まるランニングマガジン

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Takemaru Yamasaki マラソンランナー&プロランニングコーチ

第71回びわ湖毎日マラソン振り返り[リオ五輪選考レース兼第100回日本選手権マラソン]

三度目のびわ湖毎日マラソンを振り返っていきます。
 
 
 

~移動編~

 
前日の朝、今回はJRで移動。
高知→岡山→新大阪→大津。
だいたい予定通り快適に行けましたが、それでも16時の受付完了時刻まであまり余裕がなく、急いで会場の琵琶湖ホテルへ。
受付会場の琵琶湖ホテルに到着すると、いきなりビックレースらしい場面に遭遇。今回は一般参加のため受付を済ませて足早に去っていく川内優輝選手、それを一生懸命追いかける報道陣とエスカレーターですれ違いました。人気者は本当に大変!
 
 
歓迎の夕べ
 
ゾスト選手と2年振りの再会。やはりレース当日の暑さは気にしていたようでした。
 
ペースメーカーのコスゲイ選手と。ベストタイムは2時間6分台!「明日は速いペースで行くよ!」とやる気満々でした。
 
わざわざ一般参加でエントリーしてきたチーム・オーストラリアの方々に遭遇。地方ランナーとしては共感する部分もあります。エース格のアダムス選手はメルボルンで練習しているそうです。やっぱりオージーは気さくで楽しいですね。
 
やはり夕食ではパスタが人気。海外の選手はカーボローディングに集中するために具抜きをオーダーをしている人もいました。
 
ステーキは我慢しました。少しくらいなら大丈夫かとは思いますが、胃にもたれるものがレース中暴れたらゲームオーバーです。
 
 
しかしスイーツの誘惑にはアッサリ完敗。クリーム系は残るので注意ですね…
まぁ何事もほどほどが大切です。


3年振りに戻ってきましたが、会場には多くのマスコミや政治関係者も集まり、やはり他のマラソン大会とは一味も二味も雰囲気が違います。
 
ホテルに戻り、ゼッケンとスペシャルドリンクの準備


エリートランナー向け大会といえば専用のスペシャルドリンク。ぼくが準備したのはMUSASHIとパワージェル。水を購入し作成に取りかかります。
 
昼スタートなので、そこまで急いで準備しなくていいのはノロマなぼくにはありがたいところ。
ただ予報では気温が20度近くまで上がるというのはかなり気になる…
 
なんにせよ自分のコンディションには不安要素は無く、心身共に良い状態で眠りにつけました。
 
 
 

~レース当日編~

 
7:00 起床。

7:30 ホテルの朝食へ。一応お気に入りの餅も持ってきたものの、ホテルの予約が普通に朝食付きだったので手間と貧乏性が上回ってこっちに。

朝はパンとバナナとヨーグルト。これもぼくの定番の朝食の一つ(ぼくは朝はパンの場合は先にヨーグルトを食べないと口がパサパサして食べれない)。

9:00 スペシャルドリンクを置きにいき、一度スタートの皇子山陸上競技場へ(大会側が指定したホテルなので競技場行きのバスがある)

ホテルに戻ってしっかり準備し、10:30に再び出発。

11:25 アップ開始。やはり結構暑い。いつもどおり20分ほどジョギング。気温が高い時は短めにしていた時もあったけどあまり効果が感じられなかったので。外国人選手も結構沢山走ってた。

なぜかアップ後に右脚の付け根が激痛。あれれ?

12:15 レース15分前。スタートラインに並ぶ。
前にいるトップ選手を眺める。…やはり日本人はふくらはぎ太過ぎだな。

12:30 スタート!
結構速く感じる。付け根の痛みは消えていた。

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スタート-5km やはり少し速かった模様。比較的早く丁度良いペースの集団が形成され、そこに乗っかって走る。ここまでは過去2回と同じ。5km通過は16:20。丁度良い。

5-10km 給水で集団がバラける。ぼくは見つけれなくてゼネラルドリンクへ。
この流れでぼくが集団の前を引っ張る感じに。
序盤は集団についていくつもりだったけど、自分のリズムで走ってもペースは落ちてないようなのでこのまま行くことにする。この5kmも16:20くらい。

10-15km 軽く前に進む。今日はかなり調子良いんじゃないか?
大量に汗が出ているが、目に入っても痛くない。昨年名古屋で脱水症状を起こした時は塩分の濃い汗が出ていて目が痛かった。ウォーターローディングがうまくいったのだと思う。
でも調子に乗り過ぎると後半何が起こるかわからない。ノリでペースの上げ下げしないように気をつける。

15-20km  15km手前で腹痛発生。それでも16kmの給水はきっちり摂る。
かなりきついけど、ちょっと我慢したら収まるだろう。ここは他の選手に前を交代してもらう。
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20-25km  少しペースが落ち、中間地点を1時間9分30秒台で通過。まずまずのペースだ。
腹痛も収まり、ここらへんで再び前に出る。
しかし折り返し地点を直角に曲がってしまい、その時に右足親指の皮が破れたのがわかった。
最後まで保つかなコレ…。この5kmは16分46秒。序盤の勢いが少し落ちてきた。

