まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

第40回記念・ゴールドコーストマラソン2018振り返り[掴みかけた夢]

今年もシーズン締めのレース、ゴールドコーストラソン振り返り。

 

 

レース前

 

ルームメイトのまるRCメンバーの人はハーフの部だったので一旦2時45分に起きてから、約1時間後に起床して朝食。ベーグル、ヨーグルト、バナナ1本と昨日残りを少し、ディカフェコーヒー。

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ここまで特に早朝対策の練習はしていないが、目覚めの気分は悪くない。目を閉じると眠りそうになるけど。

その後着替えやトイレ等済まして、5時10分にツアーバスで移動。エリート&シード選手用待機場所へへ。

 

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エリートエリアにはマフィンや水、スポーツドリンクが用意されている。東京エリートの部に雰囲気は近いけど、さらに待遇は良い。ぼくのようなレベルのランナーにとっては破格の扱いだ。

6時スタートのハーフの部の映像が流れており、それを見てテンションを高めてからウォーミングアップスタート。いつもより少し短めの16分ジョグ&流しを数本。今年は最低気温15℃ほど、例年より日差しは弱いが曇り気味で湿度が高く走るとすぐ汗が出てくる。

 

その後スタートラインに着くまで、整列もトイレも何も心配することはない。

今回は絶対結果が欲しいレース。2〜3時間前はかなり緊張もしていたが、準備万端で直前になるとだいぶ落ち着いていた。

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[スタート~5km]

 

レーススタート!


今回は冷静なポジショニングを心がける。まずやる事は2時間16分ペースのペースメーカーを探す事だったが、どこにいるか全くわからない。

自然に7〜8人ほどの後方集団が形成されていた。積極的に引っ張ってくれる人もいるので、じっくり着かせてもらう。

どのくらいのペースで行ってるんだろう?5km通過は16分31秒。極めて平凡なペース。ひょっとして16分前半くらいで走ってないかなと思ってたけど甘かった。結局2時間16分のペースメーカーも謎。まぁいいや。

今回の一番の目標はなんとしても2時間20分を切り、来年エリートアスリートとしての出場権を獲得することだ。

 

[5-10km]

 

集団のリズムはいいが、困ったことがあった。

前にいるエイダンという選手の給水のスペシャルドリンクをとるのが下手過ぎてとにかく危ない。急ストップするようにペースを落としてとるので近くのテーブルのランナーはぶつかりそうになってしまう。最初の給水でまず1人転倒(涙)。ぼくも混雑で失敗。

 

次の10kmの給水も接触しそうになり、危うく転びかけたがなんとか踏み止まる。ブレーキをかけ踏ん張った太モモと股関節にピーンと強い痛み!グハッ、このダメージが尾を引かなければいいが。

 

この5kmの通過は16分35秒。前のランナーはちょっと遅くなったらペースアップして帳尻を合わせてくれる。この揺さぶりはそれほど不快ではなく、引き続き良いリズムで集団は進んでいった。

 

[10-15km]

 

周りを見るとヴェイパーフライ率が高い。前日の夜の雨で路面が濡れていたためか”キュッキュッ“と音がする。

やはりヴェイパーフライはすべりやすい?あとゴールドコーストの道路は普段雨がほとんど降らないので日本の路面より滑りやすくなっているかもしれない。

それがどれだけ走りに影響するかはぼくの知るところではないが。

先頭を走っている40歳のベテランランナー、クリニティさんはターサージール。昨年ベルリンで2時間17分台をだした実力者で、なぜかずっと片手にジェルを持っているがガンガン引っ張ってくれる。ありがたい。

この5kmの通過は16分30秒

 

[15-20km、HALF]

 

やや細かいペース変化する事が多くなり、急カーブのペースアップは少ししんどい。一緒のグループにいた台湾代表のオリンピアン張選手(ぎふハーフでも競り合った)は、グループをうまく使いつつも、細かい揺さぶりにはあまり反応していない。勉強になる動きだ。

 

3回目のスペシャルドリンクは慎重に集団の後方から行き、ようやくキャッチ!

嬉しくて元気が出てきたぞ。

 

集団は8人。前を引っ張る2人のランナー、後方でいぶし銀の走りを見せる張さん、他の選手もまだ余裕がありそう。

 

このメンバーに連れていってもらえれば、確実に20分切れる…!!!

