

エリートとシードランナーはギリギリまでみんなで狭い屋根や木々に集まって束の間の雨宿り。スタート2〜3分前、さすがに整列するよう促されスタートラインへ。

 

かなり濡れてしまったが、それほど気温は低くないし大丈夫、だろうと思いたい。

 

レース開始のピストルが鳴った。やはり今年はレース当日も嵐の幕開けだった。

 

 

前半戦。ハーフを過去最速を大幅に上回るペースで通過。

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とりあえず風が強いので、丁度いい集団を探す。まぁまぁ速いペース。前を引っ張っている2人はペーサーっぽい。おそらく事前に聞いていたハーフ67:30-68:00通過のペーサー。

 

きっと風が強いから少し抑えてくれているのだろう、そのまま結局スローになるかもな、と思いきや5km通過は16分15秒。結構速い。

周りの持ちタイムが近いであろうランナーも離れていく。気づいたら後ろに誰もいない。このまま行くしかないか。

 

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あまり雨に慣れていないゴールドコーストの街、ロードにはかなり水たまりが溜まっていた。いつもこんな感じだったか?また沢山車が縦列駐車されており、どちらも避けるのに少し苦労した。

2019 Gold Coast Marathon Live Stream Replay - YouTube

 

 5-10km、16分04秒。このまま行けばSUB-2:20どころか、2時間15分のペース。

でももう行くと決めたらのなら、数字で臆するんじゃなく、自分の身体に聞いて決めよう。

 

そんなにきつくない、これはいつものマラソンペースの範囲内だ。間違いない。

ぼくの集団にいるのは、現在最強の市民ランナーとして話題になっている桃澤選手、神戸マラソン日本人トップの5位で派遣選手となった塚田選手、オーストラリア10000m記録保持者のセントローレンス、別府大分マラソンで3位になった事があるウェストコット 、昨年競り合った急成長のDジョーンズ、さらに前から落ちてきたモンゴル代表のバトオチル選手も吸収した。

割とよく名前を聞く選手、かつタイム・実績的には格上ばかりで嬉しくなってきた。

 

10-15km、16分09秒。このペース、行けるぞ。

いつものマラソンなら常にスパートしているかのようなペースだが、自分でも信じられないほど絶好調だ。

このまま全部保つほど甘くないとは思うが、今日は本当に2時間17〜18分台は狙えるのではないか。とにかくつける所まで行ってみよう。

 

しかし、折り返してから、この希望に満ち溢れたレース展開は脆くも崩れ去る事になる。

追い風になりペーサーが急激にペースアップを開始したのだ。

 

初めは、追い風なので多少のペースアップを感じるのは仕方ない、我慢していれば慣れる、ここで弱気になって離れたらダメだ、と考えていたが、18kmほどで明らかにキツ過ぎる事に気付く。

 

初めからそういう計画だったのか、近くの選手が煽ったのかはわからないが、1km3分05秒ペースほどまでペースアップしていたと思う。ぼくにとっては10000mレースペース程度まで上がってしまった。

 

周りの選手も速すぎるぞというようなリアクションを示しだし、イーブンペースで行ってほしかった選手達と、ペースアップしたい選手達とで大きな集団が分かれる。完全に脱落していった選手もいた。

 

ぼくはなんとか分かれた後方集団の後ろにつけるが、もう既にいっぱいいっぱい。

15-20kmの通過は15分54秒。予想通り、ぼくのキャパを完全に超える15分台だった。

ハーフ通過はなんと67分53秒、長野のペースを1分以上上回るペースで、2016年にゴールドコーストハーフで18位になった時とほぼ同じタイム。

 

いくら行ける所まで行くと言っても、ここで全ての力まで出し尽くしてしまったらそれはフルマラソンレースではない。ぼくはここからはじぶんのペースでなんとか粘ると決意した。

 

比較的タイムが近かったダン・ジョーンズも離れている。当然他の選手もきついんだ。ぼくも前から少しでも離されないよう、後半巻き返せるよう頑張るしかない。

 

 

後半戦。試練の単独走。

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(Photo by HIS-Yuko san)

 

 しかし前のジョーンズはどんどん離れていった。次第に全く前が見えなくなる。

この時、時計のトラブルがあり5kmラップがわからなかったが、 きつい状態から単独走になりかなりリズムが悪くなったように感じていた(後で見ると16分16秒、思った以上に良いペースをキープできていたようだ)

 

25kmを過ぎると、マラソン特有のイヤーな身体の重みを感じるようになってきた。序盤の雨でお腹が冷えたからか時折腹痛も。

またここまで何度も取り逃がしていた給水がまた失敗(ここまで1度だけ成功)。

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ゴールドコーストラソンでは2時間45分(女子3時間15分)までのランナーは自分用のスペシャルドリンクを設置する事ができるが、ぼくの給水は運悪く1列目のドリンクのやや後ろの方の取りにくい中途半端な位置にあり、30kmまでほとんどまともに取ることができなかった。

