まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

大苦戦!高新ロードレース振り返り【3年振り3度目の優勝】

 地元の高新ロードレース(10km)走ってきました。

 

高知新聞の冠がつく大会で、社会人ランナーが出場できる大会としては、高新駅伝や市町村対抗駅伝、そして龍馬マラソンと並んでかなり大きく報道される高知では注目の大会。
ただ今年から街中を走るコースではなく、いつも練習で走っている東部周回コースに。

ちょっと華やかさには欠けるものの、家から5〜6km程度の場所で、ホーム中のホームといってもいいコース。大会に出てないまるRCメンバーや両親も応援に来てくれた。

 

さらに、今回は選手宣誓まで任されることに。

こういうのは前回優勝者とかだと思うんだけど。ぼく、昨年出てないのに。
なかなか「NO!」とは言えない性格なので引き受けさせていただきました。

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「山崎たける選手」とアナウンスされる先制パンチを浴びつつもも、なんとか動揺せず、噛まずに大役を果たすことができた。

 

あー、緊張した。ぶっちゃけ、レースはなんとかなるだろう。

優勝したおかやまマラソンから2週間。スイーツを食べたり、急にヒザが痛くなったり、スイーツを食べたりしながらとりあえずゴロゴロしていた。

スピード練習は金曜に1km1本のみ。でも普通に走ってたら気づいたら独走になってるはずだ。

 

すぐ調子に乗るのがぼくの悪いクセ。レースは、想像したより遥かに厳しいものになった。

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スタートして1km過ぎて、もう既にきつい。
やはりスピード練習不足が影響しているのか、心肺に余裕が全く無い。序盤から苦痛に顔を歪めて走るぼく。

これははじめての経験ではない。大田原マラソンの約2週間後に出場した一昨年の高新ロードも同じような感じだった(結果は31分55秒で4位)

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しかしぼくはマラソンランナー。5000mや駅伝を中心に走っているランナーは5kmから一気にペースダウンするはずだ。終盤は、楽なレースになるはず。

 

しかし1周目の5kmを過ぎても集団は思ったよりバラけない。苦しい。

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しかも先導車はぼくが前を走ろうが後ろを走ろうが関係無く、「先頭は昨年優勝者の山崎竹丸選手」を連呼。ぼく、昨年出てないのに。

なんだか前に出ないと他の選手に申し訳ない。いつのまにか色々と追い詰められてきた。

「先頭は昨年優勝のたけざき選手」。もうやめてくれ!

 

ラスト3km、このまま普通に走って独走はもうありえない。ぼくは意を決して勝負のロングスパートを仕掛けることにした。

 

これでさすがに集団はぼくも含めて3人に。だがぴったりついてきており、相手の余裕度はわからない。

最後の上り坂がある所でグッとペースアップ。しかし離れない。

「離れるなー!絶対勝てる!前、余裕無いぞー!」との声援が聞こえてきた。はい、そのとおりです。

さすがにここでラストで競り負ける事をもう覚悟した。

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 残り1.5km、苦しさが限界に達し、一気に身体全体が重たくなってきた。

もうダメだ。スピードを緩め、一か八かラスト勝負に賭けようかな。

 

いや待て、そんな駆け引きしても自分の持ち味は活かせないし、後ろも気持ち的に元気になり、絶対負ける。

今のロングスパートで全力を尽くして、もし離れなかったらただ相手の方が強かったというだけの事だ。

ぼくは自分が潰れるまで手を緩めない事に決めた。

すると残り1km手前になった所、ついに後ろが少しづつ離れてきたのがわかった。

ここを逃すぼくではない。ライバルが弱みを見せたら、躊躇無く行く。今まで散々県外、時には海外レースまで行き授業料を払ってきたのだ。ここまで来て県内レースで負けるわけにはいかない。


ほぼ勝ちを確信、と思いきやラスト500mで足音が大きくなってきたような…。

 

えーい、うっとおしい。最後までなんてしんどいレースなんだ。ぼくは後ろを振り返るのはニガテ。

こういう時は、相手も追っていてしんどいから、相手が諦めるまで自分もダッシュするんだよ。

ゴールもどこかよくわからなかったが、やっとテープが見えてきた。よし!
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タイムは31分07秒。10kmロードのほぼベストタイム。本当に苦しい戦いだったけど、マラソン2週間後でこのタイムが出せたことは大きな進歩だ。これも冬に向けてかなり良質なスピード練習になったと思う。

 

正直走る前は、”練習の一環で出るレース、万全ではないから負けてもいい“と思っていたのだけど、いざレースが始まると絶対負けたくなくなかった。


今まで負けてばかりだったけど、優勝を知り、応援してくれる人も増え、より勝負に対してハングリーになっている自分に気づいたのだ。

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トップ選手とは比べ物にならないけど、川内優輝さんがどんなレースでも凄い走りを見せるのは、きっとこういう部分もあるのではないだろうか。

周りの期待もあるけど、何より自分に対してより高いレベルを要求せずにはいられなくなる。これもなかなか大変だ。

 

一応これで脱藩マラソンから3連勝。これがずっと続くとは思わないけど、とりあえず台北まで勝ち続けたいと思っている。

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(ホームレースという事で写真も沢山いただきました。応援、サポートして下さった皆さん本当にありがとうございましたm(__)m) 

高新ロードレース結果

31分07秒(1位)

 SORTIE MAGIC LT  //プロパッドRソックスPOLAR M400 HR

 

🏆3年振り3度目の優勝

 

NEXT RACE…湘南国際マラソンハーフマラソンエリートの部