 

ぼくの今までの経験からくる勘がそう言っていた。テンションが最高に上がってくる。

まだイケる。今日は絶対に20分を切って泣くんだ。

 

15-20kmは16分25秒とペースアップ。ハーフ通過は1時間9分44秒といつもよりやや遅めだったが、おかやまでビルドアップできた経験もあるので全く不安は無かった。

すれ違いでは川内優輝選手が遅れているのが見えた。暑いレースが続きあまり調子が上がってないのは聞いていた。

 

[20-25km]

 

貯金がそんなに無くてもいい、このまま淡々とレースが進めばいいんだ。

あとハーフ1時間9分台でもう一回走ればいいだけ。まだぼくにはおかやまの30-35km16分一桁でカバーするカード(スパート力)を残していると信じて走った。

この5kmは16分34秒。いつも脚が弱ってくるサーファーズパラダイス中心部の大きなマクドナルドの看板も元気にクリア。いい感じだ。

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[25-30km]

 

若干きつくなってきた。

 クリニティさんは「アップフロント!(前に行け)」と煽ってくるが、あまり余裕はなくすぐに後退。ずっと引っ張ってもらってるのにごめんなさいm(_ _)m

やっぱりいつも失速している30km付近になると、心理的なものだろうか、脚が恐怖を思い出すように重たくなってくるような気がする。


いよいよ前からこぼれてくる招待選手もボチボチ見えてきた。みんなきつくなってくる所か。

 パワフルに引っ張りまくるクリニティさんとニュージーランドユニフォームのニック選手は観客の声援に応えたり、手で煽ったりしながら元気元気。

 

25-30km通過は…16分09秒!!

なんと知らぬ間にカードを切ってしまっていた。確かにきつかったがこれほどペースアップしていたとは。これが吉と出るか凶と出るか…

 

いつのまにか給水が下手なエイダンと、声援の多かったチャーリー、デイブが脱落して集団は5人になっていた。

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[30-35km]

 

ガンガン前を引っ張る2人は給水と一緒にさらにペースアップ。ぼくはそれを見送る。

予想してなかったペースアップに気持ちでつい引いてしまった部分もあった。

 

張さんとDJという名の大柄な選手の3人のグループが形成される。

前の2人のすぐ後ろについていたぼくが前を引っ張る形に。ペースが落ちないか不安だったけど、それほどリズムは悪くないようだ。

 

今まで失速していた30km以降の景色を気持ちよく走っている。やっと、ようやく海外マラソンで、大好きなゴールドコーストで自分の思い通りの走りができている。

一旦スタート地点に戻り、声援も増えてくる所。今年はまだ元気な足取りで戻ってこれて嬉しい。

 

この5kmは16分37秒。重要なポイントを持ち堪えた!これで20分切りに向けてほぼ1分の貯金。この勢いなら絶対に20分切り行ける。

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[35-40km、GOAL]

 

 さすがにここはかなりきつくなってきた。

DJに先頭を任したりしていたが、どのくらいのペースで行っているかはよくわからない。

37〜38km付近、遂に張さんが動いた。ロングスパートで最後の追い込みをしてきた。

しばらく耐えていたが、ここで2人から離される。ここまで良い走りが出来ていた油断もあったような気がしていた。

40kmのタイムは…だいたい2時間12分50秒。この5km17分25秒、今度は予想以上のペースダウン。

ダメだ、ぼくの最速のラスト2.195kmで7分18秒。今の余裕度では絶対に無理。

 

最後のスペシャルドリンクを摂り、せめてこぼれ落ちてくる前の実業団選手達を追って残る力を振り絞った。

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タイムは2時間20分44秒

ラスト2.195kmで一つ順位は上げたが7分51秒かかり、ベスト記録(2:20:30)にも届かなかった。

今度こそなんとしても20分切りという気持ちで挑んだが、その分35km通過の気の緩みと、40kmの諦めに繋がってしまった。
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ただ精神論だけで片付けることはできないけど、マラソンは奥が深いスポーツ。

後半のリズム、そこに至るまでの展開、コースや気象条件、心理的な要素と総合的に考えなければいけない。

あと一歩の所で20分切りと自己新を逃してしまった事。この痛い経験を次のマラソンに活かしたい。

これで17回目のフルマラソン完走。まだまだ学ぶ事が多過ぎる。

 

良かった部分としては、やっと4回目のゴールドコーストラソンで自分のベストに近い走りをきちんと出来たこと。ゴールドコーストラソンの最高タイムは2015年の2時間27分45秒。7分もコースベストを更新することができた。

4年前、初めての海外マラソン挑戦はワースト記録の2時間54分に終わり、自分は海外マラソンで結果は出せないのかという葛藤と闘いながらようやくここまで持ってこれた。

 

ここまで来たら、まだまだチャレンジしてさらに殻を破っていきたい。海外マラソンで本当に自分の夢を叶えたい。

今回見事3度目の優勝を果たしたしたケネス・ムンガラ選手は今年45歳。亀のような歩みで成長しているぼくにとって、遅すぎることはないはずだ。

 

“現状打破”は、いつも自分の目の前にある。

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ゴールドコーストラソン2018結果

 

2時間20分44秒(23位)

(5kmLAP)16:31/16:35/16:30/16:25/16:34/16:09/16:37/17:25/7:51 

 

 SORTIE MAGIC LT  // ターサーソックス /スント SPARTAN TRAINER

 

🏆海外マラソンで3rdベスト

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充実の観光編、まるRCゴールドコーストツアーDXもお楽しみに!

 

 ↓昨年のレース振り返り

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