 

ゴールドコーストではどうもこの辺で不安を感じる事が多い。精神的にもネガティブになってしまい、走るのを止まりたくなる衝動にかられる事さえあった。

 

この5km17分02秒

17分越えてしまった!これは厳しい。32km付近、一旦スタート会場に戻る声援も多い箇所でまたズルズル失速してしまうのか…。

 

しかしなんだかんだで、もうたったのあと10km。序盤が速かっただけの25kmレースにしたくない。

ここを2時間22分付近でもまとめれたら価値があるマラソンだったと言えるはずだ。

どんな結果になろうと、これまでの練習を無駄にしないためにも、今できるベストを尽くす事だけを考えよう。かなりネガティブに傾きつつあったメンタル状態を切り替える事ができた。

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他にもここからはポシティブになれる要素が増えてきた。

落ちてきたバトオチル選手とは別のモンゴルのランナーをかわして順位アップ。マラソンの、特に苦しい後半では前が見えると元気が出てくるもの。

コース唯一の緩やかな長い坂は、思ったよりきつくなかった。これは余力のバロメーターにもなっている。

 

どんどんリズムに乗ってきた。もしかしたら、まだチャンスが残っているのかもしれない。

この5kmを16分53秒。ペースが上がった!

追い風のおかげか?木々の揺れはそれほど感じないが…このまま折り返しても風を感じなかったら嬉しいな。

 

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前日のルールミーティングでの天気予報。行き16kmが向かい風、折り返して20kmほど追い風、また折り返してラスト5〜6kmは向かい風となる。

 

36km過ぎで折り返し。あぁ、やっぱり、強風が全身を襲う。

急激に身体が重くなってきた。ここからが本当のマラソンだ。

 

明らかに身体が前に進まないというほどの暴風ではなかったが、マラソン後半の疲労も重なり、どれくらいペースが落ちているかわからない。

長野もそうだったが、35kmまではなんだか短くあっという間のように感じた。しかしこの残り数kmがとんでもなくきつく長いのはいつもと変わらない。

 

身体が思うようにコントロールできない。体力の問題なのか、技術(フォーム)の問題なのか、精神力の問題なのか。

喉から手が出るほど欲しい目標が今回も手の届きそうな所にあるにも関わらず、スピードを上げることができない。

 

40km通過、隣にある電光時計に目をやると2時間12分20秒程度。なんと長野とほとんど同じタイム。しかし今回は残り距離は強い向かい風。かなり厳しい、というのが頭をよぎった。

 

そんな時、前から落ちてくる日本の選手の背中が近づいてきたのが見えてきた。

ラソンランナーとして、今できるベストを尽くす、目の前のランナーを抜いて一つでも順位を上げる、そしてその先にタイムもついてくる。

 

ゴールに向かうカーブの手前で前にいたプロランナーの須河選手をかわし、ラスト250mの看板が見える。順位を上げる事でまた最後のパワーも湧いてきた。

もうあとはどうにでもなれ。ゴールまで全力でスプリントするだけだ。

 

フィニッシュラインの時計に表示された数字がハッキリと目で認識できたのは、今回も”2:19:54”くらいだっただろうか。

あぁ、ぼくはこんなに惜しい所まで来ていたのか。フッと力が抜けかけたが、フィニッシュを駆け抜けるまでは戦う気持ちを失わないようにゴールした。

 

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正式タイムは2時間20分09秒。長野で更新した自己記録を僅か5秒下回るタイムだった。これでなんと5度目の2時間20分台。これだけ20分台で走っているランナーも珍しいかもしれない。

 

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またしても20分を目前で切れなかった事についてはもちろん悔しいし、終わった直後は少し感傷的な気持ちにもなった。

 

だがレース展開を考えると、ハーフを67分台通過、25kmまで2時間16分ペースで行けるとは思わなかったし、その後1人で粘って20分切りを狙える所まで粘れるとも思わなかった。

 

確実に強くなっている。まだぼくはもっと遠くに行けるはずだ。

 

20分切りじゃない。40年以上更新されていない高知県記録(2時間16分33秒)の更新。日本、そして世界中のもっと速い選手と一緒に走りたい!もっと先の世界を、この脚で進んで見てみたい。

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陸上中長距離界のリビングレジェンド 、バーナード・ラガト選手のサインと金色の完走メダル。1500mのタイムは現在でも世界歴代2位。

 

ゴールドコーストラソン2019結果

2時間20分09秒(21位)

SORTIE MAGIC LT / ターサーソックス / POLAR M430

☆25km・30km・35km自己ベスト更新

☆25kmまで2時間16分、30kmまで2時間17分ペース 

 

次回は移動&観光編。初めて高知から直で成田に移動したり、電車でブリスベン行ったり、美味しいもの食べたり。お楽しみに。

 

↓昨年のレース振り返り 

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