まるランニングマガジン

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高知のマラソンランナー・山﨑竹丸が走る事をもっとディープに楽しむ情報を発信していきます。まるランニングクラブ代表

あと5秒。長野マラソン振り返り。

長野マラソン振り返り。

 

年明けから香港に行く前日にインフルエンザで倒れたり、東京マラソンに出れなくなったり、久喜で忍者と競り合ったり、胃腸炎で入院したり色々あったが、遂に5ヶ月ぶりにフルマラソンを走る日がやってきた。

 

4度目の正直、今度こそゴールドコーストラソンのエリートエントリー基準となる2時間20分を切りたい。

 

 

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長野マラソンは気候があまり安定しない事が多いらしく、今年も予報では最高20℃を越える予報になっていたが、スタート前の時点では10℃程度で曇り、しかもほぼ無風というこれ以上無い絶好のコンディションとなった。

いつも通り競技場で1時間前からアップスタート。15分ほどジョグ、調子が悪いというほどではないものの、やや身体が重たい感じがした。

 

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レース前、全国でも有名な長野のトップ市民ランナー、牛山選手と初対面。

(牛山さんの詳しい実績はこちら。▷最近、なぜか長野の「おっさんランナー」が速すぎる | 文春オンライン

10000m29分というのはぼくにとっては1kmもついていけるかどうかというスピード)

 

スピードに特化した練習を積んでいるという事で、マラソンなら互角の勝負ができるかもしれないと考えた。

お互い3:15/kmくらいのペースで行くのが理想という事で、展開にもよるが、出来れば一緒に走りましょう、という言葉をかわした。

 

これは馴れ合いではなく、距離の長いレースではとても大事な戦略だ。ぼくが好記録を出した時にはいつも良いライバルの存在があった。特に今回のような先頭が速く、自分と同じくらいのレベルの選手が少ないと予想されるレースではより重要になってくる。 

とはいえ、この時は牛山さんとそこまで噛み合ったレースになるとは予想していなかったが。

 

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[Start-5km]

 

レーススタート!

1km3分05秒くらいのペースで行く大きな集団、ここに無理に着くのは辛いと思っていたが、序盤から丁度良い集団が形成された。これはとてもラッキー。

序盤はコースの中ではアップダウンが多い所で、実際走ってみるとダラダラした坂と急な短い坂もあった。5km通過は16分16秒と理想的なペースだったが思ったより少しきつく感じた。

 

[5-10km]

 

噂に聞いていた長い石畳の道を通過する。これが路面が硬いうえにかなり長い下りになっており、ダメージが蓄積されそうにも思ったが、この段階ではあまり深く考えないようにした。

警視庁の選手がずっと引っ張ってくれ、この5kmが16分14秒。多少速いかなと思いつつも、下りが多かったためタイムだけで判断するのも良くないと考えた。

 

[10-15km]

 

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少しペースに不快感を感じつつも、速いペースを維持しているためか1kmが短く感じていた。これは嬉しい所。

集団は4人に絞られ、ずっとこれが続く事になる。

 

スペシャルドリンク(優待選手の特権の一つ)も集団が少ないのもあり難なくとれていたが、飲むと少しお腹や呼吸が苦しくなった。

曇りで体感気温が低いためか身体がそれほど水分を欲してなかったが、気温が上がる予報と、いつ失敗しても良いようにという気持ちから必ず摂るようにしていた。

この5kmは16分22秒。 

 

 

[15-20km]


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 チェックポイントの一つとも言えるMウェーブを通過。特に序盤は目まぐるしく色んな所を巡るのがこの長野マラソンの魅力の一つなのだと思うが、ぼくは少しカーブの多さや変化にきつさを感じはじめていた。

調子のバロメーターの一つである左の腕振りも少し硬く、今日の万全に仕上げてきたはずなのにあまり調子が良いと感じなかった。久喜ハーフの時の方が身体の動きが良い。

 

想定していたより気温が低く温まらないせいなのか、単に自分にとってペースが速いだけなのか…もしかして3週前の入院の影響があるのではというのもつい頭に浮かんでしまった。

この5kmは16分30秒。ややペースが落ちたがあまり余裕が無い。心理的に苦しい局面になった。
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[20km-HALF-25km]

 

中間点を68分56秒で通過。良いペースだが、同じくらいのタイムで通過した神戸の時と比べて楽になる場面がほとんど無い。

警視庁の選手は淡々と、しかし時折ペースを上げたりしながら前を引っ張っており、牛山さんともう一人一緒に走っている選手も楽そうに見えたのもプレッシャーに感じた。

 

このまま行っても30kmから力を使い果たして失速してしまうのではないか…マラソン特有の、身体のガソリンが無くなっていく恐怖を感じながら走る。

ただこのあたりから、前の選手も少しづつ先頭集団からこぼれ落ちてきた。なんとか順位でもモチベーションを上げながら走っていきたい。

 

20-25kmは16分14秒。どうやらきつく感じたのは単純にペースアップも影響していたようだ。

ぼくにとっては最大の危機を乗り越えた。

 

 

[25-30km]

 

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あまり景色の変わらない河川敷中心の道に切り替わる。

穏やかな景色や応援に気分が良くなり、この日は風も無かったのでとても快適に感じた。

いつものホームグラウンド(国分川河川敷)に近い風景でリフレッシュできたのかもしれない。

 

この5kmは16分30秒。30km通過1時間38分07秒は間違いなく今までの最高タイムを上回っている。警視庁の選手が自分のスペシャルドリンクを取り損ねてしまったので、自分のものを渡した。ここまで良いペースで来れたのは全てこの方のおかげだ。これくらいのことしかできないけど、本当にありがとうございました。

 

もちろん、景色でリフレッシュできたからと言って、ここまで来て楽なわけがない。本当の勝負の始まりだ!