25-30km ここで向かい風がかなり強くなる。
脚も徐々に重たくなってきてペースダウン。結構きつい。
唯一の大きいアップダウンである平津峠もあり、周りの選手もなかなか引っ張りきれずこの5kmが始めての17分台。
これはまずい。25kmから落ちたゴールドコーストと同じパターンになるかも…。
さらに皮が破れたダメージもやってくる。なんとか収まってくれー。
暑さについては、途中のスポンジでだいぶ助けられていた。

今回のテーマは30-35kmのペースを保つことだった

30-35km  いつもなら30kmから集団がバラけ、自分も単独走で失速しながらゴール、といったところ。
”ここを35kmまでズラせればそのままの勢いでイケるんじゃないか?”と考えたのがレース数日前のこと。

いつの間にか大きなグループも5~6人ほどとなっていた。
集団には元気な選手もいて、とにかくタイムは気にせず、ここの最後尾に喰らいつく!
 
もがき苦しんでいたら、周りの選手も離れていきいつの間にか集団はぼくを合わせて二人に。そしてこの5kmのタイムを見て仰天。
16分50秒!マラソンで始めてここから16分台に上がった!
 
35-40km  20km以降は少し落としたけど、作戦は成功。あとはとにかく残りの距離を粘るだけ。
前から有名な実業団チームの選手がドンドンこぼれてきて、タイムと同時に順位の期待も膨らむ。
 
が、やはりそう計算どおりにはいかないのがマラソン。
 
完全に気が抜けてしまったぼくは前に離され、さらにさっき引き離したはずの選手達にまた追い抜かれてしまうことに。
 
ここからの1kmは本当に長い長い。5km通過が18分17秒。これは落としすぎ。
今回はややGPSのズレが大きく、今どれくらいのペースでゴールタイムがどれくらいになるのかもよくわからなくなってきた。
自己記録は更新できるのか…できても数秒更新というのは避けたい。
 
40km-GOAL  まだ脚は完全に死んでいないというのを感じながらも、1kmがあまりにも長く、ラスト2.195kmでスパートという気持ちにはなれない。
 
気づけば目の前にはテレビで見た自己記録が2時間9〜10分台の選手が何人もいる。
ここからは離されたくない!振り返ってみると競り合ったら抜くのは無理という 壁を作っていたかも でも競技場ではとにかく必死にスパート。
結局ぼくは4〜5人の集団の一番後ろでレースを終えたものの、自己記録を33秒更新し初の22分台に突入。ラスト2.195kmは今までで最速の7分48秒だった。
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久しぶりに全力で競技に集中し、気持ちよく力を出し切れたマラソン。

こんな感じでした。

レース中も、もちろんすごーくきつかったんですが、ここで戦える喜びを感じながら楽しく走れました。

やっと競争に飢えたエリートマラソンの世界に戻ってこれました。

これで心置き無く、次の目標に向かって走り出すことができます。
 
昨年や一昨年も色々あったけど、またマラソンの道に迷ったら大好きなびわ湖のコースに戻ってきたいと思います。
 
最後に、このような素晴らしい大会を長年継続してくださっている関係者やボランティアの方々、沿道やテレビで応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました!


-Photo by Kawaguchi
 
アウチ!折り返し地点のカーブで失敗して皮がビリっと。なんとか保ってくれました。
 
 
 
 

~レース後観光編~


はじめての大津プリンスホテル
過去2回は経費削減のためその日に急いで帰っていましたが、今回はせっかくだから大津プリンスホテルでもう一泊して、そのまま京都観光(大津駅から電車で10分!)もしてみようと思ったのです。

 

レース後はコンビニスイーツで打ち上げ。

 

やっぱりロイズが最強だな。

 

ホテルからのびわ湖の眺め。

 

朝の散歩。あー気持ちいい。

 

街中の遠征は疲れるけれど、びわ湖に来ると心が穏やかになれる。本当に良い所。
カヌーとかやってみたいなぁ。

 

高い高い大津プリンスホテル。いざ、お楽しみの朝食を食べに37階の「ニューヨーク」へ。

 

今日は思いっきり食べるぞ!
珍しいところでエッグベネディクトを発見(ちなみに実はゆでたまごと目玉焼きが苦手)

 

オムレツは注文制。できたてフワフワ!

 

前日は我慢したデニッシュ。でもパンは微妙だったかな…ワッフルが美味しかった。

 

びわ湖を眺めながらの朝食。曇って見えにくいけどそれもまたいい

 

 
朝食食べ過ぎて、数時間後気持ち悪くなるという毎度おなじみの愚行。
それにしても高温レースでよほど内蔵が弱っていたのか今回はかなり酷く、京都観光はブチ壊しになりました。おまけに筋肉痛はもちろん、レース中の皮が破けた部分も痛い。
それでも今日のノルマだと思い、なんとか清水寺には辿り着く。

 

人と坂と本家八つ橋多過ぎ…すっかりくたびれてこれだけで観光終了。
…八つ橋クレープは食べたかったなぁ。

 

電車で帰る。岡山から高知が遠い…

 

お腹が回復してきたので、お土産屋さんで買った餅一個だけ食べて

 

ただいま。ぼくも寝よう…