 

 

[30-35km]

 

きついけど、ここからはしんどくて当たり前、しっかり耐えて勝負しろ、何本も走ったハーフマラソンの後半と同じだ、などと自分に言い聞かせて走った。

 

疲れる時に出る上体の横ブレを感じてきた。ハッキリそれがわかったのは、ここまで良い走りができていたという事かもしれないが。

 

警視庁の選手も若干疲れが出てフォームが崩れてきたようにも感じたが、前から落ちてくる選手が近づいてきてからまたペースアップ。32km付近で遂に離されてしまう。さすがに強い。ここまでほぼ自分だけで引っ張ってきただけはあると思った。(ひょっとしてぼくの給水もきいてきたのかな?)

 

牛山さんも一緒に離れ、そこにはなんとか食いついていく。牛山さんはどのくらい余力があるのかわからないがまだまだ良いリズムで走っている。

 

この辺まで来ると、エネルギーの枯渇、水分の損失、筋肉の損傷等がいよいよ本格的な疲労感を引き起こすため、体感ペースが変わってくる。

頑張って走っているのにキロ4分ペースまで落ちてる、なんていう事も珍しくはないので、どのくらいのペースで走っているか35km地点のタイムを見るまでわからない運試しのように感じていた。

 

35km手前の給水を摂るとまた息が少し苦しくなり、ここで牛山さんから離されてしまった。

 

この5kmの通過は…16分47秒!ゴールドコーストの時とほとんど変わらない。

この勢いなら、行ける!元気が湧いてきた。

 

 

[35-40km-GOAL]

 

 きついがまだ身体は動く。落ちてくる選手もいるし、牛山さんも見える。ここからは順位を上げていけば自然とタイムもついてくるはずだ。

 

しかし37kmくらいからさすがにずっと続く河川敷に少し集中力が切れてしまったのか、ペースが落ちてきたのを感じた。牛山さんとも距離が開いている。

 

なんとか前からこぼれた選手を追い抜いて集中力を維持するようにした(後でわかったのだがPB2時間11分台の濱崎選手だった)。

 

河川敷を越えると、唯一前日下見した、ゴールの南運動公園に続くまっすぐな直線。あと3km!

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40km通過、ゴールドコーストの時に心が折れたのを反省に、ここのタイムを気にし過ぎないようにと時計を見なかったが、どちらにせよ電光掲示板のタイムが見えた。2時間12分20秒くらい、残り2.195kmを7分40秒切れば行ける、そんなに余裕は無いけど十分可能なタイムのはずだ。

 

濱崎選手には抜き返されてしまい、もうここはただただきつい。やっと最後の芝グラウンドに向かうカーブへ。

42kmの看板が見えた。残りもう少し、力が湧いてきて脚の動きが明らかに切り替わった。

なんと一度離された牛山さんに追いつき、抜き去ることができた。

しかし競技場に入ると芝生のグラウンド、思ったより芝が深く、そして運動会の短距離走のような急な角度でコーナーを周るため、かなり走りにくい。

 

タイムは…どうだ!?歓喜の瞬間が訪れるのか…一瞬2017年の愛媛マラソンで初めて21分を切った時の嬉しさが甦ってきた。

目に入った電光掲示板のタイムは…

 

“2時間19分54、55…”

 

あっ、ダメだ…。

 

またこの数秒で今度は今年の丸亀ハーフで自己ベストに届かなかった場面に記憶が切り替わる。

 

嫌な記憶を振り払うように、また現実を拒否するように、ぼくはスピードを落とさず出し切ってゴールした。

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正式な結果は、2時間20分04秒

自己ベストは26秒更新したものの、4度目の2時間20分台となってしまった。 

 

ぼくは倒れこみ、言葉にならないような叫び声をあげ、地面を叩いた。

 

そしてその後ベンチに座り込み涙を流してしまった。

 

こんな事は5年前、初めて海外マラソンに挑戦して失敗したゴールドコースト以来だ。(2年半前、台北ハーフで初めて2位になった時は初めて嬉しくて涙が出た。できればこうあってほしかった)

 

なぜこんなにも悔しかったのか。

 

いつも大事な所であと一歩届かない自分への絶望感、この先もずっと夢は叶えれないかもしれないという無力感に、ただどうしようもなく悲しい気持ちになっていたのだと思う。

 

ほんの少ーしだけ、“もう十分がんばったかな、もう諦めようかな”、といった気持ちが頭をよぎった。

でもただ今の生活が好きだし、楽しい。身体はあまりタフとは言えないかもしれないが、脚は元気だ。まだまだやりたいことはあるし、もっと好きになれるし楽しいことが待っているはず。

 

前もそうだったのだが、しばらく泣いたらスッキリして我に返り、ちょっぴり恥ずかしくなってくる。またくだらない事を考えてしまった。

 

ゴールドコーストでもう一丁!

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長野マラソン結果

 

2時間20分04秒(PB・16位)NET2:20:01

 

5kmLAP…16:16/16:14/16:22/16:29/16:14/16:30/16:47/17:25/7:42

 

SORTIE MAGIC LT / ターサーソックス / POLAR M430

 

 

▷平成最後の長野マラソン | 信州最速プロジェクト

 

次回は、優待選手として出場とした長野マラソンの舞台裏を紹介していきます。

 

↓昨年のゴールドコーストラソン振り返り

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